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「んー、見つけたっぽい」
相良義昭の母親。相良昭子は介護施設にいたようだ。
写真、名前、年齢を頼りに調べたそうだ。
「本人だと思うけど…」
「後は直接、確認するしかないんじゃない?」
「んー、そうね〜」
橘の運転する車に乗り、介護施設へ向かった。
ベットに座っている相良昭子を見つけた。
橘が笑顔でこんにちわ!と挨拶した。
「あら、こんにちは。ごめんなさいね…誰だったかしら?」
「突然訪ねてしまい、申し訳ありません」
僕はこういう者ですと名刺を渡した。
「神影…リンタロウ…さん?」
「リンタロウでもスズタロウでも好きに呼んでください。どちらでも同じ名前に変わりはありませんので」
「…はぁ…」
「僕たちは探偵です。相良義昭さんに母親を探してほしいと頼まれてここにきました。義昭さんのお母様で間違いありませんか?」
相良昭子は黙ったまま、返事をしなかった。
橘は笑顔で話しかけた。
「昭子さん。義昭さんは息子さんすよね?すっごく会いたがってましたよ」
「私は会いたくありません」
「義昭さんのお母様で間違いはないのですね?」
「…そうです。義昭の母です。でも、私は会いたくありません」
「えっ?なんで会いたくないんすか?」
「…話したくありません」
「義昭さんは結婚して、孫の顔見せたいって、めっちゃ昭子さんに会いたがってんすよ!」
相良昭子は黙ったままだった。
「そうですか…義昭さんには会いたくないとお伝えすればよろしいですか?」
「はい…お願いします」
「リンちゃん!」
「…わかりました」
僕は頭を下げて部屋を出た。
橘は僕の後をついてきて、これでよかったん?と聞いてきた。
「会いたくないって言われたらね…」
「でもさ!義昭さん会いたがってたじゃん!」
「でも、昭子さん本人がそういってるからね…僕たちにはどうもできないよ」
納得がいかない表情の橘と僕は帰った。




