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第12話:ちっちゃな司書と少女の出会い

「んたかたー、んたかたー」




僕は、今本を探しているのです。



本の題名は『原点復帰』なのです。


でも、名前ほど簡単な本じゃないのです。



『超越した技術』のたくさん詰まった魔道書なのです。



なんでそんな本を探しているのかと言えば、マスターに頼まれたからなのです。


マスターは僕を作った人なのです。


マスターは、この『無限書庫』を管理している人なのです。


僕は、マスターに作られた人形なのです。


でも、マスターの魂を少し貰ってるし、身体もあるのでれっきとした人間なのです。




「っと、あったのです。」



そして、見つけたのです。


僕は、その本を手にとって持って帰ります。



マスターなら、ほんとは『無限書庫』の中にある本なら簡単に取れるのです。


それは、空間の歪みを用いて取り寄せるのです。



でも、今回はそれができないから頼んだのです。





もうお分かりの人がいるかもしれませんが、理由は此処が『禁書庫』だからです。


当然、セキュリティーも万全なのです。


だから、此処から本を取り出せるのは僕かマスターしかいないのです。



そして、目的の物を手に入れたら撤収なのです。



『禁書庫』から出てすぐに封印するのです。


封印は、簡単にできるのです。


魔法を一つ使えば、それだけで完了なのです。



後は勝手に組まれた術式が発動するのです。





「お待ちなさい、坊や。」



「と、変なおばさんがいるのです。」



「おば…、ま、まぁいいわ。坊や、その本を置いて行きなさい!」



「これはマスターに頼まれた物なのです。だから、ダメなのです。」



「ならば。力づくで置いていってもらうまで!」



そう言って、おばさんの下半身が蛇になったのです。


そして、両手の間にオレンジ色の火の球を作ると、それを僕に向かって投げつけてきたのです。



「レジスト」



でも、僕の前で透明な壁に当たって拡散するのです。



正直、構っているのも面倒なんで、放置するのです。



驚いているおばさんを余所に、僕はマスターのところへ急ぐのです。






「マスター、言われた本を持ってきました。」


「ん?じゃぁ、そこに置いといてくれ。」


「はいなのです。」



と、言われた机の上に置くのです。



そして、その向こうに死神が見えたのです。



「お、坊主、久しぶりだな、元気だったか?」


「坊主じゃないのです。司書なのです。それに、僕は風邪をひかないのです。」



「はっはっは。そうだったな。それで、その本はなんだ?」


「これは、マスターの求めた本なのです。だから僕が持ってきたのです。」



「俺にも見せてくれよ。…って、わっぉ!」


こっちに来ようとした死神をご主人様が攻撃しました。


そして、こっちに目を向けると、合図をしてくるのです。


これは、あっちに行けという合図なのです。



「なぁなぁ、良いじゃん、ちょっとくらい見たって…」



という死神の声を聞きながら、僕はドアから外に出るのです。



そして、数歩したところで部屋の中から悲鳴が聞こえてきたのです。



でも、僕には関係ないのです。









「んたかたー、んたかたー」



僕の仕事は、図書館の本の整理整頓、職員の雇用、その他色々なのです。



そして、この図書館は全部見回るのに10年はかかるほど広いのです。


だから、僕は見回るのが大変なのです。


そして、今日はいちばん本の荒れている一般書庫なのです。


図書館の利用者は大体このあたりを使うので、荒れ安いのです。



だから、僕は頑張って整理整頓するのです。




「坊や、本の整頓?偉いね。」


「偉くないです。これが僕の仕事なのです。」


「えっと、仕事って、誰かに頼まれたの?」


「そうなのです。だから、僕がこうして整頓しているのです。」


「じゃぁ、私も手伝うよ。」


「良いのです。僕は一人でもできるのです。」


「でも、人手があった方が早く済むし、私もここを利用させてもらってるから、ちょっとはお手伝いしたいんだけど。」


「う~ん。そこまで言うのなら仕方ないのです。手伝ってもらうのです。でも、僕が次に帰るよう言ったら帰ってほしいのです。」


「分かった。じゃぁ、それまでよろしくね。」



「よろしくなのです。じゃぁ、この本を棚に戻すのを手伝ってほしいのです。」


「分かった。」


「と、この本とその本はこの棚、そっちの山はあっちの棚に入れてほしいのです。」


「うん。この本もあの棚?」


「違うのです。その本は隣の棚なのです。」


「え、でもラベルが此処になってるよ?」


「それは、ラベルが間違っているのです。それは歴史書だからあっちの棚なのです。後で受付で治してもらうのです。」


「じゃぁ、私が直してもらってくるよ!」



そういって、にこにこ笑顔で走って行いったのです。


変な子なのです。



そして、僕たちは日が暮れるまで本の整理をしたのです。


ただ、進みはあまり速くならなかったのです。


本の場所や分類の仕方を教えていたから、しょうがないのです。


あまり使えない子なのです。



でも、少し楽しかったのです。


それに、図書館の整理をするうえでは人手が欲しいのです。


でも、雇っている職員以外で手伝ってくれるような奇特な人はなかなかいないのです。


だから、うれしいのです。




僕たちは日が暮れるまで図書館の整理をしたのです。


そして、明日も手伝ってもらう約束をしたのです。



明日が楽しみなのです。



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