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「リンちゃん。準備できたよ〜」

「ありがとう」


橘と一緒に準備を終え、ひと段落したところだ

雨宮栞はキッチンで何かをしているようだ。


「ん〜!美味しそうな匂いがする〜!!」


橘は子犬のように匂いに釣られてキッチンの方へ…


「あの、もしよかったら一緒にご飯食べませんか?」

「うん!俺!食べる!!」


子供のようにはしゃいでる姿に、橘の年齢を忘れそうだ。


「神影さんもよかったら」

「ありがとうございます。ですが、僕は大丈夫です。橘と二人で食べられてください」

「でも、たくさん作ったので…」

「あー、栞ちゃんごめんね〜。リンちゃんってさ、人が作ったものが苦手なんだよね〜」

「えっ?そ、そうだったんですね。ごめんなさい」

「いえ。お気持ちだけいただきます」

「そーそー。謝らなくていいよ!リンちゃんの分も俺が食べちゃうもんね!」


いただきまーすと勢いよく食べる橘に

気まずそうな顔のまま食べない雨宮栞


「気にせず、食べられてください」

「その、すいません」


謝りつつ食べ始めた雨宮栞に少しだけホッとした。


「神影さん…その腕につけてるのオシャレですね」


僕の左腕を指差しながら話しかけてきた

女性というのはオシャレなどに気を遣っているから

こういう細かいことにも気付くのかもしれない。


「これですか?お守りみたいなものですよ」

「それ壊れた鈴なんだぜ〜。でも、ずっと大切につけてるよね〜」

「へー、そんなオシャレなブレスレットがあるんですね」

「まぁ、オシャレなのかはわかりませんが」


リンちゃんオシャレじゃん!と言葉の意味を理解してるのかわからないようなテンションで橘は笑う。つられて笑う雨宮栞。僕は食事の邪魔にならないように、

タバコ…よろしいですか?と尋ねると

大丈夫ですよと微笑まれた。


ベランダに向かい、タバコに火を灯す。

雨宮栞だって普通の女性なんだ、

笑いもすれば泣きもする。

そんな当たり前のことを考えながら、

煙を空へ吐き出した。

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