表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

血塗れ竜宮伝説

作者: キリン

ふざけにふざけてます、苦手な方は今すぐ逃げてください……さもなければ薩摩藩の侍がどこまでも追ってきます

浜辺のど真ん中。燦々と照り輝く太陽の下に、悪しき影が二つほど。


「その甲羅いいなぁ、俺に寄越せやぁ!」

「中身は焼いて食ってやる!」


げしげしと蹴られいたぶられるそれは、世にも珍しい金の亀。どうやらこの子悪党共は、金に目が眩んで外道に堕ちたようだ。容赦なく、情けなど一切なく、ボロボロと涙を流す亀を蹴り続けている。


亀は自らの境遇を、海の民の認識の古さを憂いた。遥か昔に在った筈の素晴らしい道徳が、この人間たちには一切ない。いいや、そもそも今を生きる全ての人間から、思いやりの精神が失われてしまったのではないか? 怯えながら、怒りながら……ただひたすらに、亀は助けを乞う。


「おい、何をしている!」


そこへ現れたのは筋骨隆々の大男。釣り竿一本を引っ提げながら、外道二人を睨みつける。


「なんだぁ……てめぇ……?」

「おいどんは浦島。おまんら、とっとと去らんとぶった切るぞ!」

「上等じゃ、刀持ってねぇ侍なんぞ恐れるに足r

「チェストォ!」


大男の一撃。刀ではなく竹竿の一撃、しかしその威力は凄まじかった。殴りかかってきた男の頭蓋をかち割り、見事に真っ二つに裂いてしまったのである。それを見た小悪党のもう片方は、腰を抜かして尻餅をつく。


「ひ、ひぃっ! ……俺が悪かった、助k

「チェストォ!」


情け無用、そう言わんばかりの一撃。再び真っ二つになった男は、悲鳴を上げる間もなくひしゃげて倒れ込む。二つの血の海を作り上げた浦島なる男は、怯える亀を睨みつける。


「……あっ、助けてくれてありがとうございます! えっと、その……お礼に龍宮城へご招待しまs

「チェストォ!!!!!!」


男の竹竿が、亀の甲羅に叩き込まれる。砕けぬ甲羅、されど衝撃は亀へと伝わる……ぐにゃりとだらしなく地に伏した亀を、浦島は満足そうに眺めていた。


「ふむ、やはりおまんは魑魅魍魎の類か。喋る亀だ、そうに違いない」


何いってんだこの人、頭おかしいんじゃないのか。倫理道徳以前に理性や知性すらも失ったと判断した亀は、必死に海へと帰ろうともがく、藻掻く! しかしそれを逃がすほど、浦島は……薩摩の蛮族は甘くなかった。


「おい、誰が帰っていいと言った?」

「ひぇっ」


がしり、万力で亀の頭を掴む浦島。恐怖のあまり、亀は泣き出しそうになる。


「おまんらの国に案内しろ」


にやり。邪悪な笑みを浮かべる浦島の顔は、最早平和とはかけ離れたものであった。


「暴れ甲斐がありそうじゃ」


後に、この浜にはある伝説が語り継がれることとなる。

戦いに飢え、人を殺すだけでは飽き足らず、人外の魑魅魍魎をも斬り殺しまくった狂戦士の伝説が。


人呼んでそれは、「血濡れ竜宮伝説」。

その伝説が真か嘘かは定かではない。しかし実際、この浜周辺の海は赤く……ドス黒い血の色に染まっているのである。伝説によれば、それは浦島が斬り殺した魑魅魍魎の血だとかそうではないとか。








ここまで読んでくださった物好きなそこのあなた、もう少し時間の使い方を考えたほうがいいですよ(笑)。

この作品を書き上げたのは23時49分。俗に言う深夜テンションで書き上げました。故にこんな事になりました、ひどいでしょ? 私もそう思います、ひどい、なにこれ???


ちなみに今回のお題は「海の生き物」というものでした。

はじめはマグロ漁船の話でも書こうと思ったんですけどねぇ、はい。深夜テンションのせいでクソみたいな短編(?)が出来上がってしまいました。

語ることがもうありません。

浦島太郎さん、ここまで読んでくださった皆様に謝意を述べて、今回の私は筆を置かせていただきます。


え? 二度と筆を執るなって?

そんなぁ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 直情的な暴力の描写が面白かったです。 善悪の垣根なく殺戮の限りを尽くしたのか、それとも海の世界に蔓延る悪を斬じたのか定かではないですが、「チェスト」の掛け声で有名な薩摩示現流を嗜んだ者であ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ