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「リンちゃん!この間はマジでありがと!」
「よかったな」
橘は雨宮栞と楽しめたようだ。
ウキウキとしている橘は幸せそうに笑っている
「俺さ!遊園地とか久しぶりに行ったわ!」
「へー、楽しかったんだな」
「おう!マジで楽しかった!ジェットコースターとかマジヤバいのな!」
身体でジェットコースターを表現している橘を見て、
本当によかったと思った。
橘はこんな僕に付き合って、探偵なんて仕事をしている。
本当ならもっといい仕事をして、
普通の幸せだって得られたはずなのに…
でも、橘にそれを言うと…
それはないから!と強く否定される。
カラコロカラン
「橘さん!来ちゃいました!」
ピョコンと効果音がつくような感じで入ってきた。
「おー!栞ちゃん!来てくれたんだ!」
「はい!来ちゃいました」
えへへと笑い合ってる二人を見て、
なんだ、こいつらと思ったが僕は何も言わない。
「なに?この浮かれた雰囲気?」
雨宮栞の後ろから柚葉さんも来ていたようだ。
橘と雨宮栞をすごい視線で見ている。
「なんだよ!悪いのかよ!」
「いえ…別に?ただ浮かれた中高生みたいと思っただけ」
「は?浮かれた中高生だと!」
「いい表現だと思ったけど?」
「は?ちげーし!」
橘…そうやって否定する感じが、
なおさらそう思わせていることに気付けよ…
「何?ふたり付き合ったの?」
「いや…それは…」
橘は口籠もってしまい、雨宮栞は顔を赤くしている。
あー、もう付き合っちゃえよ…って、柚葉さんは思ってるんだろうなと思いながら、タバコに火を灯した。
「あー、もう付き合っちゃえよ…」
あっ、言うんだ…
「いや!あの、そ、それはその!順序とか、その」
テンパった感じで雨宮栞が何かを言っている。
そっと見守ってあげようよと思いながら、
僕は天井に煙を吐き出した。
「そ、そっちこそ!どうなんですか!?」
雨宮栞は突然、よくわからないことを言った。
「どういうこと?」
「神影さんと楠木さんは付き合ってるんですか!?」
何でそういう風に感じるんだろうと、
不思議に思いながらも僕はコーヒーを一口飲んだ。
「私は鈴の彼女よ?」
「えっ!」「うそっ!マジで!?」
橘と雨宮栞が息ピッタリに驚いた。
僕は面倒臭いと思いながら柚葉さんに聞いた。
「そうなんですか?」
「そうよ。私は鈴の彼女でしょ?」
「僕は知りませんでしたが…」
「だって、私は…鈴の大事な人なんでしょ?」
僕は返事を返さず、煙を天井に吐き出した。
橘と雨宮栞は何かを察したのか、
それから何も聞いてこなくなった。




