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「あー君が、探偵さん?」

「はい。神影と申します。今日はお時間をいただきありがとうございます」

「あぁ、まぁね。まさか栞ちゃんがあのイタズラに探偵を頼るとは思ってなかったからね。それで話って?忙しいから手短に頼むよ」


白井勉。雨宮栞のマネージャーをしている男だ。


「白井さんがイタズラと言っていた件ですが、イタズラじゃない可能性があります。野田勝さんってご存知ですか?」

「野田〜?ああ、あいつとは同僚で仲良くしているけど…イタズラの話しだろ?なんであいつの話がでてくるんだよ」

「そうですね。あくまで可能性の話なので、白井さんにお話を聞いていただきたいと思いまして」


そう話しながら、雨宮栞の部屋に入っていく男の写真を見せる


「あっ?なんだこれ…?あれ?これって野田か?」

「白井さんもそう思われますか?」

「あ、あぁ、これは野田だと思う…けど、あいつは何で部屋に入ってるんだ?」

「そうですよね。可能性として雨宮さん本人か白井さんから部屋の鍵を預かり、頼まれごとをしている可能性もありましたので確認をしたくて」

「いや、俺は頼んだことなんて一度もないぞ。じゃあ、もしかして…!?」

「あくまで可能性の話です。ただ野田さんがストーカーの可能性は高そうですね」


おいおい、嘘だろ…そう言いながら眉間に皺を作る白井勉に


「それに雨宮さんは盗聴されてる疑いがあります」

「は?何を言ってんだよ…」

「以前、依頼を受けた途端に何もなくなり、依頼が終わった後にまた被害に遭われていたようなので。盗聴されている疑いがあると思い、現在は依頼を受けてないように思わせながら調べている状態です」

「…信じられないな」

「そうですよね。ですから、盗聴器の確認を行い、見つかれば全て撤去しようと考えています。可能性の話にはなりますが、撤去することで何かしら行動を起こすかもしれません」


白井勉は困った表情のまま黙って話しを聞いている


「同僚であり、ましては仲の良い友人が疑いをかけられて、すぐに信じられる人なんていないと思います。ですが、これを見てください」


僕は雨宮栞への熱狂的なファンレターのコピーを見せた。


「これは…」

「雨宮さんの自宅のポストに入っていたそうです。これを見る限り、雨宮さんは危険な状態にあるのではないかと判断しました。ですので、白井さんにはご協力をお願いできないでしょうか」

「協力…協力って何をしたらいい」

「今後、ストーカーの特定を行いますが、その後の対処をお願いしたいのです」

「その後の対処だと?」

「はい。ストーカーを特定し、証拠はできる限り揃えますが、雨宮さん本人にその後の対処は難しいのではないかと判断しました。雨宮さんのマネージャーである白井さんなら、会社内での解決、または警察に被害届を出すなど、解決に動くことができるのでは思いましたので、協力をお願いしたいのです」


白井勉は手を組んだまま静かにわかったと頷いた。


「ありがとうございます。でしたら、何かわかりましたらご連絡いたします」

「あぁ。本音を言えば信じられないってのが本当だけど、栞ちゃんに何かあってからじゃ遅いからな…こちらこそ頼むよ」


白井勉はそう言うと、

仕事があるからすまないと足早に去っていった


白井勉の後ろ姿を見ながら、内ポケットに手を伸ばし

タバコを取り出すが灰皿がないことに気付きため息をつく


携帯灰皿持ってくるんだったな…

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