私しか知らない
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
耽美奇譚です。
首絞め描写。縛る描写があります。
嫌な予感がなさった方は、お逃げ下さい。
私の夫は他者から見れば完璧な人、なのだろう。眉目秀麗、品行方正、完全無欠。それら全てがあの方の為にあるようなものだった。実際に、顏も、立ち振る舞いも完璧だった。でも周りは誰一人として知らない。本当は内に秘めた残虐性がある事を。
今日も夫婦二人で夜の営みに興じていた。私は麻縄で縛られて、口には猿轡をされていた。本日は目隠しをされておらず、お陰で相手の表情がよく見える。
一見する表情は慈愛に満ち溢れていて、勘違いをしてしまいそう。けれども奥に潜むのは、昼間には見せない加虐的なギラギラとした目。人を嘲笑し、見下した目。私しか知らない目。その元で黙って転がる事しか出来ず、無力なままに私は懇願する様に見上げた。
「可愛いね。お前は。こうやって手荒く扱われても、私を求めてくる。可愛いね」
どろりとした砂糖菓子の声音で、椅子に座ったまま私の鎖骨を踏み付けた後、足先で顎を持ち上げる。褒める様に足先で髪を梳く。小馬鹿にした口元も、足使いも、隠そうとはせず、ただ刺激を与える為だけに。
外では御行儀良く。けれども内側は破綻した加虐性を。全てを許容し、許して居るようで、全てを見下したこの性格を私は深く深く愛している。完璧だと思ったものが、仄暗いものを抱えて生きていると言うだけで、甘美な材料だった。
傍から見れば気が触れている。と思われるかも知れないが、彼の足先で背筋をなぞられた様にゾクゾクする。被虐趣味、なのかも知れない。
彼は一度麻縄を解くと、締めあげられた体を労る様に指先でなぞる。この瞬間が好きなのだ。圧倒的に優位に立つものから与えられる誉が。痛みさえ耐えられる程の甘美な毒となる。
「□□様、□□様」
縋り付く様に膝上に頭を乗せた。今度は人間を扱う様に指で髪を撫でられた。請われた人間に慈悲を与えるように。けれどもそれも束の間。するりと喉下に入り込んだ指が首を締め上げて、呼吸を妨げる様にキリキリと力を込めていく。
「ぅ……あぁ……」
「流石に飽きて来ただろう。縛られるのも。何か良い案があると良いのだが」
酸欠で失神する前に、首が折れる前に彼は解放した。するとまたも労るように、髪を撫でてくる。
私しか知らない。彼の一面。殺す程の残虐性と救う程の慈愛性。全てを知るのは私達だけ。
ショパン聴きながら、江戸川乱歩作品集読みたい人間です。んでもって耽美奇譚書きたい唯の人間です。
あ、首絞め自分でやってみたんですけど。
後ろからだと上手く締まりませんでした。
筋肉というか、筋が張ってて。
前からじゃないといけないんだな〜。
ドラマよく出来てるな〜と。
前に出ていた夫人達だと思います。
品行方正だけど内心全てを見下していて、それを自分しか知らないって燃えるよな〜。と。
膝上に縋り付く描写が好きです。
ずっと虐めてる訳じゃないから、好きなんだと思います。小休止挟むように飴を与えるのが好きなんだと。
なんだかんだ言いながら好きな二人です。
性癖ねじ曲がってますね〜。