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「ドライブ楽しかったね〜」
僕たちは旅館の前に帰ってきた。
「車はそこで大丈夫ですよ」
「OK!」
車から降りて、タバコに火を灯した。
「神影さん、ここでは…」
「あっ、すいません。携帯灰皿があるので」
「そうですか…」
「お祭りの準備に行かれなくて大丈夫ですか?」
「…そうですね。みんなは先に部屋に戻ってて、俺は準備の手伝いをしてくるよ!」
間宮亮太は笑顔で手を振りながら立ち去っていった。
僕は橘に視線を送る。
橘は頷いた。
「さぁ、それじゃまたドライブに行きましょうか」
「え?今帰ってきたばっかりですよ?」
「いいからいいから、乗って乗って」
そう話す橘は車の鍵を持ったままだった。
訳もわからず、車にのった女性二人。
「ねぇ、そろそろお腹すいたんだけど」
「神影さん…どうしたんですか?」
「ねぇ、リンちゃんそろそろ話してよ」
僕はため息をついてから話し始めた。
「みなさん、携帯が圏外になってることはお気付きですか?」
「あっ、本当だ」
「憶測の話になるので、村に帰られたい方は帰ってもらっても構いませんが…」
「リンちゃん、それでどゆこと?」
「この村のお祭りですが…僕たちにとっては最悪なお祭りだと思いますよ」
全く理解できていない三人にため息をつく。
その間、山道を走り続ける。
「リンちゃん…ここからは無理っぽい」
「そうか…じゃあ、車を降りて歩きましょうか」
何も言わずに僕についてくる。
「多分、一日じゃ抜けられないでしょうね」
僕はそう呟きながらも草をかき分けて歩き進める。
後からはもう意味わかんない!という声や
リンちゃんを信じて!ねっ!と励ます声
神影さんことですから、考えがあるんですよきっと
という困惑した声
僕は三人の会話を流し聞きしながら、
歩き進める。
遠くの方から赤い灯が見えた。
「ほら!私達を探しにきてるじゃない!」
真島彩花は少し怒った口調で僕に話す
「亮太くんが夜の山は危ないっていってたから、探しにきたんだよ!ねぇ、戻ろうよ」
「戻りたければ戻ってもらってもかまいませんが…」
「神影さん!私達よくわかってないんです!ちゃんと説明してください!」
雨宮栞も真島彩花も怒ってしまったようだ。
橘は僕を信じているからついてきたのだろうが、
二人はそこまで僕を信じられるわけないか…
「もう少しだけ…僕のわがままに付き合ってください」
そう話すと怒ったまま、何も話さずに
ついてくるようになった。
「リンちゃん…大丈夫?」
「悪いな…」
謝る僕に気にすんなよと橘は笑った




