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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

コレラ(改)

作者: いわせみつか

まだ生きてます。

 

 *コレラ大流行の悲惨。


 川の上流に何者かがコレラ患者の排泄物や吐瀉物等を投棄しますと、川の水全体がコレラ菌で汚染されます。

 このような川が街のなかを通っていますと、街の人たちが川の水で食器や野菜を洗います。すると食器、野菜等にコレラ菌が付着します。

 どうなるでしょう。二、三日以内にコレラが全市内に広がります。

 それでも、患者が二十人や三十人ぐらいならまだ安心ができますが、何百人という数になると、患者を収容する場所が無くなります。

 それで行政は、コレラ患者の発生した家は患者だけを家に残して、家人は強制的に退去をさせられます。

 患者のいる家の前には、縄が張られて『隔離』されます。

 このように、『隔離』されたら、もう親子といえども永久の別れです。

 白衣を着た医師や看護人が飛びまわり、所々に警官が立ち、関係者以外の者は出入りを禁止されます。

 家に残された病気の子供を心配して、母親が泣こうとも、親が死ぬ前にひと言遺言を聞きたいから、逢わせてくれと子が頼んでも、警官は絶対に家に入れません。

 患者が多すぎて、医師も看護婦も、どうすることもできない。

 病人がひとりぼっちで哭く声、水をくれという声が、町の方々で聞こえる。

 患者が死ねばすぐに高額の賃金で雇われた人夫が来て遺体を山に運んでいきます。 

 黄色い旗を立てた、死者の行列が続くさまは悲惨です。

 退去させられた家人のなかからも、発症者が出るとまた大騒ぎになります。

 人間の数が多いのに、指示する人が少ないので指揮命令に統一が無く、そのために炊き出しなどもなども間に合わず、医師も看護婦も疲れ切り、病人はほとんど治療が受けられずだだ死を待つばかりです。

 市内はまるで前の震災の時のような大混乱の状態になったのです。

 この時、川の水を検査すると、水という水にはすべてコレラ菌が検出されたのですから恐ろしいです。

 これは実際にあったことなのですが、具体的に地域名を出すとそこの住民が不快になりますので書けません。


 これは昔、本当にあったことです。

 これが日本の本当の歴史なんです。


 



 





 






                            

 これは大正時代から昭和時代の終わりごろまで出版されていたあるロングセラー本に書いてあったことを分かりやすく書き換えたものです。現代の話ではありません。また今ではコレラは治療法が確立されていて、死者はごく稀です。

 原本は平成になってから絶版になりました。

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