空の玉座の診断と粘土の疫病
コンタージェンの錆を背後に残し、BR-040号線を下ってリオデジャネイロへと向かった。ミナスジェライスの風景は見る影もなかった。変異した植物群を維持していたエリオ・ヴェラスのマナのオーラを失い、州全体が瞬時に壊死的な秋に突入したようだった。
死んだ木々から羽毛の葉が汚れた雪のように舞い落ち、ひび割れたアスファルトの道路を覆っていく。
「エンジンのエアフィルターが詰まりかけてる」ヴァレリアがドレッドノート・トラックの計器盤を叩きながら唸った。「この生物学的な灰、ベタベタしてるんだ。空気の取り入れ口を掃除するために止まらないと、エーテル・エンジンがオーバーヒートして、アタイらの踵ごと溶けちまうよ」
「止まらない」俺は助手席に寄りかかったまま答えた。失われた左腕の幻痛が、黒水晶の義手の紫色の光と呼応してズキズキと痛む。「錆の女男爵の言う通りだ。外の静寂は平和なものじゃない。捕食者が聞き耳を立てている静寂だ」
後部座席で静かに音波の杖を弾いていたルナが、突然手を止めた。
「アーサー……地面が、羽音を立ててるわ」
寄生体からの警告を待つ必要はなかった。加硫ゴムのタイヤから振動が伝わり、重いサスペンションを抜けて、俺の歯をガチガチと鳴らした。それは、死んだサンパウロの『地下鉄のワーム』のようなリズミカルな地震の揺れではない。ラジオのノイズを数百万倍に増幅したような、連続的な音だった。
ジジジジジッ。ジジジッ。
【 バイオマス・アラート:スウォーム(群れ)パターン。大陸規模 】
【 熱源シグネチャ:北東に複数の局所的熱源 】
バックミラーを見た。たった今通り過ぎたばかりの灰色の丘陵が、その形を変えつつあった。大地が文字通り、ジェネシスの死の森を飲み込んでいるのだ。
「あれ、丘じゃないよ」銃座のハッチから覗き込んでいたグリッスルの声が、信じられないというように響いた。「山が動いてる。しかも、木を食ってるよ」
手術用双眼鏡(ハーピーの眼球液で調整されたレンズ)を手に取り、地平線に焦点を合わせた。
土の山ではない。ケラチンと酸の潮だった。
数百万匹の『屍食いハキリアリ(サウーヴァ・ネクロファガ)』。
成長した狼ほどの大きさの変異アリ。その甲殻は光沢のあるものではなく、焼かれた土と砕かれた骨でできており、完璧な天然の装甲となっていた。腐食性の酸の緑色の輝きを点滅させる顎が、親父の死んだ巨大植物の太い幹を、まるで爪楊枝のように切り刻んでいく。
そして、ただ木を食っているだけではない。崩壊したエリオ・ヴェラスの都市、死んだクローン、牛型智天使の死骸、そして道すがら見つけたねじ曲がった金属さえもリサイクルしていた。
その茶色い潮の中央に、太陽を遮るシルエットがあった。
『粘土の女王』。土の聖堂と深海昆虫を融合させたような怪物が、何千匹もの働きアリによって引きずられている。彼女に目はなく、巨大な腹部だけが脈打ち、指揮フェロモンを放出しながら毎秒新しい兵士を産み落としていた。
「アルファの玉座が空いたんだな」生物学的フィルターのマスクを調整しながら俺は呟いた。「母さんの死の匂いが、ブラジル内陸部を安全に保っていた天然の忌避剤(虫除け)を消し去ってしまった。俺たちはセラードの神を殺しただけじゃない。ディナーの鐘を鳴らしてしまったんだ」
群れが俺たちを感知した。
振動のトーンが変わる。「収穫」の羽音から、「狩り」の羽音へ。数千匹の屍食いハキリアリの先陣が本隊の潮から分離し、高速道路をこちらへ向かって走り始めた。
「ヴァレリア、ベタ踏みだ!」俺は叫んだ。「グリッスル、制圧射撃! エーテルで炎の障壁を作れ!」
ドレッドノートが咆哮を上げ、急加速するが、エンジンがむせ返った。後部のマフラーから黒い灰の雲が噴き出す。
「フィルターが限界だよ、アーサー!」ヴァレリアが重いハンドルと格闘しながら叫んだ。「時速80キロ以上出ない!」
巨大アリの方が速かった。ただ走るだけではない。互いの上に飛び乗り、生きた橋を形成してアスファルトのクレーターを迂回していく。
最初のアリが鈍い音を立ててトラックの屋根に着地した。
金属がジュージューと音を立てるのが聞こえた。キチン質の装甲に酸を吐きかけているのだ。
ズシャァァァ!
グリッスルの大鉈の先端が屋根を貫通し、キャビン内に白熱する緑色の血が飛び散った。
「こいつらの甲殻、硬すぎる! ハープーンじゃ何千匹も相手にできないよ!」息を切らしながら、グリッスルが大鉈を引き抜いた。
さらに二匹がボンネットに着地する。奴らの顎がブラッドスチール(血の鋼鉄)の破城槌を引き裂こうとする。酸がエンジンの補強材を溶かし始めた。
「エンジンがむき出しになるぞ! あそこに侵入されたら、俺たちは死ぬ」俺は警告した。
黒水晶の左腕を見る。『バベルのコード』の冷気がまだそこに留まっており、エントロピーのバッテリーとして使われるのを待っている。
「ヴァレリア、トラックをまっすぐ走らせろ。急カーブは切るな」シートベルトを外した。「患者に緊急の凍結療法を施す」
「こんな酸の雲の中に飛び出す気?!」ルナが俺の白衣を掴んで抗議した。
「外には出ないさ。静脈内注射(IV)を使う」俺はシニカルに笑った。
黒水晶の指をトラックの金属製ダッシュボードに直接突き立て、魔法の伝導性を介して俺の神経系をドレッドノートの車体と接続した。
寄生体が耐え難い寒さに抗議のシャーッという音を立てたが、従った。
【 熱移動プロトコル:起動。モード:局所的絶対零度 】
ヨーロッパの水晶のエネルギーを流し込んだ。黒い氷の波が手から広がり、計器盤、フロントガラスを凍らせ、車両の外装甲へと這い上がっていく。
トラックのシャーシの温度が、2秒でマイナス数十度まで低下した。
外から、はっきりとした破裂音が聞こえた。
車体に張り付いていた屍食いハキリアリが瞬時に凍りついたのだ。胃の中の酸が結晶化し、内側から生き物の内臓を引き裂く。奴らの体はすりガラスの彫像と化してトラックから転げ落ち、タイヤの下のアスファルトにぶつかって粉々に砕け散った。
ドレッドノートは、高速道路を滑走する金属の氷山と化した。俺たちの上に飛び乗ろうとするアリは、滑りやすい氷の上を滑り落ちるか、装甲に触れた瞬間に凍りついた。
「うまくいったよ!」寒さで歯をガチガチと鳴らしながら、ヴァレリアが神経質に笑った。キャビン内の全員の吐く息が、分厚い白い雲になっている。「でも、指の感覚がなくなってきた!」
「そう長くはもたない」俺は歯を食いしばった。魔法の冷気を維持するために、俺自身の血から生命エネルギーが吸い取られていくのを感じる。右目がズキズキと痛む。「州境はどこだ?」
「ジュイス・デ・フォーラ(Juiz de Fora)の近くよ!」破れた地図を見ながらルナが叫んだ。「シエラ・ドス・オルガオス(オルガン山脈)はすぐ次! あの山脈を下れば、気圧も気候も変わるわ!」
アリの潮の本体は俺たちの逃走速度についてこられず、後方へと遠ざかっていた。だが、粘土の女王の羽音はまだ山々にこだましている。彼女は諦めないだろう。俺たちは、彼女の領土における高カロリーの異常なのだから。
ダッシュボードから水晶の手を引き抜いた。氷は即座に溶け始め、トラックから汚れた水が滴り落ちたが、凍りついた灰が剥がれ落ちて自由になったエンジンの空気取り入れ口は、再びフルパワーで咆哮した。ヴァレリアがアクセルを踏み込むと、トラックは前方に跳躍し、偵察兵の群れを完全に引き離した。
俺はシートに倒れ込み、抑えきれない震えに襲われた。寄生体が俺の肝臓を温めようと必死に働いている。
「診断……完了」息を荒らげながら後ろを振り返った。昆虫の塊は、凍りついた自分たちの仲間の死骸を食い尽くし、再びジェネシスの廃墟のリサイクルへと集中し始めていた。
「あいつら、南までは追ってこなかったね」銃座から降りてハッチを閉めながら、グリッスルが状況を確認した。「どうしてだい?」
「縄張りを持つ動物は、見えない境界線を尊重するからさ」額の冷や汗を拭う。「粘土の女王は内陸を要求した。だが彼女は、海岸が別のものの所有物であることを知っている。海岸はレヴィアタニアの、俺たちのものだ」
トラックは、フルミネンセ(リオデジャネイロ州)の山脈に向かって夕暮れの最後の時間を切り裂いていった。
俺たちは世界を救った英雄としてではなく、大陸の檻の鍵をたった今開けてしまった生存者として、家へと帰っていく。エリオ・ヴェラスとの戦争は個人的で、外科的なものだった。これから迫り来る戦争は、残忍で、全面的なものになるだろう。
粘土の女王は最初の症状に過ぎない。空の玉座の診断結果は、大規模な隔離を要求していた。




