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ピンポーン
ふいにインターホンが鳴り響いた。
夕方に差し掛かった時間。
少しだけウトウトしていたようだ。
私は瑞穂が帰らなくなった日から
会社を休み、探し続けていた。
瑞穂は父の日と誕生日の日にはいつも
プレゼントをしてくれる優しい娘だった。
なんで瑞穂がっ!といつも考えてしまう。
「…はい」
「神影です。こんな時間に申し訳ありません」
「探偵さんですか、少々お待ちください」
私が娘を見つける為に依頼した探偵さんだ。
こんな時間にどうしたんだろう…
私は玄関を開き、探偵さんを中へと通す。
「こんな時間に訪ねてしまい申し訳ありません」
「いえ…何かわかりましたか?」
警察の方々にも捜索をお願いしており、
藁にもすがる思いで依頼したのだ…
そう簡単には見つからないだろう
「いえ、申し訳ありません」
そうだろうなと思った。正直な話、警察に見つけられないのにただの探偵が見つけられるとは思えない。
だが、たった1%の可能性でもあればと思ったのだが…
「もう一度、調べさせてもらってもいいですか?」
「えぇ、どうぞ」
探偵さんと2階に上がり、瑞穂の部屋へと歩く
「瑞穂さんはオカルトにご興味がありましたか?」
「ん?いや、そう言った話は聞いたことないな」
「そうですか」
部屋へと入り、調べはじめた。
何度調べてもわからないものはわからない。
ある程度、部屋を調べた後、瑞穂のノートと
コックリさんに使った紙を見比べている。
この探偵は本当に見つける気があるのだろうかと
ふと考えてしまった。
「笹原さん。申し訳ありません」
あー、結局わからなかったと言うのだろうと
私は思っていると
「今から不快な思いをさせてしまうかもしれませんが、聞いていただけますか?」
そう探偵は話しはじめた。
「瑞穂さんの部屋だけでなく、ご自宅を調べさせていただけませんか?」
こいつは何を言ってるんだと思った。
娘を見つける気なんて元からなかったのではと
腹が立ってしまい、大声で怒鳴りちらしてしまった。
何て言ったかは覚えてない。
たが、探偵さんは静かに私の怒鳴りちらす声を
聞き続けていた。
ハァハァと怒鳴り続けたので息が切れてしまった時に
「申し訳ありませんがお願いします」
そう頭を下げる探偵さんを見て、ハッとした。
私は瑞穂を見つけるためなら何だってしようと思っていたし今だって思っている。だが、妻が塞ぎ、娘がいなくなり、もうどうしようもないこの私のドス黒い感情をぶつけてしまっただけなのではと…私からの依頼で探偵さんは探してくれている。その探偵さんが頭を下げ続けている。娘の部屋だけでは手がかりも見つからない。ならば、調べられるところは全部調べようと考えているのかもしれない。
「いや…こちらこそ怒鳴ってしまって…」
「いえ、笹原さんの様な状況で冷静でい続けることが、どれほど難しいことかは理解しているつもりです。瑞穂さんを見つける為にも…申し訳ありませんが調べさせていただけませんか?」
「…わかった…こちらへどうぞ」
その後、探偵さんと一緒に自宅を回った。
探偵さんは色々と調べていたようだが、
手がかりが見つかるだろうか…
プルルルル プルルルル
「はい」
「警察の者ですが、夜分遅くに申し訳ありません」
「何かわかりましたかっ!?」
「山奥の方で瑞穂さんの携帯電話を発見しました」
「瑞穂の…携帯…」
「ですが、調べてみましたが犯人の指紋など検出できませんでした…引き続き捜索を続けますので」
「わかりました。お願いします」
どうかされましたか?と探偵さんに聞かれたので
事情を話した。
「そうでしたか…」
「調べてみてどうですか?何もわかりませんよね?」
「すみません。これといった手がかりはありませんでした」
やっぱりそうだよなと落胆していると
確認したいのですがと探偵さんが話しかけてきた
「望美さんが泊まりに来たことはありますか?」
「ええ、望美ちゃんはよく遊びにきて、泊まることもあったかな?瑞穂が望美ちゃん家に泊まることもあったよ」
「そうですか…」
「それがなにか?」
いえと返事をしたまま、黙ってしまった。
だが何かを考えているようだ。
こうして見ると私よりも歳下の彼は、仏頂面というか表情の変化がわかりずらい。わかりずらいのだが不思議と優しい雰囲気をしているんだなと思っていると笹原さんと名前を呼ばれた。
「今から僕が話す内容はとても信じられない話かもしれません…ですが、協力をお願いしたいのですが」
そう話す探偵さんの目はとても真剣だった。




