肉の地下室とロット42の残響
「どん底に落ちる」という言葉は、その底に軟骨の歯が生えていて、胃液の臭いがする場合には、新たな視点を与えてくれる。
ダイニングルームの括約筋からの落下は、自由落下ではなかった。それは巨大な食道を通る降下だった。周囲の筋肉の壁が収縮し、暴力的な蠕動運動で俺を押し潰し、下へ下へと押し流そうとする。
俺は叫ばなかった。パニックは、もはや俺の生物学が許さない贅沢品だ。
左腕を上げた。黒水晶が致死的な強度で輝いた。
俺を飲み込もうとする肉の壁に、火山ガラスの指を突き立てる。
ズチュッ。
摩擦が有機組織を引き裂き、水晶の凍結パワーが温かい筋肉を脆い黒氷へと変えていく。塔の「消化管」に結晶化した壊死の痕跡を残しながら降下速度を落とし、やがてスポンジ状の床に鈍い音を立てて着地した。
暗かった。壁で病的な黄色の光を放ちながら脈打つ、蓄光性の静脈だけが照らす湿った暗闇だ。
白衣についた消化酵素の水たまりを振り払いながら立ち上がった。肝臓の寄生体が沸騰し、酸が皮膚を焼く前に中和する。
「環境分析」暗闇に向かって呟いた。左目(『バベルのコード』の残留デジタル・インターフェース)が乏しい光を補正する。
そこは普通の地下室ではなかった。遺伝的失敗作の屠殺場だった。
周囲には、半透明の膜でできた円筒形のチューブの列が広がっていた。それは巨大な昆虫の繭のようで、太いへその緒で天井から吊るされていた。そのほとんどは空っぽで、内側から破られていた。
匂いはホルマリンと古い血、そして吐き気を催すほど甘い何かが混ざったものだった。失敗した誕生の匂いだ。
突然、引き裂かれたような呼吸音が聞こえた。肉の床を足を引きずって歩く音。
右手にミスリルのメスを構え、左の水晶の腕を準備して振り返る。
破れた繭の影の中から、人影が現れ始めた。
彼らは前かがみで、震えながら、ぎこちない動きで歩いていた。手術着のボロ切れを身にまとっている。
静脈の黄色い光が最初の一人を照らしたとき、寄生体でも防げないほどの暴力的な胃の収縮を感じた。
俺だった。
いや、俺自身の粗悪な似顔絵と言うべきか。
顔は俺と瓜二つだったが、非対称だった。右目が垂れ下がり、顎は突き出て動物的だった。その目に知性はなかった。拡張した瞳孔には、空虚な飢えと盲目的な服従だけが刻み込まれていた。
その後ろから、さらに5人が続いた。そして10人。
腕が長すぎる者もいた。胸の皮膚から奇形的な骨のプレートが突き出ている者もいた――俺の寄生体のキチン質装甲を複製しようとした、失敗の痕跡だ。
【 セキュリティ警告:複数の同一DNAシグネチャを検知 】
【 分類:欠陥クローン。ロット1~41 】
彼らは庭師たちの「原材料」だったのだ。エリオ・ヴェラスの遺伝的ゴミ。
先頭のクローンが立ち止まった。奴が口を開くと、そこから出た声は俺のものだったが、古いカセットテープが切り刻まれるような歪んだ音だった。
「しっぱい……さく……。ゴミ……。おとうさん、きれいに、する……」
彼らに個性はなかった。ロボトミー手術を受けた俺自身の残響であり、穴に落ちてきたものをリサイクルするようにプログラムされているだけだ。
「お前たちは俺の兄弟じゃない」俺の声は冷たく、地下室に響き渡った。「お前たちは俺の悪夢だ。そして俺は、不眠症を治しに来た医者だ」
最初のクローンが、短剣のように鋭い骨の破片を振り上げ、残忍な力で俺に飛びかかってきた。
俺はためらわなかった。後退もしなかった。嫌悪感は、外科的な正確さへと変わった。
攻撃をかわし、体を反転させ、黒水晶の腕をクローンの胸に直接突き立てた。まさに肝臓(そして本来なら寄生体)があるべき場所だ。
紫色のエネルギーが爆発した。クローンがむせ返る。奴の体は内側から結晶化し始め、クローンの肉は瞬きする間に黒ガラスの彫像へと変わった。
腕を引き抜く。彫像は後ろに倒れ、床で粉々に砕け散った。「俺」の何百もの破片が散乱する。
他のクローンたちが一斉に前進してきた。
それは自傷行為のような大虐殺だった。俺は切り裂き、かわし、自分自身の鏡で見慣れた顔たちを結晶化していった。俺のメスがロット30やロット12の喉を切り裂くたびに、俺の正気の一部がひび割れた。生き残るために、俺は俺自身を何度も殺し続けていた。
しかし、寄生体は有頂天だった。
【 適合バイオマスの吸収。最大効率。拒絶反応ゼロ 】
共生体は倒れたクローンたちの残留マナを貪り食い、笛吹き男との戦争で俺が失ったエネルギーを回復していた。嫌悪感を催す皮肉だった。俺は、自分自身の「組み立てライン」を食らうことで強くなっているのだ。
一方、俺の何十メートルも上空では、地表が炎に包まれていた。
その音は、くぐもった雷鳴のように地下まで届いた。
地上では、ヴァレリアがドレッドノート・トラックの重いギアを入れた。
「グリッスル! エデンに火を放ちえ!」彼女はキャビンの無線越しに叫び、生きた棘のフェンスを轢き潰した。
銃座の上にいるグリッスルは、狂人のように笑った。ハープーン砲は、精製されたエーテルの焼夷弾を発射するように改造されていた。
彼女はエリオ・ヴェラスの巨大な生物学的温室――未来のクローンたちが培養されている繭――に狙いを定めた。
「庭師長に伝達だ! 秋が少し早く来たよってな!」
ドォォォン。
青い炎の弾丸が空気を引き裂き、セルロースとガラスでできた中央温室に命中した。爆発は単なる火災ではなかった。肉の壁を消し飛ばし、何千もの汚染された胚を瞬時に焼却する熱嵐だった。
セラードの赤い空が炎で明るく照らされた。
エリオの庭師たち(完成し、マスクを被ったクローンたち)が毒の棘を放ちながらトラックを包囲しようとする。
だが、ルナはすでに車両の屋根の上にいた。彼女は、戦いの熱気で輝く杖を掲げた。
彼女は混沌とした音符を歌わなかった。完璧に調律された音符、すなわち都市の有機ガラスの正確な共鳴周波数を歌ったのだ。
音は目に見えない衝撃波として伝わった。塔の窓が「瞬き」し、一斉に砕け散り、親父の軍隊の上に致命的な刃の雨を降らせた。
チームはただ俺の命令に従っているだけではない。ジェネシス帝国をレンガ一つ一つ解体しているのだ。
再び、暗闇の中へ。
俺に襲いかかってきた最後のクローンの脚を切り落とし、その水晶の頭蓋骨をブーツで踏み砕いた。床は青い破片と、俺と同じ血の溜まりで覆われていた。疲れからではなく、この殺戮の感情的な重みで息を切らしていた。
地下室のパトロールは掃討された。
デジタルの目が巨大な洞窟をスキャンする。メインの繭の後ろに、探していたものを見つけた。『中央枢軸』だ。
それは家ほどもある太さの巨大な脊柱で、大地の深淵まで下り、エリオが待つ塔の頂上まで登っていた。巨大な椎骨と椎骨の隙間が自然の階段を形成し、オゾンの匂いがする脊髄液に浸っている。
塔の業務用エレベーターというわけだ。
白衣の袖でメスを拭き、巨大な脊柱へと歩み寄り、多孔質の骨に水晶の手を突き立てた。
「俺は怪物を解剖し、スーパーコンピューターをシャットダウンし、海を空っぽにしてきた」俺は親父との間を隔てる暗闇を見上げながら、独り言を呟いた。
「家系図の検死を始める時間だ」
俺は登り始めた。外では肉の街が燃えているが、本当の地獄は上の階で起こるのだ。




