十話
久々すぎて、もう色々と忘れつつありますが、投降です!
投稿です……
まだまだ続けていきますよ!
それと、久しぶりに一話から見直すと、とてもひどいと大爆笑を通り越して冷静に正座する羽目になったので、また内容を改善していくかもしれません。
ま、今回もおそらくひどいですが、何卒よろしくお願いします。
『こちらOH-1、目標までに敵影は見られなかった。異常なし。繰り返す、異常なし』
『こちらOH-58、こちらも異常な~し』
ババババっと二機のヘリが空を舞うかのように進む。地上では荒野を進む二つのカーゴがあった。ここから少し離れた街へと向かう。
本来はヘリの機種名をいうのは何か違和感があるが、相手に覚えられにくいだろうという理由でそうすることになった。
俺はやりたいぜ? ブラックホークダウン!ブラックホークダウン!って……いや、まぁ、言いたいだけで経験はしたくはないけども……。
とにかく、その機種名を無線で聞きとりながら、薄らと地平線に現れた、森と街を見ていた。
「おーし、街が見えて―――何だあれは!?」
だが俺たちは、街から火の手が上がっていることに気づけた。俺が気付いた瞬間、無線でその街の灯の手について連絡が入る。俺はこちらでも確認できたと伝え、全隊員に武装確認をさせる。
「戦闘準備!武装確認っ!! もしかすると戦闘が起こるかもしれない!」
『了解しました』
ガチャガチャと弾倉、安全装置、コッキング等色々調べる音が響く。俺はヘリの方へ無線をかけた。
「街の火の手、そちらはわかるよな?」
『はい、見えています』
「どんな感じだ?」
そう聞くと、少し沈黙が訪れた。ババババとヘリの が無線機から流れる。そのまま返事を待っていると、どこか怒りを覚えた声で は言った。
『人が……民間人だっ! 民間人と騎士、その騎士とは違う格好の騎士が戦闘をしている! 民間人が虐殺の対象になっているぞ!』
「なんだと?」
そう聞いて、俺は眉を顰める。くっそ、戦争が起こっているのか。俺としては早々に回避したいところだが、その無線から聞いた声は後ろに乗ってる仲間の方にも聞こえたようで……
「なんだと!?」「許せねぇ……!」「助けたい……っ」「隊長!」
「……だぁー! 分かった分かった! 予定変更はしない! 救助の準備もしてくれ!」
『イエス、マム!』
し、仕方が無いじゃないか。安全性を取るか人間性を取るか問われて、今のところ無敵な力を持っていながら安全性の方を選ぶなんて……いや、それも間違っちゃいない。だが、俺達らしくないな。何でもかんでも突撃してた、始めたばかりの頃を思い出す。俺をヤった敵を、許すことなく反撃する。考え無しに……。
もう既に、答えは出ていたのか。
「さて、飛ばすぞ!」
※
ガリガリガリと土煙を上げながらブレーキをかける。もう目の前は炎と死体と、辛うじて生きてる人だけであった。カーゴが止まった瞬間、隊員達か一斉に降りた。
迅速に周囲のクリアリングをし、生きてる人たちを回収する。
「衛生兵!こっちだ!」「よぉし、待ってろ!」「こっちにも2人!メディック!」「分かったよ、待っててね」「次、次の負傷者はどこだ!」「バッカ、それは弾薬箱だ!」
怒号?と呼ぶ声、呼ばれる声がそこら中から上がる。俺は周囲を確認して、どの辺りが戦闘になっているのかをヘリの無線で確認した。
『どうやら、戦線はこちら側へと押し込まれている模様。約5分でこちらに到達し、戦闘になる可能性がある』
「ありがとう。では迎え撃とう」
俺はそう言って無線を切る。皆の方に振り返って、俺はこの光景を目に焼き付ける。柱に一本の槍ではりつけにされたまま死んだ男、母親に抱かれながら共に死んだ子供、生き残って涙を流しながら俺たちにありがとう、と礼をいう民間人達。
瞼を閉じ、そして―――目を開けた。
「諸君、君たちの怒りは俺にも伝わる。俺だって辛い上に怒りを覚えざるを得ない。だからこそ、今一度冷静になれ」
『……』
「……諸君、これからは戦争になる。もしかしたら、一方的な虐殺になるかもしれない。だが、俺達は奴らとは違う。この無慈悲な戦争に一般市民、民間人を巻き込んだこと……後悔させてやれ」
静かな怒りを言葉に乗せ、戦いに臨む事を言う。反対意見は無く、全員がこう答えた。大きな声で、揃えて。
『了解!』
「……よし、では分隊を編成する! 大体は昨日の組み合わせだ!」
「お待たせ……もう、勝手に始めるんだから……」
「中田、すまん」
「良いよ、別に。私もこれは正直来るものがあるもの」
そう言って中田は現れ、怒りを顕にする。俺と同じ気持ちなのだろう。だが、俺と違う点がある。もう既に作戦を考えているところだ。冷静になって他の隊員と情報をやり取りし、計画を建てる。ルートを作り、生存率が高く且つ速やかに制圧できる方法を考えているのだ。
「ヘリからの情報によると、空を飛ぶ、竜っぽい何か等の敵航空戦力は確認されていない模様。上空からの制圧をするか?」
「……そうね、一ついい方法があるわ?」
そういうと、手首についてある腕時計のホログラムメニューからノートパソコンのようなものを取り出す。それを設置することで数秒後、乗り物や兵器が出現する。今回出てきたのは……
「AC-130……ガンシップからの航空支援、か……」
「左右を森に囲まれたこの街だけど、さっき通ってきた道には何もないし、飛び立つことは出きるわ。それに、これだけあれば世界の覇者にだってなれるわ」
「……なろうとは思わないけどな」
「……でしょうね」
積んであるものは25mmガトリング砲、40mm機関砲、105mm榴弾砲……この兵器が活躍するゲームで記憶に新しいのはC○Dシリーズの航空支援ミッションだ。ストロボで点滅する友軍以外の動く物体へ攻撃する。おそらく、先ほど言ったとおり、虐殺になることは必至だろう。
それを分かってて、俺達が無事でありつつかつ有利に戦闘を行えるように考えたのだろう。
「具体的な内容は、この対地専用攻撃機による航空支援を私達の班は行う。あと、この攻撃機に乗らない者達は、一応他の航空戦力が現れた時の為に、ヘリと戦闘機に乗っての支援攻撃を行う。貴方達は地上部隊として敵を迎え撃って頂戴。その際、戦車に関しては使用を許可するわ」
「了解した。まぁ、その方がまだ安全かな」
AC-130を眺めながら、俺達は作戦内容を確認し、頷いた。やろう。もう一度この街を戦場とさせるのなら、お前たちもここで骨を沈める覚悟を決めてもらわないと。
「……そういや、なんで戦車のみ許したわけ?」
「敵にこういう兵器があるのかぁっていう発想を与えたくないの。見てる限りでは、大砲をそれほど使わないようだし……まぁ、戦車を使うことで大砲の有用性について考える材料に使われる可能性はあるけどね」
「じゃあなぜ戦車はいいと?」
「もう使ったからよ。あのゴジラみたいな奴と戦った時にね。それと、今現在のこの世界の技術ならここまでの機動力を持った大砲を作ることはできないでしょ?……おそらく。まぁまだあくまであの村人たちしか目撃者はいないから、極力使わないで欲しいけどね」
「なるほど。分かった、あまり兵器を使わないで戦闘をするよ」
後では忙しなく戦闘準備を進める仲間たちがいた。AC-130に乗り組む数名を見て、俺は良しと呟く。
「全員に通達。これより我々は敵勢力の迎撃を行う。作戦内容はーー」
先ほど話していたとおり、2部隊に別れて上空、地上での攻撃をすると伝えた。各自その連絡を受け、準備を始めた。
「よし、ではあそこに土嚢を置こう」「矢が飛んできた場合を考えて、天井があるといいな」「じゃあ、そこら辺の建物で戦うか」「俺は向こうで地雷を設置しておくぜ」「すぐ戻ってこいよ?」「ちょいとバギーで行くだけさ、安心しな」「ちょ、それフラグ!」
「……そろそろ地上迎撃部隊は準備が完了する。田中、そっちは?」
『こちらもほとんど準備出来たわ。こちらAC-130、離陸するわ。気をつけて』
「了解、幸運を」
その言葉と同時に、ものすごい爆音と共に飛び上がるAC-130を確認した。そして、その後から続々と戦闘機、トム猫が飛びあがる。その光景には心躍るものがあるが、今はそれどころではなかった。
飛び立ったのを確認し、地雷を仕掛けた連中が戻ってきたタイミングで各自配置につくよう指示をした。
「一応、準備は完了したが……」
『こちらスペクター、敵勢力の分断を確認した。おそらく、敵本隊は左右の2方面からの挟撃を狙っている模様。正面からくる敵は囮、繰り返す、正面からくる敵は囮だ』
「了解。まぁ、少ししたら囮から悲鳴が聞こえるさ」
『そしたら、戦闘の狼煙でも上げよっか?』
「あぁ、105mm榴弾砲で、薙ぎ払え」
そして、程なくして地雷を仕掛けた当たりから、爆発音と俺の言った通り悲鳴が上がった。
「よし、派手に行くぞ!Rock&Roll!!」
そうして、俺達のほぼ一方的な戦いは始まったのだった。
誤文誤字脱字感想等など、あればコメントしてくださると嬉しいです!
では、またよろしくお願いします。