第四話
その後、空き部屋を寝室としてあてがわれたクララだったが、なかなか眠ることができなかった。
自分が消えてしまう気がしたから。
クララとしての自分に未練はもうほとんど無い。部下であったゲッカとヤーミィは今も楽しくやっている。それを知ることができただけで良かった。そのはずだったのだが。
「ゲッカ、ヤーミィ」
気づけば彼女は店に続く階段を降りていた。後片付けをしていた二人はすぐに作業の手を止めた。
「まだ起きてたんすか、クララ様」
「お一人では眠れませんか?」
ヤーミィの問いかけに、クララは首を左右に振った。
「まだ、寝たくない。お別れになりそうだから」
その言葉にゲッカとヤーミィは不思議そうに顔を見合わせた。
「クララ様がいたいなら、ずっとここにいてもいいんすよ?」
「そうですよ。また三人で仲良くやっていきましょう?」
クララは先程よりも強く首を左右に振る。そして言った。
「できないんだ。アタシにはもう時間がない」
「時間がないって、どういうことすか」
「詳しく、話してもらえませんか?」
クララは意を決して語り始めた。
「あの魔法少女に倒された後、気づけばアタシはこの姿になっていて、アンタ達のことを過去の記憶として持っていた。でも、日に日にその記憶が消えていってるんだ。でも、そんなのはどうでもいいさ。もっと大事なことがあったからね」




