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「神影さん!橘さん!本当にありがとうございました!」
僕たちに頭を下げて感謝している相良義昭。
「いやいや!マジでよかったっすよ!」
「橘さんが説得してくれたおかげすよ!」
「でも、俺…義昭さんのお母さんにけっこーな啖呵きっちゃいましたよ…マジですんません!義昭さんからも謝っててもらえないっすか?」
「いえ…橘さんから言われた言葉が…母ちゃんの心を動かしてくれたんだと思います。母ちゃん…橘さんに感謝してましたよ!ありがとうって伝えてほしいって言われたんすからね!」
「マジすか!?それなら、よかったっすけど…」
相良義昭と橘は笑顔で話している。
僕はコーヒーを飲みながら、話を聞いていた。
「神影さんもありがとうございました」
「いえ…今回は僕は何もしていませんよ。お母様を見つけたのも説得をしてくれたのも橘ですので」
「いや、それでもお二人には感謝っす!」
「そうですか」
僕はあれからどうですか?と尋ねた。
「あれから、母ちゃんに奥さんと会ってもらって…子供が産まれたら、母ちゃんに顔を見せに行きますよ!母ちゃんも泣いて喜んでくれて…奥さんとも仲良くしてくれてるみたいで…今日も家の奥さんは母ちゃんに会いに行ってますからね!」
「そうですか。それはよかったです」
「はい!家の奥さんは子供の頃に母ちゃんを亡くしてたんすよ…だから、本当の母ちゃんみたいってめっちゃ喜んでて…こうやって家族の絆を繋いでもらえて…俺!嬉しいっす!」
「それは義昭さんがいい奴だからっすよ!めっちゃいい奥さんと出会えて…幸せそうで、俺も嬉しいよ!!」
「ありがとうございます!」
そんじゃ、俺は母ちゃんに会いに行くんでと
何度も感謝をしてから立ち去っていった。
カラコロカラン
「マジでよかったわ〜」
「橘のおかげだな」
「…そう思う?」
「そうだろ」
僕はタバコに火を灯しながら答えた。
「俺さ…なんか母さんのこと思い出しちゃってさ…」
「そっか…」
「リンちゃん…あん時のこと覚えてる?」
「さぁ…どうかな?」
橘は笑いながら、覚えてるくせにと言った。
「あん時の俺ってさ…結構イヤなやつじゃなかった?」
「そうかな?今とそんなに変わんないよ」
「なんだよ、それ?今もイヤなやつみたいじゃん」
僕は天井に煙を吐き出した。
「俺さ…今でも感謝してんだぜ?」
「…もう大事な物をなくすなよ」
「…やっぱり、覚えてんじゃん」
橘は両手を上げてう〜〜んと伸びをしてから、
僕にこう言った。
「リンちゃん…ありがとな」
これにて第七章完結です。
お楽しみいただけたでしょうか?
ゆっくりですが、続きも書いていきますので、
優しい気持ちで見守ってくださると嬉しく思います。
今後とも、お楽しみいただければ幸いです。




