-第14話-【地獄】
『ガチャン!』
思いっきりドアを開ける。
「現着!参戦します!」
バリケードに身を隠し、SMGを取り出して、襲撃者達に照準を定める。
夜なので学校は真っ暗だ。が、銃から放たれる光である程度周りの様子がわかる。そんなくらい激しかった。きっとここが山場だ。そう思って弾を撃ち切る。弾倉を交換し、再び撃つ。それを繰り返しているうちに無線に誰かの叫び声が聞こえた。
『学校正面玄関、応援願う!人員目視で約200!』
『保護施設裏門、応援願う!人員目視で約170!』
嘘だろ…。ここを凌ぐのでも精一杯なのに。こんなんじゃ足りない!
『本部より通達!千葉・埼玉・神奈川へ学防隊関東支部全域の応援を要請した!また、中部学防隊にも応援待機要請をした!それまで我慢しろ!予定到着は順に、1時間・30分・1時間半!』
早くて30分か。持つか…。
「学校側3階、弾倉不足!待機中の部隊は応援願う!」
俺は無線に叫んだ。残った弾倉はあと3個。応援は間に合うか。
応戦から1時間。ふと、窓の外を見る。
「っ!嘘だろ!」
学校の周りに隊列を組んだ襲撃者達がいた。
仲間の中で誰かが呟くのが聞こえた。
「地獄絵図だ。」
と。
次回、「-第15話-【未来の君へ 〜何処ですか?〜】」




