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第九章、いざ開幕!

大勢の大人達が目の前にいる。

一人の男が大人達に渡している。

光るモノやよくわからない液体。

一人、また一人と…

チリン チリンと音が鳴る。

身体中の痛みも、苦しみも

僕にはどうだってよかった。

気付いた時にはここにいて、

それが僕の当たり前だったから…


気付けば僕は一人で床に這いつくばっていた。

いい香りがする。

その時の僕は知らなかったが、コーヒーの香りだ。

白い肌に、長い黒髪

その女性だけは優しくしてくれる。

彼女は僕の腕に触れ、チリンと音を鳴らした。

そして、微笑みながらこう言った。

綺麗な音ね




カラコロカラン


「お願いがあります!!」


突然、入ってきた女性二人がそう言った。


「…なんで僕が」

「リンちゃん!ごめんって」


僕は今、ショッピングモールに来ていた。

どうして僕が来なければいけなかったのか…


「…橘だけでもよかったんじゃないですか?」

「えー!そんなことないですよ!」

「そうですよ!橘さんは栞の荷物でいっぱいになっちゃうんですから!私の荷物を持ってくださいよ〜」


僕にお願いをしてきた女性二人は

雨宮栞と真島彩花だった。

買い物をするから荷物持ちをしてほしいと…


「…他に頼める人はいなかったんですか?」

「私は神影さんにお願いしたかったんです!」

「…そうですか」


橘は雨宮栞と楽しそうに話している。

真島彩花が笑顔で話しかけてきた。


「神影さんって…女の子がどういう感じの服を着ていたら可愛いって思いますか?」

「さぁ…」

「こういう感じの服とかどうですか?」


真島彩花は花柄のワンピースを手に持って、

僕に見せてきた。


「…いいんじゃないですか?」

「可愛いって思います?」

「さぁ…」

「それともこういう感じの服ですか?」


真島彩花はピンク色のタイトなスカートを手に持って、

僕に見せてきた。


「…いいんじゃないですか?」

「えー、どっちが可愛いですか?」

「さぁ…」

「神影さんが選んでくださいよ〜!」

「…申し訳ありません。僕にはオシャレというものが分かりませんので…ご自分で選ばれてください」

「えー!そんなこと言わないでくださいよ〜!どっちが私に似合いそうですか?」


僕はタバコが吸いたいなと思いながら、

真島彩花の話を流し聞きしていたら、

前のお店に見知った顔を見つけた。


「申し訳ありません。少し離れますね」

「えっ!ちょっと、神影さんっ!」


僕は真島彩花から離れ、歩いていく。


「お久しぶりです」

「えっ!…あーっ、その節は申し訳ありませんでした」

「いえ、あの後に謝罪にこられたじゃないですか」


まぁ…と彼女は申し訳なさそうに笑った。

彼女の名前は樋口恵。

仮面の男と一緒にいた人質役をしていた人だ。

あの後に、坊ちゃんがご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでしたと謝罪にきていた。


「今日はお買い物ですか?」

「はい。坊ちゃんの新しい服を選びにきました」

「そうだったんですね…」


話しながら、彼女の視線は橘と雨宮栞を向いている。


「探偵さんもお買い物だったんですね」

「まぁ…荷物持ちを頼まれまして…」

「それは大変でしたね」

「橘は楽しそうですけどね…」

「坊ちゃんには内緒にしておきますね」

「そうしてもらえたら、ありがたいですね」


彼女はあのメッセージカードの謎をわかっていたようだ。


「やはり、探偵さんはわかっていらしたんですね」

「橘はわかっていないみたいでしたが…」

「探偵さんはあの時に自分は頭が良くないと言っていましたが、私はそうは思いませんよ」

「そうですか?」

「はい。賢い方だと思っています」

「…ありがとうございます。ですが、あんなゲームのお誘いはもうやめてくださいね」

「…たまに坊ちゃんに付き合ってもらえませんか?」

「お断りします」

「そうですか…わかりました」


樋口恵は坊ちゃんが待っていますので、そろそろ失礼しますとお会計を済ませて立ち去っていった。

僕も軽く頭を下げ、橘たちのところへ戻った。

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