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「もう!全然、わかんない!」
部屋に戻ってきた彩花は怒っているようだ。
神影さんと何かあったのかな?
「彩花どうしたの?」
「真島さん…どうかされたんですか?」
高須さんも気にしてくれたようで、
彩花に話しかけた。
「神影さんにね!何でご飯食べないの?って聞いたらね!よくわかんないこといっぱい言われたの!アレルギーがどうとか!何で食事をするのですか?とか!」
「そ、そうだったんですね」
「神影さんってアレルギーがあるの?」
「ありませんだってさ!でも、体質も違えば価値観も違う〜とか!自分のことを全て理解しているんですか〜とか!どういうことですか?って聞いたら、そういうことですよってもう!全然、意味わかんない!説明になってないじゃない!」
彩花の話じゃ、私も全然わからない。
「どういうこと?」
「結局、何にも教えてくれなかったの!はぁ…神影さんって何考えてるのか全然、わかんない…」
「そ、そうだったんですね」
「彩花ちゃんはさ〜。鈴のことが気になってるのよね?」
「はい…そうですけど…」
「鈴のことが好きなの?」
楠木さんがストレートに気持ちを聞いた。
「そう…なんですかね…多分、好き…なんだと思います…」
「そうなのね〜。ならそれでいいんじゃないかしら?」
「どういうことですか?」
「人を好きになることに理由なんてないでしょ?彩花ちゃんが好きだと思うならその気持ちを大切にしなさい。でも、誰しもが必ず恋が実るわけじゃないの…それは知っていても損はないと思うわ」
「…そうですけど」
「私が言える事ではないかもしれないけど…誰だって人に知られたくないことぐらいあるわ。彩花ちゃんだってそうでしょ?」
「…私は…別に…」
「そうなのね〜。でも、私にはあるわよ?鈴だってそうなんじゃないかしら?」
「そう…なのかもしれません…」
「だから、彩花ちゃんは自分の気持ちを大切にしなさい。鈴は鈴なんだもの。誰がなんて言おうと鈴は鈴のままよ?彩花ちゃんだってそうでしょ?」
「はい…」
「彩花ちゃんが鈴のことが好きならそれでいいと思うわ。でも、鈴のことをちゃんと見なさい。教えてもらうんじゃなくてよく見て気付いてあげなさい。表情が変わらないように見えるかもしれないけど、些細な変化ぐらいなら気付けるようになるわよ?」
「楠木さんは…そうされているんですか?」
「どうかしらね?」
楠木さんは微笑みながらそう言った。
「ごめんなさいね。なんか説教くさくなったじゃない。こういうのは私のキャラじゃないわ〜」
笑いながらそう言って、
少し散歩してくるわねと部屋から出て行った。
お姉様!私も行くわ!とミサミサもついていった。
「私なんかより、楠木さんの方が神影さんのことをわかってあげられてるんだね…」
「そうかもしれませんが、関係ないじゃないですか。好きって気持ちを言える真島さんは素敵だと思いますよ。それにこれから神影さんのことを少しずつでも知っていけばいいじゃないですか!比べる必要なんてありません!」
「高須さん…」
「彩花そうだよ!楠木さんは神影さんと一緒にいる時間も彩花より多いだろうし…楠木さんの方が神影さんのことを知っているのは当たり前じゃない!でも、好きな気持ちにそんなの関係ないよ!」
「うん…そうだよね」
「そうだよ!あー、なんか寒くなってきたね!」
「たしかに!外はすごく寒かったんだから!」
「ここのお風呂すごく大きいんだよ!」
「そうなの?じゃあ、栞!一緒に入ろ!」
「え?…い、いいけど」
「高須さんも一緒に入りませんか?」
「え?私もですか?」
「そうですよ!みんなで一緒に入りましょう!」
彩花は元気になったみたいでよかった。
お部屋のお風呂は3人で入っても余裕があるぐらいの大きさで私と彩花と高須さん。3人でお風呂に入った。
色々な話をしながら、あったまる。
楽しい時間だった。




