三話
何か後半らへんが変になったかもしれません…。
何かがおかしければ言ってほしいです……すいません。
あ、それとモンスターの紹介をしておきますね。
ヴァルフス
モン○ンのラオシャンロンが立った感じの奴で、背中が鋭い針のようなトゲで覆われており、背中にはあまり攻撃が通じない。
詳しいことは後ほど設定にて書かせてもらいます。
「01部隊全員に命令だ!我々は10式戦車に乗り、援護射撃と共に対空砲火をありったけぶちかます!02部隊が奴に引っ付いたら、奴の背に攻撃を開始する!
合図は俺が出す!皆、ついて来い!」
「「「「「イエス、マム!」」」」」
「02部隊全員に命令だ!我々は01部隊についていき、目標に近い地点でカタパルトを設置!その後、全員を射出する!俺は奴の足元で装甲車を走らせておく!落ちた者はすぐに乗って、援護射撃だ!出来るのならば、地対空ミサイルの装備を素早くしてくれ!
上に登れたら奴の首の傷に攻撃を開始せよ!」
「「「「「イエス、マム」」」」」
俺と中田は大きな声でブリーフィングを行う。
今回のブリーフィングの意味は次を見てくれ。
俺たち01部隊は援護射撃するだけで、大したダメージを与えられそうにない。しかし、02部隊が奴の首に攻撃できればダメージを与えられるだろう。
ならなぜ、01部隊が攻撃をするのかというと、時間を作るためだ。
もし、このまま進んでも、こちらに注目するという可能性があるからだ。
奴をこちらにおびき寄せて、町への進攻を阻止し、進路方向の変更をさせるのだ。
考えたのはもちろん中田だ。しかし、こちらに注意を寄せるのだろうか?少し心配である。
ブリーフィングを終え、準備を開始した01部隊。パソコンみたいな物を取り出し、地面に置いて待つ。
すると、後ろから会計が来た―――のだが、
「待て待て待て!その装備は何だ!」
「えっと、対古龍殲滅用重装備です。いやぁ、長いことこのゲームしていて良かったですよ。」
見ると、モン○ンを連想させるものすんごくゴツい装備と、とてもでかい大剣を背に、デーンというSEがなりそうな恰好で現れたではないか!
「う~ん…会計、何だよ、な?」
「はい、そうですけど?どうされましたか、閣下。」
少し、恐ろしく感じてしまった。しかし、味方であるため、逆に頼もしく感じるのも確かである。
こいつは、やってくれるかもしれない。
そう思った俺は会計、アーヴィングにとある命令を出した。
「…まあいい。02部隊の鳥になるやつらを率いてくれ。」
「……え?えええええええ!むむむ、ムリですよ!お、俺が先輩たちを引っ張るなんて…」
しかし、やはりというか、自分では無理だといってくる。確かに新入りだったからそうはなると思ってはいた。しかし、この世界を知る唯一の存在がアーヴィングしかいない。戦い方からお金まで。
だからこそのこの命令。新入りでもやってくれないといけない時があるんだよ。
それを言おうとした時、とある男の声が響いた。
「バカたれ!お前はもう一人前だ!何も恐怖することはない!ただ前を見て、ワシらに合図を送るだけで良いんじゃ!」
「グルフ、教官…」
グルフ。こいつは三番目くらいに我が『戦場のダンデライオン』に入った人だ。
教官を務めており、入ってきた新入り達をビシバシ鍛えている。
彼はどうやら、会計のことを認めているようだ。
我々の中では彼に認められて、そこで初めてベテランとなるのだ。
「ワシはな、あの戦いでラスキルを決め、上位五位の内に入っていたお前を見て、認めた。もうお前さんは一人前じゃ。前を見て、戦え。」
「教官……!……分かりました。俺がやります。」
っていうか、こいつ、結構強かったんだな…。
そんなことを思いつつ、言う。
「やります。じゃない。やれ。これは命令だ。」
「イエス、マム!」
「あ、あの~…」
「ん?何でしょうか?」
ふと裏を向くと、町の方々がこちらを見ていた。
まあ、気になるわな。
「あの化け物と戦う気、なのですか?」
「そのつもりだが?」
そう言うと、何かものすごい勢いで顔を青くして言った。
「だめです!死んでしまいますよ!」
「なら見ているだけで良い。そのかわり、もし、町に何もさせなかったら、宿を貸して下さい。」
そう言って皆の元へと戻った。
こんなやり取りをしていると、戦車がもう現れていた。
おお、と声を漏らしつつ戦車に乗る。上のハッチを開けするりと体を入れた。
運転には宗治が付いてくれる。こいつは運転のエキスパートで、俺らを超える神的運転というものを見せてくれる、中二病患者だ。
「にしても、閣下が砲手も兼任するって言うから驚きましたよ。出来ますか?」
「大丈夫だ。問題はない。…………………………たぶん。」
「え?今、軽くフラグ立てませんでしたか……?」
「んなわけ、あ、あるか!」
「……もの凄く心配だ……!」
車内では、意外とのほほんとした会話があった。
すると、急に通信が入ってきた。
『ザー、こちらウェルキン。閣下、聞こえますか?「いよッし!フルボッコにしてヤンよ!」「待て待て待てぇ!お前は操縦士だろ!まさか突っ込むとかはしないでくれよ!」』
耳元でとてつもなくうるさい声が後ろから聞こえてくる……。
「ああ、もの凄く聞こえるぞ。後ろでは何があった?」
『う、ま、まあ、そこは勘弁して下さい…。』
たぶん、通信の向こう側で苦笑いしてるだろうなぁと思いつつ、他の通信を聞くため切ることにする。
そうして、全員の搭乗が完了した。
02部隊はどうやら戦車の後ろっ側に座るらしい。
「乗るんなら、落ちんなよ~!」
『分かってるって!しっかりつかまってらぁ!』
そう笑う中田。そこで全速力で行くことにした。
「01部隊、出撃する!全速力だ!」
『了解!全速力だ!』
『ぎゃああああああああああああ!な、何をしたぁ!凛!』
ははははは!バカめぇ!今更後悔しても意味はないぜぇ!
そんなことを思いつつ、それでも全速力で進む。
目標まで、あと約十キロ!
*
「全軍、止まれぇ!」
自分の戦車が止まり、続いて他の戦車も止まる。
上から見ればとても綺麗な隊列|(?)だ。
遂に近くまで来たので、02部隊が戦車の上から降りて、カタパルトの設置を行う。
俺たちは奴の腹を攻撃する。作戦内容はこうだ。
上手くいってくれよ!そう願いながら命令を出す。
「01部隊に命令だ!全主砲を奴の背に向けろ!合図で放てよ!」
『『『『『イエス、マム!』』』』』
ウィーンと機械が動く時に聞こえる音が響き、緊張が高まる。
鼓膜が破れないように、ヘッドホンで防音効果を付ける。もうこれで全部通信でないと聞こえない状態になった。
……でも、うるさいらしい……。
まあいい、そう言い聞かせつつ、砲塔のキューポラと呼ばれる場所から外を見る。奴との距離、地面の具合、02部隊の設置の進み具合を確認する。ウェルキンは上半身を出しているが、ゲーム中だと、撃ち抜かれて戦車内の指揮が乱れ、色々ボロボロにされてボーンだが、相手はただ歩くだけの竜なのでそれぐらいがちょうどいいのだが、俺は戦場でそれをして、何回も死んでいるので、視察口からまわりを見てすぐ戻るが主流になっていた。
「前を見ろ!この攻撃次第で戦況が変わる!奴が強いのを忘れるな!」
『こちら02部隊!設置が完了した!後はそちらが攻撃を開始すれば、同時にこちらも射出する!』
いつの間にか02部隊が配置につき、設置も完了していた。
後は俺の合図次第である。そう考えると頭が真っ白に―――はならない。
緊張や不安なんかよりも、興奮が押し寄せて、それら以上になったからだ。
思わず口をニヤリと三日月型にして笑う。
「諸君、私は最強を前に逃げることを許す。ただし!私はそれでも戦い抜いてやる!仲間がいる限り、敗北の文字は我々には無い!
主砲発射用意ぃぃいい!」
ベンチレーターのスイッチをオンにする。これを押しておかないと、中毒で死ぬというリアルを追及させてあるからだ。あのゲームも。
ガコンという音がなり、無事自動的に徹甲弾が装填された。
ペダルで砲塔を動かし、ハンドルで微調整をする。
ジワリと手汗がにじむが、手袋を速攻で付けたため、問題はない。
数秒後、ゲーム内での勘で命令を出す。
「撃てぇぇええええええええ!」
『『『『『ファイアァァァアアアアアアア!』』』』』
ガウンッガウンッギャウンッガウンッガウンッ
皆が一斉に撃発レバーを引く。すると計5発の弾は山なりに飛んで行き、奴の背中(とその他)で爆発した。
グワァァァアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオ!
「誰かはずしているぞ、バカ野郎!01部隊!移動を開始する!ついて来い!」
奴は苦しそうに叫び、こちらを向き始めた。
01部隊は俺の命令で動き始める。
――――作戦通り!
すると、それを見ていた中田が02部隊に命令を出した。
「行くぞ!鳥になれぇぇぇええええええええ!」
『『『『『オオオオオオオオオオオオ!』』』』』
パシュッという、何とも間抜けた音を出し、空を飛んだ。
アーヴィングは、02部隊はこれから奴の腹に掴まり、よじ登ることになる。と、空中で作戦の内容を思い出し、ピッケルを構えた。
奴の背からは登る前に串刺しだ(前書き参照)。だが、腹はとても危険で、腕を使っての攻撃はもちろん、それ以外の攻撃もあり得るということを知っておけ。そうも言われていた。
気を引き締めて、前を見る。後数秒で奴の、ヴァルフスの腹だ―――!
急に嫌な予感がして、奴の顔を凝視する。すると、口に炎が!
「対空放火ぁ!」
「「「「「なにぃぃぃいいいいい!」」」」」
体を少しひねり、範囲からそれる。と同時にビームのような炎が放たれた。
ゴウッという恐ろしい音が耳元で聞こえ、恐怖しながら後ろを見ると、
ギャゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウンン!
という、ドでかい爆発音と爆風とキノコ雲が見え、そこら一帯は火の海が出来、火の粉が舞う、恐ろしい戦場へと変わった。
サーっと血の気が引いた。まさかこれほどの奴だとは思ってもいなかったからである。アーヴィングがやっていたゲームでは、あんな感じではなく、もっと優しい感じで描写されていたのだ。
01部隊は?と疑問に思い、まわりを見ようとするがもう時間はなかった。
「うおおおおおおおおおおおお!」
ガインッギャリギャリギャリ………
「止まれぇぇぇえええええええ!」
そう言って必死にピッケルで掴まろうとするが、良い場所がないため、引きずってしまっていた。
しかし、腕で攻撃しようとしてきた奴は思い切り腕を振り上げた。
だが、丁度ピッケルが凸凹に引っ掛かり止まった。安心してる場合じゃない!そう思ったアーヴィングは急いでジャンプした。と同時に、腕が振り落とされ、さっきも出いた腹に当たった。
しかし、衝撃でアーヴィングも落ちてしまった。
「うわぁぁぁあああああああああああ!ぐうぅ!」
ドサッ
だが、奴の腕で着地に成功した。すぐに起きあがり、奴の腕にピッケルを刺して、振り落とされないようにしながら登り始める。
あ、危なかった…!そう思っているのもつかの間、また奴は腕を振り上げた。すんごい速さで上にあげられ、耐えれるはずもなく、腕から落ちる。
「ああああああああああ!でゅふっ!」
ドサッ
はたして、自分はどこまで幸運なのだろうかと、混乱しそうなくらいの幸運続きであった。なぜなら、もう奴の肩らへんに落ちたからである。
目を開き、前を見るともう目的地である、奴の首の傷跡があった。案外早く終わりそうだ。そう思いながら背にある大剣を振り下ろした。
ギャゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウンン!
しかし―――
「くそ!刺さったまま抜けない!ってうわうわうわうわ!暴れ出しやがった!」
そこまでダメージが通っているのか分からないで、更に暴れ出されたことにより、落ちそうになる。
嫌だ嫌だ嫌だ!ここで落ちてたまるか!そう思いはするが、もう限界が来ていた。
ズルッという、握っていた手の握力が弱り、すり抜けてしまう音が小さく聞こえ、アーヴィングは落ちてしまった。
「嫌だぁぁぁあああああ!」
そう叫び必死で手を伸ばすが、ダメ。このまま落ちるのか?そう疑問に思い、諦めかけたその時だった。急に何かに握られた感触があり、上を見る。すると、そこには、
「貸し一な、アーヴィング。」
「グルフせ……さん(・・)!」
そう、元教官であったグルフがアーヴィングの手首を掴んでいたのだ。
頭に浮かぶ、いろんな感謝の言葉を口にしたかったが、今はそれどころじゃあない。そう理解していたため、完結にただありがとうございますと言い、腕を引っ張って貰い、登る。
「他の隊員は?」
「もうほとんどが地上で無駄弾撃ちまくってる。後はお前のこいつでトドメさしゃ、終わる。」
「分かりました。やります。ぉぉぉおおおおおおおああああああああああ!」
少し話をして、大剣を持ち、引っこ抜く。痛みのためか、また悲鳴を上げているがそれが最後の断末魔だと言わんばかりに振り上げ、そして、
「「トドメだぁぁぁああああああああああ!」」
そう叫び、振り下ろした。顔に、体に、手に足に、奴から吹き出た血飛沫で真っ赤になる。
奴は力を失くしたかのように倒れ始めた。のだが、
「あああああああああ!落ちるぅぅぅうううううう!」
「ふん、これしきの事でへこたれるとは、まったく。」
「どうしてそう平然と入れるんですかぁぁぁああああ!」
うわぁぁぁっと叫びながら、情けなく落ちるアーヴィングとグルフ。でも、地上では他、34名が手を振って待っていた。
誤字脱字誤文等の指摘も待っています。
読んで下さり、ありがとうございました。