淡々と続く日常
国立手野大学へと、俺は入学することができた。
ここは、4つのキャンパスで、大学や大学院から幼稚園、保育園までさまざまなものが揃っている。
魔術のことから、医学、薬学といった理系学部、法学や文学部などの文系学部、短期大学部もあれば、研究所もある。
そんな大学だ。
大阪府手野市とよばれる、大阪の東の端、東隣りは京都府だ。
手野大学と通称されるこの大学は、2008年1月5日午前6時31分51秒3に起こった北大阪地震によって壊滅的被害を受けた大阪大学と統合することとなった。
1年後の4月1日に旧大阪大学跡地は府立北大阪地震記念公園として、一般開放されることになった。
もっとも、それ以前から手野大学はあった。
1948年4月1日に、国立手野大学は1期生の入学式を行った。
この時、バンパイア条約と呼ばれる魔術系の高等教育施設を設置することを義務付けることとなった。
その魔術高等教育機関こそが、手野大学である。
俺は2014年、魔術学部変化学科に入学した。
簡単に言えば、からだを変化することができる精霊と呼ばれる種族が主に入る学科だ。
この大学で、いろんなことを学ぶことができるだろう。
だが、まずはきっと淡々と流れていく日常を、楽しむだけだ。