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ピンポーン
インターホンを押し、少し待つと返事が返ってきた。
「…はい」
「突然訪ねてしまい、申し訳ありません。僕は探偵の神影と申します。水原さんのお宅でお間違いなかったでしょうか?」
「…そうですが…」
「水原聡美さんについてお話しをお聞きしたいのですが…」
「申し訳ない。帰ってください…」
そう言われ、通話を切られた。
「リンちゃん…どうする?」
「まぁ、仕方がないよね」
僕は倉本大輝と水原聡美の件について書いた手紙を
ポストの中に入れた。
「大輝くんを調べても浮気してない感じするかんな〜…何で浮気って思ったのか聞きたかったんだけど…」
僕は返事を返さずに歩き出した。
後でうーん、なんでだろと呟いている橘の声が聞こえる。
歩いていると前から宮本裕一が歩いてきた。
知らない女性と手を組んで歩いている。
後からうげぇ!と声が聞こえた。
「あれ?探偵さんじゃないすか?」
「お久しぶりです」
「あん時はありがとうございました」
「いえ、お腹の傷はもう大丈夫ですか?」
「あー、あん時は死ぬかと思いましたが、もう全然!ピンピンしてますよ!」
「ねぇ?この人だれ?」
「あー、わりぃ、俺探偵さんと話あるから、先に行っといてよ!」
「えー…ちゃんときてよ!」
そう言って知らない女性は立ち去っていった。
「探偵さん…大輝はきました?」
「そうですね。宮本さんが紹介されたんですよね?」
「あー、そうすね。大輝が困ってるみたいだったんで、探偵さんなら力になってくれんじゃねーかなって思って」
「そうでしたか…」
「まぁ、俺みたいにチャラチャラしたダチがいるから、勘違いされやすいんすけど…大輝はしっかりした奴なんすよ」
「…僕も倉本さんは真面目な方という印象がありますね」
「そうなんすよ。大輝は真面目でいい奴なんすよ…だから、探偵さん!力になってやってください!」
宮本裕一はそう言って頭を下げた。
橘は驚いた表情をしている。
「宮本さん…僕たちが力になれるかは、わかりませんが…出来ることはやりますので」
「それで…いいんで。お願いします」
「わかりました」
僕が返事をすると、ホッとした顔をして、
お願いしますね!と笑顔で立ち去っていった。
「リンちゃん…あれ?本物?」
「まぁ、人には色んな顔があるっていうからね」
マジで?信じらんね〜と橘は言いながら
立ち去っていった宮本裕一を見つめていた。




