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「あんた誰よ?」
「突然訪ねてしまい、申し訳ありません」
僕は謝罪してから名刺を渡した。
「…なに?探偵?」
「はい、そうです。実は臼井怜子さんのことを調べていまして…」
「臼井…怜子…」
「そうです。本当に自殺だったのか…それを調べてほしいと依頼がありましてね…丸山さんも何か調べられていたのではありませんか?」
僕は病院に入院している丸山順子に会いにきた。
橘にはマンションの住民のことを調べてもらっている。
「…私の所にきたってことは、私が今住んでいる部屋だってことは知っているのよね?」
「そうですね」
「…そっか…。私も本当に自殺だったのかなとは思ってたんだよね」
「そう思われる理由があるんですか?」
「特にはないわ。ただの勘よ」
「勘…ですか…」
「そうただの勘。だけど、私は私を信じてるから、私は私の勘を信じる…って、言っても…まだ、何にもわかんないんだけどね…」
「そうですか。そう言えば、あのお部屋で何か不思議な体験などはされましたか?」
「そうね…私って霊感ないみたいでね…ラップ音がするぐらいかしら?特にすごい体験はまだしてないわ」
「入院されているのにですか?」
「…そうね。幽霊に追いかけられたぐらいかしら。でも、あれは臼井怜子じゃなかったと思うわ」
私の勘だけどねと話した丸山順子に
もういいでしょ?帰ってくれる?と言われた。
「突然、訪ねてしまい申し訳ありませんでした。話してくださり、ありがとうございます。では、失礼します」
僕は頭を下げてから退室した。
病院って喫煙所あったかな?と思いながら歩く。
結局、見つけられなかった僕は外に出てから
コンビニでコーヒーを買ってから、入口の喫煙所で
タバコに火を灯す。吐き出した煙が空へと上がった。




