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プロローグ

気が付いたらこういうの書いていたので、出してみようかな?と思い、つい。

とりあえず、気分で書けるかどうかが決まるので不定期です。

すいません…。

 いつもの定位置である机の上のPCを一つ撫で、椅子を引いて座る。そして電源を入れるとヴゥンという独特な音と共に、ディスプレイに光が灯った。でてきたデスクトップからカーソルを動かし、頬ずりさえしたいほど昔から愛して続けている、『銃声の止まぬ場所』というFPSのオンラインゲームを起動させる。そして幾つかのウィンドウの表示とともに、そのゲームのホーム画面がディスプレイに表示された。

 俺は横田(よこだ) 倫太郎(りんたろう)という名前で、『戦場』(銃声の止まぬ場所の省略語)では(りん)と名乗っている。そして、断言するがこの名をこのゲーム上で知らぬ者はいない。

 名前の通り女キャラクターではあるが、決して趣味で選んだわけではないぞ?面白さを選ぶ上でこれにしただけである。もう一度言おう、趣味ではない。

 カリカリという、PCの本体から流れる音をBGMにし、画面を眺めながらふと思う。しかし、バージョンアップをしていくごとにこの『戦場』は素晴らしくなっていくなぁ。と。

 ログインしてボーナスをいただくと、そのウィンドウを閉じる。そしてホーム画面に戻るといろんな項目に目を向けて、所持している武器、防具、装備、アクセサリーたちや購入可能な武器、防具、装備、アクセサリーたちを眺め、そしてその口元をだらしなくニヤけさせた。このゲームは戦闘時はFPSであるがそれ以外の場ではTPSとして楽しむことができるのだ。自身のキャラをカスタマイズし、それを眺めるだけでもこのゲームは時間を潰すことができる。可愛さは作れるのだ。

 あ、一応念のため大切なことだからもう一度言うが、プレイヤーキャラを女の子にしたのは、趣味ではない。ニヤけているのも気のせいである。

 そして、一息つくくらい眺めきったあと、俺はクランの項目にカーソルを合わせる。俺の所属するクランの名前は『戦場のダンデライオン』という。この名前の由来に関して、特に意味はない。とりあえずそのクラン内の一覧を眺めていると、いつもの掲示板には一週間前から俺が予告をしていた、今日の試合についての詳細が書かれていたのを見つけ、思い出した。

 そう、今日はクラン内限定の戦争をする予定なのだ。ここまでこうして書いてあるから、恐らくもう分かっていると思うが、クラン管理人(をつくったの)は、この俺である。つまり創始者というわけだ。

 ニヤリ、と先ほどとは違った笑みが漏れる。すぐにクラン項目内で待機部屋を一つ用意し、戦場を確定する。よし。

 そして気合いを入れると、キーボードに張り付き、チャット欄にどんどん出てくる挨拶に答えていく――――




 今回のステージは、現代の市街地みたいなマップで、道路には遮蔽物として車が横転していたり、バスが道を少し塞いでいたりしている。更に小さいビルがズラリと設置されており、ステージの中央のビルはそのビルの中で一番大きかったりする。これらには何かしらのギミックがあったりなかったりするが、その話はおいておくことにしよう。

 スタート時はどちらの陣営も屋根の上にいて、それ以降のリスポーン地点はほぼランダムで決まる。今回の戦闘のルールは残機設定ありの殲滅戦といい、敵の復活チケット(残機)を消費させ、先に殲滅しきった方が勝ちとなる。そして、ローディングが終わると、ついにスタート地点へとプレイヤーキャラが降り立った。


「俺らは横から行く!お前らはそのまま前方に突撃しろ!十字砲火だ!」

「了解!」「ミッションスタート!」「やってやるぜ!」「まっかせな!」


 俺はそう言うと手榴弾のピンを抜き、山なりに投げ飛ばす。それに続いて敵味方関係なく他の奴らも投げゆく。その爆弾たちは互いに、敵の足元に飛んで行き、爆風と共に敵を吹き飛ばした。それ以外にも、変な方向へと飛んで行き、関係のない場所で爆発したり、花火を打ち上げたりしていた。

 しかし、相手も相手で手榴弾を投げているので、俺たちも避けて進まなくてはならない。とにかくどこからともなくそいつが転がってくるため、ほぼ運で死ぬか生きるかが決まると言っても過言ではない。

 そう、これが俺たちのクランでの、戦闘開始の挨拶である。

 しかし俺は結構やりこんでいる方のプレイヤーであるから、目標をすぐにサイトの中心へと運ぶことが出来る。我ながら神エイムだと思う。だから、手榴弾を空中で爆破させるのもお得意な訳で、引き金を引き(ひだりクリック)ながら走る。まぁ、いつもは外したりするのだがね。

 そして、このクランにいるやつらはほとんどがベテランである。そのためか、手榴弾の撃ち落としも当たり前となっていた。わしが育てたとでも言っておこうか。


「きたねぇ花火だ!」「もうそのネタはいい!とにかく隊長!指示を!」

「ファイブアダプト!5、4、3、2、1、|all-out attack!(総攻撃)」


 なぜ英語なのかは聞かないでいただきたい。一応これで通じるからいいじゃないか。と心のなかでつぶやきながら攻撃を開始する。するとどうだろう、銃の乾いた発砲音がそこらじゅうからオーケストラの如く響く。十字砲火作戦の成功だ。

 だが、俺は違和感を覚えた。あまりにも相手の数が少なすぎる、と。

 今度は遠くから銃声が聞こえ、瞬間に隣の奴の脳天が吹っ飛んだ。と言っても、十八禁のゲームじゃないので倒れるだけだが、画面左端にやられた奴のニックネームと眉間を打ち抜かれたドクロマークが表示されたので、一撃死(ヘッドショット)と分かる。

 ここはそれほど、早く(てき)には見つからない様な位置だが……ここまで考えて何かに気づき、俺は命令を叫ぶ。


「くそがぁ! すぐに散開しろ! 突撃部隊に報告! 十字砲火作戦は失敗! 繰り返す! 作戦は、失敗だぁ!」

「うがぁ!? 何だ! 何なんだ! 痛い痛いいt」


 悲痛な叫びと共に、わからない方向から響く銃声によってまた一人味方が倒れる。それを見たほかの者達も、そいつで危機感を感じとったのか、叫び声が響く。


「散開! さんかーい!」「え? え?」「バラけるんだよ、新人!」「俺は定位置につく。」


 皆はその場から散り散りに分かれ、個人プレイへと移動する。主にこうなると走り続けながら戦うこととなる。集団でまたまとまって突撃するまで少し時間がかかるが……!

 残機はまだ残り五機、でも油断は―――


「―――禁物!」

「があぁ!くそ、敵k――」

「次!」


 ナイフで敵を掻っ切ると、奇抜な動きと共にその場からダッシュで離れる。敵をキルすると、仲間が死んだ位置から、自身の位置などもばれるしな。そして走りつつ地雷をセットする。なんだかんだここを通る奴さんもいるだろうしな!

 しかし、目の前の仲間が急に倒れた。誰もいないはずなのに、だ。

 くそ!スナイパーか…!そう理解して飛んだり転がったりしてその場から離れる。

 大抵は銃弾が飛んできた方向で場所を確定できるのだが、スナイパーだと格が違う。

 言っただろう?このクランはほとんどがベテランなのだと。床に敵のお味噌をぶちまけるのは軽いものだ(・・・・・)


「突撃部隊に告ぐ! 俺がスナイパーを()る! お前らは引き続き殲滅行動をし続けてくれ!」

「了解だ、ボス。後でビールを奢ってやるよぉ!」

「死亡フラグだぜ? それ……まぁ、楽しみにしてるぜ?」

「おうよ!」


 そう軽口を叩いて走るのだが、敵を三人ほど前方に確認した。今の銃の残弾が少ないため、弾の補充(・・・・)をさせてもらおうと思い、そいつらをビルの非常階段から奇襲する。

 一人が後方を確認、一人は前方、もう一人は左右の確認をしているが、


「上がガラ空きだぜ?新人!」

「うがぁ!」「くそが!うっ」「わああああああぅ!」


 そう言って上から飛び降りつつ三人を仕留めた。が、これが罠だと俺は気づきもしなかった。


「はぅ!?」


 撃たれた。しかも、ヘッドショットだった。こいつは……。突然の死に少し呆然としつつ、思考を止めない。今の打ちやがったやつの位置、正体は……!

 そうこう考えている内に5秒という文字が画面に出てきてカウントを開始する。その間にマップを見つめ、味方の行動をしっかりと目に焼き付け、作戦を練る。

 そしてゼロになり、プレスエンターという字が下に表示された。

 すぐにエンターを押して、リスポーン地点からスタートする。スタートと同時に、俺はブチ切れたかのように叫んだ。


「もう我慢の限界だぁ!『エンジェル中田』ぁ!!貴様を許さねぇ!!」

「うおぅ! ビックリしたぁ~。とっとと殺っちゃって下さいよ? 隊長~。」

「分かっている。行くぞ!」

「幸運を。」


 味方の声に、冷静さを一気に取り戻し、お遊びモードから仕事人モードへと変える。心の中は冷静ではないが……。

 ちなみに『エンジェル中田』とは、俺のクランに一番最初に入り、二人で頑張って有名なクランにしたその片割れで、俺と互角で戦える奴(ライバル)である。

 ふと、互角という言葉で気になって、マラソンをしつつ赤と青が押し合っているメーター(戦況)を確認する。どうやら未だに均衡が保たれてる。こちらに有利な形で崩してやりたいなぁ。

 まぁまだ、大丈夫。次こそ奴を殺る。そう呟いてふと顔を上げると、中央のビルの、死角になりやすいエスカレーターに、しゃがんで狙撃している()を見つけた。


「は、ははは、ははははははははははは!おわりだぁぁぁあ!」


 サイトを覗き、頭を銃弾が貫くよう計算して、引き金を引く。

 乾いた銃声と共に画面上部いっぱいに、ヘッドショットという文字とドクロマークが表示される。

 

「ぃ良し!後何機なんだコノヤロー!」


 そう言いながら俺は激戦地へと向かって行った……。



 結果として、いつの間にかタイムアップしてしまい、惜敗してしまった。

 しかし、まだ一回戦だと味方の士気を上げ、もとい言い包めて、次の戦闘への作戦を立てたり、装備の確認などをする。

 ここまでは良かった。これが普通だからな。

 だが、次の二回戦が始まった瞬間のことだ。


 いきなり目の前がホワイトアウトして――――

















 気が付いたら生い茂る草原の中、大の字で寝転がっていた……。






このクラン名に気づける人は同志です。

おぉ、同志よ…!語り合おうではないか…!


誤字、脱字、誤文な点などを指摘していただけると幸いです。

よろしくお願いします。


8/26 少々修正いたしました。

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