-第18話-【未来の君へ〜何処〜】
「援護入ります。」
『学校棟側了解。頼む。そっちは何人くらい集まった?』
「40人です。」
『了解。援護射撃頼んだ。スリーカウントでいくぞ。』
「いつでもどうぞ。」
そう言って集まった仲間に用意の指示を出す。俺らは学校棟と保護施設の間に設営された盾に隠れている。
『3、2…』
「援護用意!」
『1…』
銃を構える。
『ゴー!』
「援護!」
銃声が再び響き始める。この地域は既に奪還していたが、もういつ取られてもおかしくなかった。
『被弾多数!援護射撃もっとやれ!』
弾の密度がどんどん濃くなっていく。こちらに向かってこれず倒れる者、向こうの盾で崩れ落ちてく者。まさに地獄だった。相手も流石に怯んだのか盾から顔を出してこなかった。
『全員撤退完了!』
「了解!援護射撃終了!直ちに退散!」
再び銃を撃ち合いながら保護施設棟に入っていった。よし、助けられた。その時、忘れていたことが無線から聞こえてきた。
『保護施設棟より捜索願!避難させた児童の数を数えたんですが、何人か足りないんです!』
小太郎!完全に忘れてた。探さないと!
「Dー01分隊、保護施設棟に向かい、児童誘導任務に戻ります。送レ」
『了解。他にも2分隊こっちに回ってる。そちらと合流してくれ。オワリ』
ふう、行くか。そう思った時、共通回線に今日はよく聞く声が聞こえた。
『司令より全隊員に連絡。児童の誘導を最優先で行ってください。尚、保護施設棟を除いて戦闘中の隊員はなるべく気づかれないように少しづつ地下通路を使用し、撤退してください。』
なんだ、この連絡は。戦わないと占領られるぞ。全く、何を考えてんだ。ただ、そうは言っても従わない訳にはいかない。それ以前に、俺にはやるべき事がある。急がないとな。
『Dー01分隊に通達。最上階から順に回っているから、お前らは3階から回ってくれ。下で防いでるけど、あんま余裕なさそうだから。』
「了解しました。極力急ぎます。」
『おう、頼んだ。』
保護施設棟に着いてすぐに、俺はさっきみたいな声で小太郎の名前を叫びだした。
次回、「第19話-【未来の君へ〜負の連鎖〜】」
お楽しみに!




