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5の12

楠木柚葉が汗を流しながら、終わったよ〜と言った。

テーブルの揺れもなくなっている。

三島優子はソファに倒れていた。


「三島さんは?」

「大丈夫。寝てるだけ〜」


橘がおそるおそる三島優子に近づき、

あっ…寝てると呟いた。


「この人はもう大丈夫よ〜」

「そうですか…ありがとうございます」


僕は楠木柚葉に感謝を伝え、カウンターに移動する。

あれ?さっき、コーヒー淹れてたかな…


「私にもコーヒーちょうだい」

「わかりました」


僕は返事を返して、コーヒーを入れる。

カウンターにコーヒーを置くと、

楠木柚葉はカウンターでコーヒーを飲みはじめた。

タオルを渡すと、ありがと〜と言われたが、

僕は何も返さずコーヒーを一口飲み、

タバコに火を灯す。


「まだ、この人のこと気になる〜?」

「さぁ…どうですかね?…そう言えば、取り憑いていた霊はどうなったんですか?」

「どうかしらね〜…元の場所に戻ったんじゃない?」

「そうですか」


僕はタバコの煙を天井に吐き出した。


「って!いやいや!二人とも落ち着きすぎじゃね!?」

「どうしたんだよ?」

「どうしたんだよ?じゃなくてさ!え?おかしいの俺だけ?いや、さっき何かテーブル揺れてたよね?電気消えたよね?え?あれ?そんなんなかった?いや、あったよね!?」


橘は三島優子にブランケットをかけてから、

カウンターの方に詰め寄ってきた。

橘は優しいやつだなと思いながら、

コーヒーを一口飲み、煙を吐き出す。


「いや、なに普通にコーヒー飲んで一服してんだよ!」

「何?橘も飲みたかったの?」

「え?これは私のコーヒーよ!あげないから!」

「いや!ちげーよ!」


橘は身振り手振りを入れながら話している。

楠木柚葉は橘からコーヒーを隠すように持って、

チビチビとコーヒーを飲んでいる。

僕はタバコの煙を天井に吐き出しながら、

じゃあ、なんだよ?と問いかけた。


「なんだよじゃなくて!…あーーっ!もう!おかしいの俺だけなの!?リンちゃんも見たよね!?テーブルがガタガタってさ!電気がチカチカってさ!見たよね!?」

「見たけど?」

「だよね!見たんだよね!じゃあ、何でそんな普通にさ!見たけどって一服してられんの!?」

「タバコ吸いたいから?」

「…はぁ、何か聞いてる俺がバカみたいじゃん…」

「確かに、揺れてたし電気も消えた…でも、もうテーブルは揺れてない。照明もついてる。慌てなくてもいいだろ」

「いや、まぁ…そうなんだけどさ」


納得いかないって表情をしながら、

さっきのは何だったん?と聞いてきた。


「さぁ…柚葉さんはわかりますか?」

「そうね〜気付いて〜って感じだったんじゃない?」

「そうですか。橘、そうらしいよ?」

「うん。なんか2人に聞いた俺がバカだったよ」

「なに〜?私のことバカにしてる〜?」


笑いながら聞いている楠木柚葉に、

そんなんじゃねーからと橘はぶっきらぼうに返した。

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