用語辞典④
五十音別
〈あ行〉
・纏舞
中級強化魔術。
武器や防具などに魔術を纏わせる術。
・アディシェス帝国 その③
魔神と繋がりがあるのではないかと見られている。
ノエルの指示を受けたアインの根回しにより、第五皇子ジュリアスが十万の兵を率いてディチェス平原へ侵攻した。
・女神の使徒/神秘 その③
【法王】を宿した者は教皇、【女教皇】を宿した者は惑星延命術式の神聖核となる事が定められて来た。
どちらの神秘も女神の血族からのみ顕れ、女神の代理人と言われる特別な存在。
・アルブム
オレオールより東にあるラツィエルの南、国境の北に位置する城塞都市。
・イシュケの森
ナビア連合王国・首都ザフィエルから北に位置する森。
森の湖にはパール神殿があり、プルムブルとザフィエルを繋ぐ交通路も敷かれている。
・イリアのペンデュラム
彼女の瞳と同じ、淡い青色に輝く魔輝石らしき宝石がヘッドに飾られたペンデュラム型のネックレス。
決戦前夜、ルーカスへ手渡された。
・雷・纏舞
中級強化魔術。雷属性。
武器や防具などに雷を纏わせる術。
・オブシディアン神殿
アディシェス帝国領内にあるアルカディア教団の神殿。
聖地巡礼の巡礼地の一つ。
・オーラム神殿
アルカディア神聖国にある教団の神殿。
聖地巡礼の巡礼地の一つで、ディラ・フェイユ教皇庁の敷地内に併設されている。
・オンブル砦
アディシェス帝国との国境、エターク王国側に築かれた石造りの砦。
・望遠鏡
筒の形をした遠見のための道具。マナ機関。
〈か行〉
・枢機卿団/枢機卿 その②
世界の真実を隠蔽、教皇を傀儡として、長年に渡り教団の実権を握って来た。
ノエルを隷属の呪詛と言う邪法で縛っていたが、【審判】の助けにより呪詛の楔から解き放たれたノエルによって断罪された。
・枢機卿団会議の間
教団と国の運営に関わる重要な会議や決議を行う場所。
扇状に数百人は収容可能な席が用意されており、部屋の中央最奥に女神像を祀る祭壇の設けられた壇がある。
壁には、女神に関連した絢爛豪華な絵画や彫像が飾られ、天井もステンドグラス張り。
一見すると美術館のような美しさがある。
・クリフォト
アルカディアに重なり合うように存在する、魔神が支配する惑星。
双子月のうち、紅月はクリフォトの衛星。
・門 その③
第二次ディチェス平原の争乱にて、アディシェス帝国の第五皇子ジュリアスが魔瘴石を用いて人為的に出現させた。
・神聖核
宝珠が失われ不安定となった惑星延命術式を、安定稼働させるための生体装置。
女神の血族の女性、【女教皇】の神秘を宿した者が生贄として捧げられる。
女神と神聖核となる者の類似性、適合率が求められるため、【女教皇】の神秘を宿した者以外は成り得ない。
一定の間隔で代替えが行われており、当代の神聖核はアイゼンの妻でありエスペランド姉弟の叔母オリビア。
代替えは来年、イリアが次代の神聖核である。
・紅茶専門店〝ル・モンド〟
聖都に店を構える老舗。
アンジュ・フェイユと命名された銘柄の茶葉が主力商品。
故ルキウス教皇聖下が愛飲した茶葉を取り扱ってるとして、知る人ぞ知る名店。
〈さ行〉
・瘴気 その②
魔神の力にマナが汚染された物質。
人体にとって毒となるが、通常の解毒や解呪は効果がなく、神力を扱える治癒術師か、【法王】【太陽】【審判】の持つ〝不浄を祓う力〟でなければ浄化は不可能。
・讃美歌
女神を称える聖なる歌。
教団本部の礼拝や式典行事では、詠唱士隊による合唱が行われる事も。
・静寂なる刻
中級魔術。時属性。
一定時間、対象者の声を封じる。
・聖都フェレティ
世界樹の麓、アルカディア神聖国の首都。
歴史的価値の高い建造物が立ち並び、世界樹が生み出すマナと実りに溢れている。
・世界樹 その②
世界中の大地に深く根を張り、神秘的力の源であるマナの恩恵をもたらす大樹。
麓の聖都フェレティ大樹の実りと恩恵にあやかって栄えてきた。
・宝珠
高純度なマナの結晶体。
女神が自分自身の体を十の球体に転じた物。
惑星延命術式の展開に不可欠な要石。
四つの宝珠が、魔人の心棒者の手により失われている。
・宝珠の祭壇
聖地巡礼の巡礼地である神殿の地下に存在している。
宝珠が安置されており、惑星延命術式を稼働するために必要な、術式の小径を形成する、重要な中継地点。
・ゼンロ
特有の香りと辛みを持つ、様々な薬効のある野菜。
とある国ではジンジャーと呼ばれる。
〈た行〉
・第三限定解除
腕輪型の魔術器で抑制されているルーカスの力の内、【塔】の神秘が持つ崩壊の力を使用可能とする。
事前承認と英数字六桁のコードが必要。
・女神の降誕祭
タンザナイト月二十五日。
女神が降誕した日とされ、アルカディア教団にとって特別な日。
惑星誕生の日とも言われている。
世間では〝愛〟を遵守して、家族や恋人、友人など、大切な人と過ごす特別な日として広まる。
各地で独自の発展を遂げており、前夜祭からお祭り騒ぎになる地域も。
・ディラ・フェイユ教皇庁
アルカディア教団の本部。
教団と国の運営を担う行政区で、世界樹にほど近い位置にある。
敷地内にオーラム神殿が併設されている。
・神翼の聖槍
上級神聖魔術。光属性。
神力とマナにより具象化した光の槍が敵を滅する。
〈な行〉
・七つの罪源
<傲慢>、<強欲>、<嫉妬>、<憤怒>、<色欲>、<暴食>、<怠惰>。
・ナビア連合王国/首都ザフィエル その②
張り巡らされた水路により六つの区画に分かれており、その様が花の花弁のように美しい都市。
水の都、あるいは花の都と呼ばれる。
王都オレオールに通ずる構造でオレオールは星、ザフィエルは花、星花の双子都市と言われる事も。
中心部には女王の座する宮殿が存在。
未曾有の大災害により、大きな被害を受けた。
・天罰の神槍
上級神聖魔術〝神翼の聖槍〟を基にしたノエルの独創魔術。
〈は行〉
・パール神殿
ナビア連合王国・首都ザフィエルから北のイシュケの森にある。
聖地巡礼の巡礼地の一つ。
四方を湖に囲まれた神殿。
ルーカス達はここで、世界の真実に触れた。
・封印部屋の結界
内外の力を遮断し、魔術のみならず神秘と破壊の力をも無効化してしまう強固な結界。
ルーカスは過去、これの施された教団の牢獄に拘禁されていた。
影響を受けないための手段も存在する。
・双子月
夜空に輝く青き蒼月、赤き紅月。
どちらもアルカディアの恒星と思われていたが、紅月は魔神が支配する惑星クリフォトの恒星だった。
・飛翔せし炎の流星
大規模魔術。炎属性。
炎を纏う隕鉄の塊が、空よりあられと降り注ぐ。
広範囲の殲滅に特化した魔術。
・門凍結術式 その②
門対策のために開発された術式だが、大きな欠点がある。
空間を固定・凍結させる事で稼働を止める仕組みとなっているため、時間経過で門が消滅しなくなるという点。
維持するためのコストも馬鹿にならない為、更なる改良が急がれる。
・プルムブル・トレス・ザハル独立戦争
聖歴二十二年勃発。
現在のナビア連合王国はナビア、プルムブル、トレス、ザハルの四国が纏まって興った国であるが、建国のきっかけとなった戦乱。
かつて四国はそれぞれ自治権を認め、友好国として存在して来たが、とある国の影響を受けてナビアの前国王が武力・政治の両面から各国を強引に取り込んで圧政を敷き〝ナビア王国〟として統一を果たした。
長らくそのような状況が続き、各地で燻ぶった反意に火が着いて巻き起こった戦である。
傍系の王族であった現ナビア女王・カルミアを旗頭にした革命軍が、エターク王国軍とアルカディア教団に助力を求め、両国が援軍を派遣。
その中にはルーカスと、教団側が調停役として戦場へ送ったイリアの姿もあり、共闘した。
アディシェス帝国がナビア王国軍に手を貸したが、反乱軍が見事勝利を納め、戦は終結を迎える。
・聖地巡礼 その③
五年に一度、執り行われる祭事。
その真の目的は、地下の宝珠の祭壇に安置された宝珠の無事と、術式が安定稼働しているかを確かめる事。
神の真意と呼ばれる、聖都フェレティの北にある大神殿が真の終着点。
・宝剣エスペランド
戦姫レーシュの愛剣。
十字架に酷似した鍔の各所と、柄頭に虹色の輝きを放つ魔輝石があしらわれた銀の剣。
魔術師の杖と同じように、魔術の発動を補助・増幅する性質を持つ。
〈ま行〉
・魔獣 その②
瘴気を過剰に取り込み変質した動物、。
イリアは〝魔神の先兵〟であると語った。
・魔瘴石
黒く大ぶりな石つぶて。
魔輝石の原石に酷似しており、マナを感じられる。
瘴気が結晶化したと思われる鉱物。
アディシェス帝国の第五皇子ジュリアスが門を開くために用いた。
・魔神
女神と同等の存在、神。
アルカディアを侵略しようと目論む。
災厄の根幹。
その全容は謎に包まれている。
・マナ欠乏症 その③
原因不明とされていた突発的なマナ欠乏症の原因は、ノエルが推し進める惑星延命術式の術式改変実験に伴うもの。
宝珠や神聖核に頼らず、不足する稼働エネルギーを世界中からかき集めようとした結果である。
・女神の血族
アルカディア教団の開祖、その子孫。
女神の血と想いを継ぐ世界の真なる守り人。
閉鎖的な街で世間から隠れるように暮らし、一族内での婚姻を繰り返して、血と想いを繋いできた。
女神を盲信しており、慈愛に満ちて慈悲深く、自己犠牲の精神が非常に強い。
世界を存続させるためなら、喜んで身を差し出した。
神力が高く、体内のマナ保有量が多いのも一族の特性。
しかし十二年前、女神の血族が暮らしていた街は魔神の先兵の襲撃を受け、エスペランド姉弟の二人を残して滅ぶ。
遠縁に一族の人間が居ても、血が薄まりすぎると女神の血筋として認識されなくなる事、※真に想い合った相手としか子を為す事が出来ない事も起因して少数一族だった。
(※枢機卿団はこの事を知らなかった)
・女神のゆりかご
惑星延命術式の通称。
そしてイリアが母から教わった子守歌、鎮魂歌の名称でもある。
歌詞の全文は以下。
『愛し子よ お眠りなさい
マナのゆりかごに抱かれて
闇を祓え 神秘の風よ
煌めきがあなたを照らすでしょう
愛しい子らよ 涙を掬って
この体朽ち果てようとも
十の輝きが世界を包むでしょう
愛し子よ お眠りなさい
私の愛が 満ちる世界で
この手を合わせて 希う
どうか愛しい子らが 幸福でありますように
翼をはためかせ 想いを繋ごう
耀いて 神秘よ
強き心に 祝福を
願いを叶える 奇跡となれ
揺蕩えゆりかご 私の愛を抱いて
守りましょう 永久の楽園
いつか眠りから覚める その日まで』
〈や行〉
〈ら行〉
・ラツィエル。
グランベル公爵家の領地。
通称〝虹翼の街〟と呼ばれ、立ち並んだ大風車が象徴的。
虹色の風が吹くと言われている。
・隷属の呪詛
禁忌の魔術。
痛みと恐怖で従わせ、術者の命を賭けて、相手の行動を意のままに縛る呪い。
術で縛る際、制約を掛けるのだが、対象者がそれに反すると痛みとなって肉体に還る。
また、対象者は自ら命を絶つ事が出来ず、術者を害する事も当然出来ない。
解呪を狙って第三者が術者を殺めれば、対象者も命を落とす。
術者の死が、意図せず対象者の死へ繋がる事もあるので、欠点と言える。
非人道的な邪法。
・黄金眼
アディシェス皇族が持つ特性、黄金の瞳。
・紅眼
ジュリアスがルーカスの赤目を見てそう呼称した。
赤を示す言葉と、エターク王族のミドルネーム「グランルージュ」から取ったと思われる。
〈わ行〉
・惑星延命術式
通称「女神のゆりかご」
アルカディアを侵略しようとする魔神から世界を守るため、女神が遺した惑星全体を覆う結界、またその装置機構を指す。
女神は自分の体を宝珠と呼ばれる十の球体へと転じ、それを要石として術式が展開されている。
半永久機関であったが、魔神の心棒者によってエネルギー供給源でもある宝珠が失われてしまい、稼働が不安定となり、安定稼働させるために神聖核が捧げられるようになった。




