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カラコロカラン
「すみません」
「…来てくださったんですね」
はいと返事をして彼女はカウンターに座った。
「水原聡美さんですね?」
「…はい。父から話を聞きました…その、大輝の浮気のこと調べてくれてるんですよね」
「そうですね」
「あの…私の話…信じてくれますか?」
水原聡美がそう言った時に誰かが入ってきた。
カラコロカラン
「すみません…って、聡美っ!」
「えっ!だ、大輝?」
何でこのタイミングで来るかな…
「なんで聡美が…」
「探偵さん!どういうことですかっ!?」
「申し訳ありません。倉本さんが来るとは僕も思っていませんでした…倉本さん、どうされたんですか?」
「い、いや、調査の事を聞きにきたんですが…」
「そうですか。現在調査中ですので、お帰りください」
「いや、聡美!俺は本当に浮気なんてしてないんだよ!」
「嘘よ!だって、知らない女の髪の毛が部屋に落ちてたし、くるもの!」
「本当に俺は知らないんだよ!」
僕はため息をついてから声をかけた。
「申し訳ありません。僕は水原さんからお話が聞きたいんです。邪魔をされるようならお帰りください」
倉本大輝は眉間に皺を作り、僕を睨んだ。
「どうぞ、お帰りください」
「俺は…帰らない」
「そうですか。なら静かにしてください」
わかったと返事をした彼はソファにどかっと座った。
「水原さん、申し訳ありません。まさか倉本さんが来られるとは思っていませんでした」
「い、いえ…」
「それで、お話をお聞きしてもよろしいですか?」
「は、はい…」
僕は水原聡美が浮気してると思った理由を聞いた。
倉本大輝も静かに聞いている。
「そうですか…部屋に誰かが来る…と」
「はい…最初は気のせいだって…思ってたんですけど、日に日に酷くなってきて…それで、部屋に髪の毛が落ちてたんです」
「貴女でも倉本さんのでもない髪の毛…ですか」
「はい…」
「いや!本当に俺は!」
「静かにしてください」
そう言うと倉本大輝は黙った。
倉本大輝は浮気をしている様子はなかった、
だが、水原聡美が嘘をついているようにも思えない。
「いつごろからだったのか覚えていますか?」
「いえ…ちゃんとは覚えてないですけど…婚約してからだったと思います」
「そうですか…」
僕はコーヒーを一口飲んでから、こう提案した。
「実際に検証してみましょうか」




