第三話
ほどなくしてヤーミィがテーブルに注文の品を持ってきた。
「お待たせしました、ベリークリームソーダとミートパイになります」
「わあ……!」
それらを前に目を輝かせたクララだったが、ふと元部下達の視線に気がつく。
「――コホン。随分と美味しそうじゃないか」
「そんな大人ぶらなくても俺達引きませんって」
「むしろ子供らしい面があって安心しましたよ?」
「うっ、うるさい!二人揃ってニヤついた顔でこっちを見るな!」
クララはゲッカとヤーミィに向かって怒りつつもミートパイを完食し、ベリークリームソーダを飲み干した。
「ふぅ……腹いっぱいだ。それじゃあ代金を払ってアタシはお暇しようかね」
「いや待ってください?クララ様」
慌ててゲッカが止める。
「なんだいゲッカ。ここに長居する気はないよ」
「そうでなくても今晩は泊まっていくべきですよ。そんなお姿で夜出歩いていたら警察の世話になるのは目に見えてます」
ヤーミィがその理由も踏まえて提案する。
「警察は……もう勘弁してほしいね」
先程警官に補導された結果ここへたどり着けたことを思い返しつつクララは言った。中身が大人である彼女にとっては屈辱的なことだったからだ。
「しょうがないから、今晩だけはアンタ達の世話になってやるよ」
それを聞いたゲッカとヤーミィは満面の笑みを浮かべて返事をした。




