表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/50

第6話 最初の断片、覚醒のプロトコル

今回はレンの第1覚醒を丁寧に描写してます。

ややシリアスですが、大きな転換点です。

それでは本編をどうぞ。

町の外れで、冒険者や役人たちがにわかに騒いでいた。

 地中に埋もれていた遺構が見つかったらしく、その危険調査にレンも呼ばれたのだ。

「なんで私も行かなきゃなのよ」

 ミオは不満げに眉を寄せる。

「護衛が足りないんだとさ。安心しろ、俺が守ってやるよ」

「はあ!? 私は別に頼んでって、聞いてないし!」

 結局同行してくるあたり、素直ではないところが可愛らしい。


 地上の裂け目から降りた地下空間は、冷たい空気に満ちていた。

 壁に刻まれた紋様は、どこの文明にも似ていない。

 細い線が複雑に絡んだような文様は、魔導機の基盤にも見える。

「すご。。ここ、本物の古代文明の遺跡じゃない」

「魔力反応も現代の魔導機とは桁が違うな」

 そして部屋の中央に

 黒い石板が鎮座していた。

 漆黒の表面には無数の文字列が走り、

 光が当たるたびに虹色の輝きを返す。

「レン、本当に触って大丈夫なの?」

「見る限り。。生きてない。今はただの石板だよ」

 軽く触れた瞬間だった。


《起動。未登録ユーザー確認。適応プロトコル、開始》


 石板が呼吸するように脈動し、光が迸る(ほとばしる)

「ひゃっ! な、なにこれ!? 喋った!?」

「予想外だな」

 光がレンの身体に吸い込まれる。

 視界が一瞬白く染まり、

 次の瞬間、世界の輪郭が崩れた。

 空気の粒が、線で描かれたように見える。

 壁の紋様が、規則性を持った構造体へと変わっていく。

 そして、ミオの身体の中を流れる魔素までもが、

 まるで回路図のように読み取れた。

(なんだ、これ。。。脳が勝手に解析してる?

 いや違う。これ、視界がコードを分解して表示してる。。)


処理速度が跳ね上がり、

 五感の情報がすべてデータとして認識できる。

 脳内に流れ込むのは、膨大な古代語と魔導演算式。

 現代魔法の根底にある原型だ。

「レン!? ホントに大丈夫なの!?」

「問題ない。むしろ、頭が冴えてきた」

「いや、それ全然大丈夫な人の言い方じゃないから!!」

 ミオの声が、やけにはっきり聞こえる。

 音の振動まで数値化されているのがわかる。

 そのとき。

 奥の通路から、轟音が迫ってきた。

 ガガガガガッ!

「まさか。。」

守護者ガーディアンだな」

 石と金属の巨躯が現れる。

 高さ10メートルを超えるオートマトン・レリック。

 その表面にも、複雑な魔力回路が走っていた。

 だが、今のレンには違って見えた。

(コードが。。見える)

 オートマトン・レリックの身体の上に透過したウィンドウが浮かぶ。

 そこには明らかにプログラムとしか思えない動作ループがあった。


loop {

patrol_area();

detect_target();

attack_sequence();

restore_form();

}


レンは、まるで自分のPCを操作するかのように指を伸ばす。

(攻撃ルーチンここか)

 軽く指先を触れるイメージ。

 すると攻撃シーケンスの行が淡く光り、

 スッと薄くなった。

 攻撃ルーチンが、無効化された。

 オートマトン・レリックは、剣を振りかけた体勢で固まり

 そのまま、ゆっくりと停止した。

「あ、あれ。。止まった?」

「コードを一行消しただけだよ」

「だ・け・じゃないでしょ!? なにしてんのよアンタ!!」

 ミオの驚愕と叱責が、妙に心地よい。

 やがてオートマトン・レリックの核が砕け、

 内部から一枚の石片が転がり出た。

 薄い板に刻まれた紋様は、

 恐ろしく精密で、どこかで見覚えがあった。

「これエミグレ文書の断片?」

 ミオが息を呑む。

 レンが触れた瞬間、

 また脳内にデータが流れ込む。

 世界の根幹を成す魔導体系

 魔導OSとでも呼ぶべき原型コードの第一章。

(この感覚。

 たぶん、これはまだ始まりなんだ。

 文書の断片を全部集めれば。。世界のコードが全部読める)

「レン? なんで笑ってるの?」

「いや、ちょっと面白くなってきたと思って」

「だからその言い方やめなさいってば!!」

 怒るミオの横で、

 レンの瞳にはまだコードが流れ続けていた。


ご覧いただきありがとうございました!

レンの第1覚醒を世界の構造が変わる瞬間として描いてみました。

第1断片の入手により、これから物語が大きく動いていきます。

次回は、断片の解析と町で起きる小さな変化、

ミオとの距離感にも少し変化が出てくる予定です。

引き続きよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ