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本日は大晦日ですね。
皆さまはどうお過ごしでしょうか?
今年最後の日を幸せに過ごされることを
お祈り申し上げます。
引き続き、お楽しみいただければ幸いです。
第四章、いざ開幕!
僕はどうしてここにいるんだろう?
いつからここにいたんだろう?
何も覚えていない。何も知らない。
だけど、気付いた時にはここにいて
壊れた鈴を握りしめていて
僕はだれ?
そう問いかけたところで答えは返ってこない。
そうだ、僕は…
バッと目が覚めた。すごい汗をかいている
僕は左腕につけているお守りを眺めた。
シャワー浴びなきゃなと思いながら、
ソファから身体を起こす。
カウンターの方からコーヒーの香りがする
シャワーで汗を流してから、
コーヒーを一口飲み、タバコに火を灯した。
カラコロカラン
「やっほー!栞ちゃん!」
「こんにちわ!来ちゃいました!」
雨宮栞が来たことに喜んでいる橘
僕はコーヒーを飲みながら、タバコを吸っている。
「あれ?楠木さん?」
「やっほー」
手をひらひらと振りながらニコニコ笑う楠木柚葉
あれから毎日のように、コーヒーを飲みにやってくる
「ねぇ!栞ちゃん聞いてよ!こいつさ!毎日くるんだぜ」
「え?そうなんですか?」
「そうね〜。コーヒー美味しいんだもん」
「ここは探偵事務所なの!喫茶店じゃないんだからさ!毎日くるんじゃねーよ!」
「あっ…そ、そうですよね。ごめんなさい」
「あっ!違うから!栞ちゃんに言ってるんじゃなくて」
どっちもどっちだろと心の中で思いながらも
僕は黙って話を聞いていた。
「あー、女の子泣かせたー」
「いや!ほんとにごめん!そういうつもりじゃなくて!栞ちゃんだったら毎日きてもいいっていうか…嬉しいっていうか」
「本当ですか?」
「うん!本当!」
「ありがと〜」
「俺はインチキ女には言ってないから!」
二人の女性に困っている橘が僕に助けを求めてきた
「リンちゃんもなんか言ってよ」
「僕は…別に…雨宮さんも柚葉さんも来たい時に来たらいいんじゃないですか?コーヒーしか出しませんけど…」
「ありがとうございます!」「ありがと〜」
「…なんか、リンちゃんずるくない?」
「まぁ、あんまり来るようなら暇なのかな?とは思いますけどね…」
唇を尖らせた橘に笑顔の二人。
こっちに話題振るなよと思いながら、
フーと煙を天井に吐き出した。
「ね〜、鈴はさ〜、いつもコーヒー飲んでんの?コーヒー好きなの?」
「コーヒーは好きですけど…鈴ってなんですか?」
「だって、好きに呼んでいいんでしょ?」
「…そうですけど、何でまた鈴なんですか?」
「だって、いつもリンちゃんって呼ばれてるからさ〜。じゃあ、私は鈴って呼ぼうと思って」
ニコニコと笑いながら話してくる。
はぁ…好きにしてください…と返事を返すと
雨宮栞が声をかけてきた。
「神影さんって楠木さんのことは下の名前で呼ぶんですね」
「…まぁ…色々ありまして」
「そうなの〜色々あったの〜」
「わ、私の事も呼んでみますか?」
「いえ、結構です」
そ、そうですか…とシュンとした。
もう僕に話題を振るのはやめてくれ…
リンちゃん!呼んでやれよ!と声が聞こえるが無視
あー、静かだった僕の安息の地が…
そう思うこともあるが、この空間も嫌いではなかった。




