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カラコロカラン
「あの…すいません」
「…お待ちしてましたよ。どうぞ、そちらのソファにお掛けください」
僕がソファの方へ手を向けながら声をかけると、
三島優子はありがとうございますと座った。
カウンター越しに楠木柚葉に手を向けながら
三島優子に話しかけた。
「紹介しますね。こちらの方が霊能力者の柚葉さんです」
「はじめまして。楠木柚葉です」
「は、初めまして…三島優子です」
楠木柚葉はふ〜んと三島優子を見てから話しかけた。
「貴女が困ってる人?」
「は、はい…し、信じられないかも知れませんが…そ、その!…の、呪われてるんです…」
「あー、大丈夫。貴女は呪われてないから」
「えっ…そ、そうなんですか?」
「そうよ〜呪いとはちょっと違うかな〜」
そう話しながら僕の方を見てきた。
コーヒーを一口飲んでから、なんですか?と聞くと
「ねぇ、鈴はこの人のどこが気になるの?」
「さぁ…よくわかりませんね」
「ふ〜ん、そっか…じゃあ、はじめよっか」
そう言った楠木柚葉は僕に微笑んでから、
ソファの方へと歩いていったので、
僕もカウンターからいつものソファの方へ移動し、
座りながら、その格好でいいんですか?と聞いた。
「いつものはちゃんとしたお仕事の時にする服装でしょ?今回は鈴の頼みなんだから、このままでいいの」
「そうですか…」
「そうなの。それで、三島さんでしたっけ?貴女はその廃墟にいた霊が取り憑いているみたいね」
「心霊スポットにいた幽霊…ですか?」
「そうそう。だいぶ、好かれてるわね〜」
橘はうわぁ〜!マジかよっ!信じられないって顔をしながら、静かに話しを聞いている。
「怖いかもしれないけど〜悪意がある感じじゃなくて〜気付いて〜って感じかな〜?」
「そ、そうなんですね…」
「そうなのよ〜。まぁ、今から除霊して、貴女から離れてもらうから〜」
「お、お願いします!」
「うん。じゃあ、力を抜いて目を瞑っててね〜」
「は、はい…」
そう返事をした三島優子は目をギュッと瞑った。
リラックスよ〜と声をかけてから、
鞄からおもむろに大幣を取り出した。
あっ、やっぱりそれ必要なんだと思いながら
何も言わずに二人のやりとりを見ていると、
エンヤーエイヤー!と奇声をあげながら大幣を振りはじめた。その後も、呪文のような言葉をブツブツ呟きながらも大幣を振り続ける。
やっぱり、それ必要なんだと思いながらも、
僕は静かに見続けた。
突然、テーブルがカタカタと揺れはじめた。
橘はうわぁ!と声を上げて驚いている。
カタカタと揺れた音がガタガタと強くなってきた。
照明もチカチカと点滅しはじめた。
三島優子は目を瞑ったまま、フラフラしている。
楠木柚葉はブツブツ言いながら大幣を振っている。
橘はなにこれ!なんかヤバいんだけど!と言っている。
照明が全て消えたと思ったら明るくなった。
カウンターの方から、コーヒーの香りがした。




