-第20話-【未来の君へ〜スイッチ〜】
『実はな、東京第八中学校、及び学校防衛隊本部基地にはな、でっけー爆弾があんのよ。地下に。』
え?そんなの聞いたことねーよ!
『そんでな、その爆弾はな、校舎と基地を全部吹っ飛ばせるくらいの威力なんよ。』
滅茶苦茶だな。え、でも
「それって周りに爆破の影響ないんですか?」
『お前は何年自分の中学校通ってんだよ。この校舎の周り全部森だろ。』
「あー、そういえばそうっすね。」
『あそこは国に許可とって爆破してもいいようにしてんだよ。あそこ実は学防隊の敷地なんだよなー。』
いや、笑いながら言うことじゃないでしょ!思わず突っ込んだ。
「で、それはどうやって起動すんですか?」
『んー、まあ、それはぼちぼち話すから…』
歯切れ悪く橘隊長は言った。まあ、いっか。何とかなるんだったら。もはやおかしな思考に走っているとは分かっていたが、考えるのも面倒で思考を諦めた。
『落ち着いたか?』
そうか、隊長は俺が落ち着くのを待っててくれたんだ。そんな優しい気遣いに感謝した。
「はい、ありがとうございました。」
そう言った後にプツン、と無線を着る音がしたので俺も無線を切った。心に何かが引っかかったが、取り敢えずは今やれることをやろう。
「Dー01分隊高田です。児童の捜索と並行でどなたか保安設備室見てこれませんか?」
『まあ、見れないこともないんだが…。』
「なんかあったんですか?」
『いやな、どうも敵がどっかから館に侵入してきてるらしい。まあ、それで迂闊に動けないんだよ。集団で動いとらんと、あとで痛い目に遭うぞ。』
まじか…。いや、それでもこの真っ暗な中で、あいつがどれだけ怯えてるのか、俺には計り知れない。俺は探すことと『平行』に、やろうとしているんだ。だから…
「分かりました。俺が行きます。」
『おい、お前ちょっと待』
ピー、と無線を切った音が、真っ暗な闇に響いた。
「絶対…絶対に見つけてやる!待ってろ小太郎ォ!!!上等だァ襲撃者ども、首洗って待ってろ!」
再戦だ




