翌日
その日はよく眠れなかった。
瞬のことで頭がいっぱいでいっぱいで。
(付き合う?)
なんか、その場のノリでOKしてしまったけど、かなり可笑しい気がした。
(男子と付き合った時がない私が女の子と付き合うって…)
まあ、男子とはこれから先付き合いたいとは思わないけど。
翌日の朝。
瞬とまた会うんじゃないかとそわそわする。どんな顔をすれば良いんだろう。
結局今日の朝は瞬と会うことはなくて、残念な気持ちとホッとした気持ちが渦をまいていた。
教室に入ろうとした時に誰かにぶつかる。
「ごめっ」
「歩花、おはよ」
瞬だった。予想以上に顔が近くなってしまいびっくりする。
「!…ぉ、おはよ!」
バッと後ずさりすると瞬は笑った。
「可愛い、真っ赤」
「う…からかわないで」
「ごめんごめん」
そのまま教室から出ていく瞬の後ろ姿を軽く睨みつける。
(でも、やっぱかっこいいよ、瞬)
「おはよー瞬ちゃん」
「おはよー」
クラスメイトと挨拶を交わすのが聞こえた。
(瞬ちゃんだって)
なんか違和感。顔がにやける。
「おはよう歩花ちゃん!」
そのクラスメイトが教室に向かって走ってくる。
「おはよう!」
私と瞬の関係を知っている人は、まだいないんだ。