表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

どうしてこうなった・・・ 07

side シャル


俺の淡い夢は簡単に砕けました。


「おいゴラシャル」


え”? え? why?


なんでアイシャがここにいんのぉぉぉぉお!!! 俺のマイハニーちゃんはいずこ!? 俺の彼女は一体いずこぉぉぉお!!


「おう聞いてんのか女顔シャル」


人が気にしてる事言わないでほしいです・・・・


「無視とはいい度胸だなチビシャル」


・・・・・ぐすっ


「ま、まぁ落ち着いてアイシャ」


おぉアレスお前が神に見えるぞ


「やぁん、アレスがそういうなら落ち着くわね♪」


女って・・・コワイよ


「なんか言ったシャルちゃん?」


イイエナニモ










「へぇ、じゃアイシャはもう魔法学校卒業したんだ?」


「そうだよ、し・か・も主席なんだから! ねぇアレスほめてほめて」


「あはは・・・アイシャえらいえらい」


「えへへ///」


戦闘も終わり、ちょっと休憩しようという事で3人で休憩中なんだが、アイシャがアレスの膝の上に乗りものっそいピンクな空気が流れております。時々アイシャから てめーどっか逝けよ 的な目で見られますが俺も休憩したいので後が怖いけど無視して休んでるわけで・・・


はぁ・・・


あぁそうそうさっきアレスが言ってた魔法学校ってのは魔法大国「ムホテプ」にある世界で一つだけの魔法学園アテナって場所だ。今は戦乱の世だから「ムホテプ」の人しか入学していないみたいだけど戦が始まる前は世界中から魔法を学ぶ人は魔法学園にきていたらしい。


んで、アイシャは10歳の時にそこに入学して8年在学し、つい先日卒業したらしい。んで風の噂でアレスの事を聞いて合流しようとここまできたらしい。もっともこの洞窟には違う要件できたらしいんだがよくはワカンネ。


んまー、よくはわからんが俺はこの広間の奥にある赤い果実ちゃんをゲットするという偉大な任務があるからな! 絶対にアイシャの要件は手伝ないぜ!




「所でアイシャ?その学園長から言われた要件って?」


「んー?えっとね、ほらそこに扉あるじゃん?あそこってさすんごい昔からあるものを封印してるらしくてさ最近ここから不穏な魔力を感じるからついでに調べろって学園長の爺から言われてさー」


「へー、封印って何を?」


「えっと、たしか元は神の一柱だったけど魔に落ちた獣だったかな」


・・・・へ? いやいや赤い果実ちゃんでしょあの奥にあるのって? え? 違うの?


そげな・・・・orz













side アレス



アイシャがここにきた要件を聞いてさぁ帰ろうとしてるとシャルがふらふらと奥にある扉に向かっていった


「おいチビシャル、その扉は誰がどうやっても開かないぞ、封印がかかってるらしくてなんでも選ばれし血筋じゃないと開かないみたいだぞ」


そんなアイシャの言葉を聞いてもシャルは何かに引き寄せられるように扉へと向かい、扉に手をつけ何かを確かめるように呟いた。


「・・・・・もう大丈夫だから、出ておいで」


その時のシャルの表情は、無表情なんかじゃなくて初めてみる温かい微笑をしていて、何がシャルをそうさせているのか知りたくてどうしようもなかった・・・・


って、へっ? うっわぁ・・・・・やっぱシャルってばすごいなぁ・・・









扉開いちゃったよ・・・・


アイシャもぽかーんってしてるし、まったくやること全部規格外なんだから・・・


ふぅ、まったくシャルが起こす面倒事にはなかなか慣れないや・・・








side シャル


絶望した。俺は猛烈に絶望している。


俺の赤い果実ちゃん最初からなかったの? なにそれ俺だまされたの? ねぇねぇナニソレ?

ちっくしょぉぉぉおお!


この・・・この・・・扉の向こうに俺の赤い果実ちゃんが待っているんじゃなかったのか?・・・くっ・・・無念なり!


ん? クンクン・・・・・っ! この匂い! いや間違いなくこの奥に赤い果実ちゃんがいる!!!

ふははは! アイシャよ!俺を謀ろうなんて100年早いわ!


うふふ、ニヤニヤが止まらない☆Z☆E☆ 赤い果実ちゃん、もう悪い人はみんなおっぱらったから出てきて頂戴な!



「・・・・・もう大丈夫だから、出ておいで」


さぁ、かもーん!・・・・・うぉぉぉぉ!まじで開いた! やっぱ果実ちゃんへの愛は強しだな!!さぁて扉の奥にしゅっぱーつ!










3人で入った扉の奥は祭壇になっていて、その中央には銀色の毛並みの大人の人並に大きな狼が横たわっていた。 ただその前脚と後ろ脚には縄で縛られていて神聖な獣を無理やり捉えたかのようでとても痛々しく、だけどどこかのお城で彫刻にでもなっていそうなくらい美しく、人間が触れてはいけない世界のようだった。





俺はこの銀色に輝く獣を見た時、初めてみたはずなのになぜか「懐かしい」とそう思ってしまった。なぜだろう?とても懐かしくてとても温かくてとても・・・・哀しくなるこの気持ちはなんなんだ?


なぁ、おまえは一体・・・・



「あたし、知ってるかも・・・・昔、まだ神々が地上で暮らしていた時の事、呪われし神と巨人との間に生まれた怪狼フェンリル・・・・」


「フェンリル?・・・まさかこの狼が?」


「魔法学院で聞いた伝承なんだけどね、怪狼フェンリルは天を覆い隠すほどの巨体で神々に災いをもたらすと予言されていた。そして巨人と神々の闘いで神々の王を食い殺し、生き残った神々によって地下神殿「ニヴルヘル」へ永遠の眠りにつかされた。ってね、それにもし伝承通りならこの狼の脚についてる縄は「スレイプニル」っていう魔法の縄でこれと解けるのはここではない世界の人だけって伝承だし」


「それは・・・でもその話、山賊達が死んでいた部屋にあった文字でシャルが言ってたのと同じだな」


「え? あの部屋で書いてた文字は召喚儀式で使われる古代文字よ? あれはまだ魔法学院の教授でも解明できてない文字だったはずよ? それをどうしてシャルが?・・・っていうかシャルがそんなに喋ったの!?」


「えっ? あぁうんまぁね、でもあの時のシャルはシャルじゃないみたいだったし・・・・いやごめんなんでもないよ。」



後ろで何か言っているのは聞こえるけど今の俺にはどうでもいい。


なぁ?おまえの名前はなんだ?

なぁ?おまえの瞳を見せてはくれないか?

なぁ?俺を・・・・知っているのか?









狼は目を開き、首だけをこちらに向けてきた。

狼の瞳の色は綺麗な、とても綺麗な、透き通るような青色だった。


あぁ、綺麗だな・・・・・やっぱりお前は綺麗だよ「■■■」




「シャル!!待つんだ!」


なんだよ、俺はこいつの事を知りたいんだ。邪魔をするなよ。


「チビシャル!待て!そいつは神の一柱であったのに闇に落ちてしまった魔獣だぞ!」


魔獣?何言ってんだよ。見てみろよこいつの眼を、こいつの心を、こいつはこんなにも綺麗で、こんなにも・・・・哀しんでるのに・・・・そんな奴が魔獣なわけあるかよ。


なぁ?おまえに触れてもいいか? 俺はおまえを絶対裏切らないから。


俺がその獣の額に触れた時、触れた場所から祭壇の部屋全てを覆うような光で包まれた。
















side アイシャ


祭壇のある部屋に入ってまず思ったのが、この部屋を満たすあり得ないくらいの圧迫感による恐怖だった。まるで大きな獣に正面から見られているような生きた心地がまるでしない空間だった。


そして祭壇の中央には銀色の毛並みの美しくどこか儚げな狼。


あれ、銀色の狼?たしか学園長が・・・あっ!


「あたし、知ってるかも・・・・昔、まだ神々が地上で暮らしていた時の事、呪われし神と巨人との間に生まれた怪狼フェンリル・・・・」


「フェンリル?・・・まさかこの狼が?」


「魔法学院で聞いた伝承なんだけどね、怪狼フェンリルは天を覆い隠すほどの巨体で神々に災いをもたらすと予言されていた。そして巨人と神々の闘いで神々の王を食い殺し、生き残った神々によって地下神殿「ニヴルヘル」へ永遠の眠りにつかされた。ってね、それにもし伝承通りならこの狼の脚についてる縄は「スレイプニル」っていう魔法の縄でこれと解けるのはここではない世界の人だけって伝承だし」


「それは・・・でもその話、山賊達が死んでいた部屋にあった文字でシャルが言ってたのと同じだな」


「え? あの部屋で書いてた文字は召喚儀式で使われる古代文字よ? あれはまだ魔法学院の教授でも解明できてない文字だったはずよ? それをどうしてシャルが?・・・っていうかシャルがそんなに喋ったの!?」


あの年中無口なシャルが!? へぇ~それは興味あるわねぇ・・・ふっふっふ、村じゃ無表情って言われてたけどあたしにとっちゃ表情豊かなヘタレだと思うんだけどなー? まぁあのご両親も自分達に何かあったらシャルを魔獣とかの相手させろとか脅してたしね~、子供の頃からシャルってば村で一番の狩人で魔獣相手も難なく倒してたからな~、村の大人達もシャルを認めてたからこそこき使ってたんだろうね。 


おっと話がそれちゃった。



「えっ? あぁうんまぁね、でもあの時のシャルはシャルじゃないみたいだったし・・・・いやごめんなんでもないよ。」



「シャルじゃないみたいって・・・?」


「んー、なんていうかあの時のシャルは中身が別人のような・・・」


んー、よくわかんないけどシャルだしまぁいいでしょ!


「よく分かんないけど、シャルをいじるチャンスってわけね! ふっふっふ、シャルってば表情豊かだから弄り外あるのよね!」


「ははは・・・・シャルを表情豊かって言えるのアイシャくらいだよ・・本当よく見てるんだね」


「そっかなー? でも一番見てるのはアレスだけだからね♪」


「アハハハ・・・・」



ぞわっ


えっ? 何これ、全てを見透かされてるようなこの感覚、一体何が・・・・っ!あれは!やっぱり!



「アレス!あの狼はやっぱり怪狼フェンリルだ!あの眼の色間違いないよ!」


「そんな!」


シャルが狼に向かって手を差し伸べていた


「シャル!!待つんだ!」


ちっ! 体が思うように動かない! あの狼が何かしたのか!? アレスも動けないみたいだし・・・!


「チビシャル!待て!その狼は神の一柱であったのに闇に落ちてしまった魔獣だぞ!」


くそっ!あの馬鹿シャルめ! これが落ち着いたらまた女装させて苛めてやるからな!





光があたしたちを包み込み、光が収まって目を開いた時、すっごいびっくりした。


悔しいけあたし私はこの世で一番の美女はシャルだと思ってた。(もちろん2番目はあたしよ?)

肌なんて雪のように白くて黒く長くて綺麗な髪と合わせるととても神秘的で、目も切れ長で鼻筋もちゃんと通ってて、神が作ったとしか思えない美しさなのよね。あまりの綺麗さによく昔は女装させてたし・・・・村のみんなも実はシャルのあまりの美しさのせいでうまく話ができないくらいだったしね、なんとか傍にいたくてあってないような家の小さな修理とか頼んで家の人皆でそれ眺めてニヤけてたりとかね。

うん、あの村やっぱり変態多いよね・・・・あたしも女装させすぎちゃって「人形」のような完璧な美少女にしちゃって村の人らがこっそりと「人形」って呼ぶようになっちゃったし・・・・あははは・・・・ごめんシャル・・・あははは・・・


って今はそんな事よりも! 今あたし達の目の前で光を放ちながら浮いているこの女の子!

もーーー!すんごい可愛いの! 10歳くらいの子で髪は銀髪で綿飴みたいにふわっふわで!目は閉じちゃってるからわかんないけど口も鼻ももう存在すべてが可愛い、とっっっっっても可愛い子がいるの!まるで天使みたいよ!


あぁもう早く抱きしめて色々可愛い服きさせたい!


あっ、光が収まって空中から降りてきた。


きっと声も可愛らしいのよね!早く聞きたいわ! というか早く眼を開けてほしい!


あっ、眼を開けた!きゃーん!すごい綺麗な透き通るような青だわー! あーんもう触りたいー!もう我慢できないわ!触っちゃおう!


「シャル!」


ガバッ


へっ? えぇと・・・・状況が理解できないのだけども・・・・


「ねぇアレス」


「あ、ああ、なんだい?」


こんなときもクールでかっこいいわアレス


「目の前の状況どうなってるのかな」


「う・・うーん、とりあえず・・・シャルにも春が来たってことかな?」


えーっと、つまりね?


天使みたいな子がシャルの名前を呼んで、抱きつく ⇒ シャル動揺のあまり上手く受け止めれず一緒に後ろに転がる。 ⇒ 女の子シャルの顔見て笑顔になってキス。


そう


kiss しちゃってますね。ええ、もう30秒くらいは。というか笑顔も可愛いね!


そろそろシャル息してなくて死にそうだからトドメさしとこうかしら?


「シャル?可愛い彼女ができてよかったわね?でも気をつけなさいよ?貴方ロ・リ・コ・ンなんてばれたらもう生きていけないわね?」


あ、落ちた。ふっふっふ。これはいい苛めネタができたわ・・・


「あ、アイシャほどほどにね?」


「アレスが言うならほどほどにするわ♪」


あー、楽しみー♪


色々やっちまった感が否めない


アイシャsideを読むと村で言っていたアレスの独白が勘違いになってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ