第二話
中に入ったクララは、その店内をゆっくりと見渡した。
カウンター席とテーブル席があり、隅の方にはダーツの的やビリヤード台が置かれている。
「随分と豪華だね。ここ、アンタ達の店かい?」
「はい。昼はカフェ、夜はバーを開いてます」
「マスターも昼と夜で交代制なんすよ」
「ふぅん。随分と平和ボケしちまったねぇ。ダークさが圧倒的に足りない」
容赦ないクララの感想にヤーミィとゲッカは固まる。しかし直後、彼女は少しばかり穏やかな笑みを浮かべてこう口にした。
「けど、嫌いじゃないよ。それでメニューはどこだい?」
「へっ……?」
思わず聞き返したヤーミィに、クララは顔をしかめる。
「メニューだよ。カフェをやってるならノンアルコールだってあるんだろう?」
「はっ、はい!ただ今お持ちします!」
差し出されたメニューを開いたクララは少し考えた末、ベリークリームソーダとミートパイを注文した。
ヤーミィが調理に取り掛かる中、ゲッカは恐る恐るクララに尋ねる。
「クララ様、どうしてわざわざ注文を?」
「腹が減っているからに決まってるじゃないか。金は持ってきているから心配要らないよ」
「いやいや、そこはこちらのおごりで――」
「馬鹿言うんじゃないよ!元上司だからって特別扱いは店員としていただけないね!」
「す、すんません……」
叱られたゲッカは謝罪した。




