第三話「委員長が水着に着替えたら……」そのニ
八月三日
「はろーオオカミ少年君」
「なんだと…………」
そんなある日、地元から少し離れた海岸で何故か委員長とありえない再会する。
俺は元部活仲間に懇願され海の家にて住み込みバイト。当分の間は委員長へ合わずに済むと喜んでいたら、そこにカースト最上位グループもバイトへ参加していた。こちらは通勤なので毎日じゃない。
で、初顔合わせで現在。
「うわー驚いたな。工場で働いているはずの井伊君」
「なんでこうなった委員長?」
「ただの偶然。作為的なものもかんじるけど。それで話は聞いた。バイト住み込みだってね。もしかして私があんたにキスする日課……トラブルとして休止にできると踏んでいたのかな?」
「すんません。俺が浅はかでした」
俺は同じグループの女達へ視線を送ると奴らは口笛吹いている。ハメられた。もしかしてこのバイト、こいつらの差し金か……。
口パクでナリをよろしくねと言っている。
最近委員長に絡まれている頻度多いから仲がいいと勘違いしてね?
「確か海鮮系っていっていたわよね? てっきり回転寿司の裏方でロボへしゃりを黙々と詰め込んでいるものだと思っていたよ」
「俺もそのほうがどれだけよかったか……。夏の海はリア充で溢れているから地獄だ。電気代の滞納分とバイクのローンがなければ誰がこんなところ来るかよ。そういう委員長だって海で遊ぶだけだったんだろ?」
「うん。何だけど人が足りないから頼まれた。でもそうか………井伊がいるのなら私も住み込みにするか……というわけで当分よろ♪」
「ええ……まじかよ」
なんでこうなった……勘弁してくれ。
「それよりなんか言わないといけないことない?」
シナを作る委員長。スレンダーな体付きなので何でも似合う。
「もしかして委員長肥えた?」
「太ってない! 逆にボクサー並の減量——げふんげふん」
殴られた。理不尽。
それにしても委員長の水着初めて見る。ワンピースタイプか。
「でも委員長なんかおかしいぞ?」
「なにが? あ…………しまった!」
水着にあるはずの凹凸が大いにずれていたから。俺は他の従業員にバレる前に慌ててロッカールームへ連れ込む。
「委員長、おまえ女だよな?」
「いきなり失礼なやつね。私は女よ! お・と・め! 悪かったわね。どうせ胸ないよ」
「元気だせ。胸なくてもなんとか生きていける。後ろ指さされても人生悲観的にならず堂々と歩け」
「うっせー! ケンカ売っているんかい!」
思いっきり蹴られる。尻が痛い。
同時に激しく動いたせいでパットがポロンと抜け落ちた。水着ブラと本体の間に大きな空洞。
見事にまで真っ平らだった。更に三つ重ねているのが哀愁を誘う……。そうとう気にしているのか。
「偽乳でも可愛いぜ」
「井伊! クラスにバラしたらぶち殺す」
「了解です」
委員長は真っ赤になりながらパットをリロード。
委員長の意外な弱点を知っていい気分。
通りで今まで水泳の授業に参加しなかった訳だ。ただ泳げなかっただけじゃないのか。
「ムカついたから今日のキスは凄いところにする」
「お手柔らかに頼んます」
キレた女に逆らうのは自殺行為だ。母ちゃんで経験済み。
「井伊の服めくって」
「はいはい」
「わお、すごい腹筋」
「元陸上部を舐めるなよ」
部活をやめても筋トレだけは習慣なので続けていた。
委員長は躊躇いもなく触ってくる。くすぐったいからやめてほしい。
おへそに口づけ。しかもペロンと舐められる。めちゃ汚された気分だ……。




