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君に娘はやらん。なぜなら

作者: jima

 

親父その一(年齢)


「君に娘はやらん」

「お父さん、失礼ですよ」

「お父さんの分からず屋」


「…お父さん、僕の何が」

「君にお父さんと呼ばれる謂れはない」

「僕の何が不足でしょう。やはり年齢でしょうか」

「そうですよ。今時、年の差で反対なんて時代錯誤ですよ」

「お父さんの分からず屋」


「…お前、俺の高校の時の同級生じゃん。吉田だろ」

「ああっ。お父さ…、お前は澤村か、…澤村さんですか」

「いくら何でも」

「…お父さん、それでも頭ごなしに反対は」

「お、お父さんの分からず屋」


「吉田、お前、同級生のハナちゃんとフーちゃん、先輩のミサキさんと担任のヤマザキ先生の4股してたよな」

「そ、そんな昔のことを」

「…そ、そうですよ。今は変わったかもしれないでしょう」

「…お父さんの…分からず屋」


「あと、お前授業サボって、女子バレー部と陸上部と水泳部の部室に籠もってたって噂があるけど、あれ何してたんだ?」

「ち、ちょっと瞑想をしてただけだ」

「…」

「…えええ、お父さんの、うーん」


「吉田、お前が隣町の女子高でやったことを今から警察に話しにいくぞ」

「澤村、それだけは」

「…」

「…」





親父その2(職業)


「君に娘はやらん」

「お父さん、失礼ですよ」

「お父さんの分からず屋」


「お父さん、僕の何が」

「君にお父さんと呼ばれる謂れはない」

「僕の何が不足でしょう」

「そうですよ、お父さん。ちゃんと説明してください」

「お父さんの分からず屋」


「君の職業『トレンドクリエイター・作家・茨城経済研究所主席アナリスト』って何だね」

「僕はマルチな才能があるので、申し訳ありません」

「立派な仕事ばかりじゃないですか。お父さん」

「お父さんの分からず屋」


「まず『トレンドクリエイター』って何だね」

「流行を作り出したり、分析したりします」

「…具体的にどんな仕事をしてるのかね」

「SNSや若者コミニュティにコミットして、マーケティングリサーチのもと、そのインパクトやビジュアルに立ったプロモーションをインフルエンサーとして」

「死んでしまえ」

「お父さん!失礼ですよ」

「お父さんの分からず屋」


「…作家ってなんだね」

「はい、これが本命ですね」

「君の著作を見せてくれ」

「ああ、ネット上にあります」

「ネット上…」

「はい。投稿サイトを見ていただければ、私の小説やエッセイが」

「投稿サイト」

「はい、そうです!これから書籍化もあり得ます」

「馬鹿じゃねえの」

「…お父さん。口が過ぎるような気もします」

「…お父さんの分からず屋」


「経済アナリストって何やってるの」

「茨城です」

「茨城で」

「はい。茨城です」

「だから、茨城で何やってんだって」

「これは…まあ、こういう肩書きってあるといいかなって」

「あるといいかなって」

「だいたいワイドショーとかで『これから景気悪くなります」とか『円はまだ下がります』とか適当に言っとけばいいんで、いつでも呼んでほしいんですけどね」

「地獄へ堕ちろ」

「お父さん、…私もそう思います」

「…」





親父その3(性別)


「君に娘は…」

「失礼ですよ」

「お父さんの分からず屋」


「まさか同性婚とは」

「申し訳ないとは思っています。でも好きになってしまったんです。一緒にいたいんです」

「しかし」

「パパの分からず屋」

「し、しかし」

「お父さんの分からず屋」


「…すまない。そういえば俺とパパだって愛し合って一緒になったんだった」

「確かに周囲の偏見はあったけどな」

「パパ」

「そうだ。そんな偏見と向き合って、俺とパパはそれでも家族になったんだ」

「お父さん」


「お父さんとパパはもちろん子供が出来ないから、お前を里親として引き取った。でも本当の家族以上に家族としての絆は強いと思っているぞ」

「ありがとう、お父さん」

「そうだな。祝福するよ」

「ありがとう、パパ」

「ありがとうございます。ええっと、お父さんと…パパ?でいいんですか」

「もちろん。娘が増えてうれしいよ」

「父三人?娘二人…バージンロードどうやって歩こう?」

「気が早いなあ、父さんもパパも」





親父その4(国籍?)


「君に娘はやらん」

「お父さん、失礼ですよ」

「お父さんの分からず屋」


「◎×□?纐纐纈×QR◎?纐纈纐纈」

「誰なんだ、お前」

「纐纈魑魅◎◎?纐◎◎?纐◎」

「おい、娘。通訳しろ」


「纈魑♪R◎?纐◎◎纐纐」

「『私は銀河のはずれのガマラバッチャバ星からやってきた』と言ってるわ」

「だから、何なんだ、お前は」

「お父さん、失礼ですよ」

「お父さんの分からず屋」


「何なんださっきから。この触覚みたいのがピロピロ」

「お父さんと会えて、うれしいんだって」

「犬の尻尾か」

「お父さん、失礼な気もするわ」

「彼も照れてるわ」

「顔が緑色だからわからん」

「お父さん、失礼よ…多分だけど」


「どんな仕事をしてるんだ。このエイリアンは」

「エイリアンとか言わないで。◎?纐◎◎?纐◎魑魅◎◎×□?」

「どこでお前はその言葉を覚えた。だいたいエイリアンと知り合う場所ってどこなんだ」

「うるさいな」

「纈魑♪R◎?纐◎◎◎魑魅◎◎」

「おい。だんだん面倒になってないか。同じ文字のコピーに」

「黙ってて、もう。ええっと、宇宙のエントロピーを制御する仕事を次元管理局でゲノマロジック的にやってるんだって」

「何だ。そのゲノマロって」

「地球にない概念だから訳せません」

「何だ。もう全然意味不明だ」

「お父さん、失礼という概念は通じるのかしら」

「お父さんの纐◎魑魑R△●」




 その3以外を書いてから、ちょっと物足りなくて3を付け足しました。全然色合いが違ってるな。どうなんですか。

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