18の15
「アヤヤンってリンリンのこと好きなのよね?ミサもリンリンのこと好きなの。アヤヤンには悪いけど、リンリンのことは譲らないからね」
「え?ミサミサ?」
ミサミサは部屋に戻ってくるなり、
いきなり彩花にそう言った。
「シオリンもうかうかしてるとフミフミにタッちゃん取られちゃうよ?」
「え?え?」
「ミサミサ!何を言ってるんですか!?」
「え〜、ミサはホントのことしか言ってないんだけどな〜」
え?ミサミサって神影さんのこと好きだったの?
待って、高須さんって橘さんのこと…
いきなりのことで私の頭の中は混乱してしまった。
「ミサミサも神影さんのこと好きなんですか?」
「うん!アヤヤンの言う通りだよ!ミサはリンリンのことが好きなの!リンリンの為ならアイドルも辞めちゃっていいもん!」
「ミサミサ!アイドル辞めるなんて嘘ですよね!?」
「だから〜リンリンがミサを選んでくれたらだってば!お姉様がいるから大丈夫じゃない?」
「ど、ど、どういうことですか!?」
「それよりフミフミ!タッちゃんのこと好きなんでしょ?」
「い、いえ!私は…その…」
「ふ〜ん。まぁ、いいけど〜。お風呂入ろう〜!フミフミも一緒に入るでしょ?」
「み、ミサミサ!私も一緒に入っていいですか?そ、その神影さんのことについて話もしたいですし…」
「アヤヤンも一緒に入る?いいよ〜!じゃあ、3人で入っちゃおう!」
あれやこれやとしてるうちに、
3人はお風呂に行ってしまった。
私の頭の中はまだ混乱してしまっている…
ど、どういうことだろう?
突然の出来事でまだ受け止めきれない…
気付いたら私は隣の部屋をノックしていた。
コンコンコン
あれ?何でノックしてるんだろう?
扉が開き、橘さんが立っていた。
「あれ?栞ちゃんどしたん?」
「い、いえ!特に用事があったわけじゃないんですけど…今って大丈夫ですか?」
「んー?大丈夫だけど…とりあえず、入る?」
「は、はい!」
ミサミサに言われたからじゃないけど、
橘さんの顔を見ているとなんだか安心するな…
「栞ちゃん、なんかあったん?」
「え?ど、どうしてですか?」
「んー?なんとなく?いつもとちょっと違う感じがしたんよね〜。なんかあったん?」
「あ、あのですね…」
ミサミサの話だけどしてもいいのかな?
本人に直接伝えるわけじゃないもんね…
大丈夫だよね…
「話しづらいことだったら、話さなくてもいいんよ?」
「い、いえ!あの、実はですね…ミサミサがさっきビックリすることを言ったんです…」
「ミサミサが?」
「は、はい。神影さんのこと好きだって…」
「え?え?マジで!?ミサミサってリンちゃんのこと好きなん?うそっ!マジで!?」
「は、はい!ビックリしますよね!突然、好きだって言った後に彩花に譲らないからねって言ったんです!」
「うわー、マジかー。彩花ちゃんに強敵現るやね!てかさ!全然、気付かなかったんだけど!」
「私もです!だから、ビックリしちゃって…それに…高須さんも…」
「え?史華ちゃんがどうかしたん?」
「い、いえ!何でもありません!」
「そうなん?でも、ミサミサがな〜。知らんかったな〜…。リンちゃんって意外とモテんのな!」
「そ、そうですね!」
危ない!危ない!高須さんの気持ちは直接聞いたわけじゃないし、橘さんに伝えるなんて絶対ダメじゃない!
私、本当にどうしちゃったんだろう?
「栞ちゃん、まだなんかあるん?」
「え?いや、その…」
橘さんは優しい眼差しで私を見ている。
「橘さんは…私のこと…どう思いますか?」
「え?栞ちゃんのこと?」
「は、はい。私の…ことです」
私、何言ってるんだろう?
でも、私は橘さんのことが…
橘さんは真剣だけど優しい眼差しで話し出した。
「俺は…栞ちゃんのこと、好きだよ。でもさ、栞ちゃんは今、子供の頃から夢だったアイドルを目指してるわけじゃんか。だから、伝えるのは違うかなって思ってたから言わなかったけどさ…好きだよ」
橘さん…私のことが…わ、私も…
「わ、私も…」
「あー!栞ちゃんは言わないで!これからさ!アイドルとして頑張っていこうってしてるのにさ!俺が重荷になったらダメじゃんか!だから、栞ちゃんの気持ちは言わなくていいよ。栞ちゃんが夢を叶えてさ!満足した時でいいからさ!そん時にまた伝えるからさ!」
「私も橘さんのことが好きです!」
「えー…いま、言わなくていいって言ったじゃんか…」
橘さんは笑いながらそう言った。
「私だけ橘さんの気持ちを聞いて…黙ってるなんて…できませんでした」
「そっか〜。ありがとね!でもさ!俺は栞ちゃんのアイドルの夢を応援したいんよ!だから、夢を叶えてさ!栞ちゃんが満足するまで、俺は待ってるからさ!付き合うとかそういうのはそん時ってことで!まぁ、そん時に栞ちゃんの気持ちが変わってたら仕方ないって思うけどさ…」
「私の気持ちは変わりません!ずっと橘さんのことが好きです。でも、本当にいいんですか?私の夢を…応援してくれるんですか?」
「もちろん!栞ちゃんが幸せな方が俺も嬉しいじゃん!」
「あ、ありがとうございます…」
私は嬉しくて嬉しくて…
「ちょいちょい!泣かんでよ!」
「ご、ごめんなさい…私…嬉しくて…」
「それなら、いいけどさ…」
「私…夢を叶えます!叶うかわからないけど、でも!橘さんがそばで応援してくれてたら叶う気がするんです!だから、私のそばで応援してくれますか?」
「おうよ!もちろんだぜ!」
「橘さん…ありがとう!大好き!」
「俺も大好きだよ!」
2人で笑顔で見つめあっていた。
気持ちが伝わってすごく嬉しいな…
ガチャ
「…タイミング悪かったか?」
部屋の扉のところで神影さんが立っていた。
「いや!リンちゃん!大丈夫だよ!な?栞ちゃん!な?」
「は、はい!だ、大丈夫ですよ!」
「…そうですか。入るタイミングを間違えてしまったかと思いましたよ…もう少ししてから戻りましょうか?」
「い、いえ!私も部屋に戻りますので!じゃあ、橘さん!また明日ね!」
「お、おうよ!栞ちゃん!また明日!」
私は急いで隣の部屋に戻った。
神影さん…さっきの話聞いてたのかな?




