5の4
うーーーーーーんと橘が唸っている。
「旦那さんさ…たしかに女の人に会ってたけど…不倫って感じしなかったんよねー」
あれから有村大智を調べた。
有村大智が女性と会っていることはわかった。
女性の名前は三島優子。
どうやら学生時代の友人で仲の良かったグループの一人の様だ。だが、有村大智と話している時に泣いている姿を見たので、不倫というより悩みを相談されているような気がした。
「僕も不倫というより相談されている感じがしたかな」
「だよね!でも、話してる内容まではわかんなかったんだよね〜」
橘はまだ唸っている。
どんな話してたんだろ…うーんと唸り続けてる。
「直接聞いてみる?」
「は?リンちゃん何言ってんの?」
「このまま調べてもいいけど…三島さんから直接聞いた方が早い気がしたんだよね…」
「え?そ、そりゃそうだけどさ…」
うん。僕らしくないかもしれないけど…
何故かわからないけど、僕は三島優子が気になった。
今日も有村大智に相談していたのか、
喫茶店で話している姿を見つけた。
有村大智は難しそうな顔をして話を聞いている。
有村大智は携帯画面を見せたりしてるが、三島優子は首を振って、有村大智は浮かない顔をしていた。
僕は喫茶店の前でタバコを吸っていた。
あっ、三島優子…泣いてないか?
あー、有村大智は困った顔してんなーと思いながらも
空へと煙を吐き出した。
二人は喫茶店を出て、別れた。
三島優子の後を追いかけ、後ろから声をかける。
「あの、すいません」
「あっ、はい」
振り返った三島優子はハンカチを握りしめていた。
「泣いてるんですか?」
「え…あの」
「あっ、突然声をかけてしまい、申し訳ありません。何かお困りなことがあるのではと思いまして…」
僕はこういう者ですと名刺を渡した。
三島優子は名刺を受け取って、名刺を見ている。
「もし、何かお困りのことがありましたら、いつでもご相談ください…では、失礼します」
あっ、はい…と返事をした三島優子に軽く頭を下げ、
僕は立ち去った。
突然知らない男性が声をかけてきて、困っていたら相談してくださいと話して去っていくって…
なんかの悪徳セールスかよと僕は僕のことを思ってしまったが、これで三島優子は探偵事務所にくるだろうか…
あー、失敗したかなーと思いながらも僕は帰った。




