表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
設定資料集 終焉の謳い手~破壊の騎士と旋律の戦姫~  作者: 柚月 ひなた
第一部・完結記念 伏線・意味注釈 ネタバレ語り
14/16

≪第三章≫

 ★第三章



 ・(…………綺麗だ。この姿、まるで——)


 純白のドレスを着たイリアを見て、ルーカスが何を思ったか。

 この言葉の後に続くのは「花嫁衣裳みたいだ」です。

 ご想像に(かた)くはなかったと思います。

 お母様ってば、無茶ぶり。




 ・二人を繋ぐ歌「女神のゆりかご」


 ええ、盛大なネタバレが含まれてました。

 この時点で歌詞の意味を紐解(ひもと)けた方はいらっしゃらないでしょう、恐らく。

 解説して行きましょう。



 『(いと)し子(人々)よ お眠りなさい(安心して生きなさい)

 

 マナのゆりかごに(いだ)かれて(マナの満ちるこの惑星(ほし)で)

 

 闇(魔神の脅威(きょうい))を(はら)え 神秘の風(アルカナを持つ使徒)よ

 

 (きら)めきがあなた(人々)を照らすでしょう

 

 (いと)しい子(女神の使徒)らよ 涙(哀しみ)を(すく)って(減らして、(ある)いは、救済して)


 この体朽ち果てようとも(女神様の御身の事)


 (とお)の輝き(宝珠(セフィラ))が世界を包む(守る)でしょう


 (いと)し子(人々)よ お眠りなさい(安心して生きなさい)


 私の愛(マナや恩寵(おんちょう)、ゆりかごのシステムをひっくるめて)が 満ちる(そして守る)世界で』




 ・ノエルの瞳、灰簾石(タンザナイト)


 リライトで主要キャラの色の比喩を出来るだけ統一した時に決定。

 灰簾石(タンザナイト)は見る角度や光の種類によって色を変える宝石。

 表と裏、仮面を使い分けるノエルを表しています。




 ・露店(ろてん)でルーカスがイリアへ贈ったブレスレット


 好きな人と同じ物、同じ色は身に着けたくなりますよね。




 ・イリアに接触してきたノエル


 姉さんと連呼してますね。

 何故、記憶を揺さぶる真似をするのか。

 命の危険があると認知してないからです。だってこのオプションはアインが勝手につけた物ですから。




 ・姉さんの姿でそんな事、悪趣味にも程がある。


 不穏③「そんな俗物(ぞくぶつ)な考えなど持ち合わせていない」

 と同様に、ノエルがイリアに向ける愛、親愛を越えた異性への愛である事を否定した言葉。


 なんですけど、本心は……。

 禁断の愛です。

 女神の血族は近親婚が普通だったが、世間一般ではノーとされている。

 ノエルはそれを理解しているし、姉が自分へ向ける感情が一致しない事もしっかり認識している。

 だからこその言葉なんですよね。


 「僕が願うのは姉さんの幸せ。ただそれだけだよ」と語っているように、愛から成る否定です。




 ・宝石に例えられた主要人物の瞳


 ノエルの瞳でも語りましたが、リライトで定めたところ。

 宝石言葉もなるべくその人物に合う物でチョイス。

 全部語ると膨大な量になるので、一部をここでご紹介。

 

 ルーカスらエターク王族。

 柘榴石(ガーネット)=真実、情熱、友愛、繁栄、実り、変わらない愛情、友情、忠実さなど。


 アイン/ロードクロサイト=情熱的な恋。本人、かなり歪んでますけどね。


 ツァディー/紫黄水晶(アメトリン)=調和。


 アザレア&ナビアの女王/曹柱石(マリアライト)=自立、癒し、問題解決、達成。




 ・「聖下。彼女の〝盾〟はどうしていますか?」「……何の事だ?」


 ノエルはイリアの盾、フェイヴァの存在を知っていたのかどうかですが、勿論知っていました。

 愛する姉の事ですから、知らない訳がない。




 ・母上の暴走


 いつもの事です。公衆の面前でルーカスはとんだ災難ですね。

 ユリエルさん、初期の設定では厳格な貴婦人だったのですよ。

 それが蓋を開けてみれば吃驚仰天(びっくりぎょうてん)

 どうしてこうなった。




 ・飲酒。ハーシェルの余計なお節介


 悪気はなかったんです、ハーシェルも。

 楽しく飲みたかっただけ。

 プライベートをあまり話そうとしないルーカスの落度でもありますね。




 ・ルーカスの暴走。やらかした


 実はですね、ハグに留まらず危うくキスするところでした。

 想いも伝えてないのにそれはまずい、やめてくれ!

 ……と説得を繰り返しました。


 尚、二回目の暴走では……。




 ・不穏⑤、ジョセフの言うあれやこれ


 アレ=宝珠(セフィラ)

 スペア=神聖核(コア)となれる可能性のある女神の血族の女性

 至高のお方=【女教皇】を宿し人身御供の生贄となれるから

 お役目=子孫残して


 ノエルも言ってますが、(くず)ですね。




 ・アイゼンが思いを馳せた〝あの時〟


 妻オリビアが神聖核(コア)となった時の事です。




 ・「ああ、それと」


 ディーンが言いかけた言葉。

 この時、イリアの補佐官〝太陽の御楯(みたて)〟フェイヴァと邂逅していて、それを伝えようとしたのですが、直後異変が起きたためタイミングを逃しました。




 ・(赤、緑、茶色、子供——。

 盾は……私の、私が、助けた……?)


 赤い瞳孔、翡翠(ジェダイト)の瞳、黒柿色(ブラウン)の髪。

 これはフェイヴァの事です。




 ・〝大地の悲鳴〟〝世界の(きし)む音、(ゆがみ)(しょう)じる感覚〟を感じ取るイリア。


 後々、ナビアの女王陛下が言ってますがイリアは直感、第六感に(すぐ)れています。

 女神の代理人である事、女神との類似性が求められる神聖核(コア)として高い適合率を有している事が大きく関係しています。




 ・イリアが魔獣を抑えるために一人で戦っていると知って


 取り乱すルーカス。イリアの元へ走ります。

 責任ある立場なので、私情を優先したと思われてもおかしくないのですよね。

 実はこの辺、作者は葛藤(かっとう)しました。

 というかいつもそうですね。

 ルーカスはイリアの事になると突っ走るので「団長なのにそれでいいの!?」ってなります。

 なるんですけど、それこそが彼なんですよね。

 変に矯正掛けようとすると、ブレる。

 物語を動かすための装置ではなく、感情を持って生きているんだな、と思う瞬間でもあります。


 作者の思惑を飛び越えてキャラクターが一人でに動き出す。

 暴走と称する現象は大体これですね。




 ・「貴方達はそれで恥ずかしくないの!?」


 イリアが戦っている姿を城壁の上から見ているだけの騎士と魔術師へ向かってシャノンが放った言葉。

 ここも当初は予定になかったシーンです。

 シャノンが暴走しました。




 ・第二限定解除、紅閃(こうせん)天翔斬(てんしょうざん)


 斬撃を飛ばす!

 カッコイイですよね。

 戦闘に関してですが、魔術はしっかり魔術名コールさせているのに対し物理は技名を極力叫ばせない、大技の時だけにしてます。

 このシーンもルーカスは声に出さず心の中で叫んでます。




 ・イリアの目覚め


 「おはよう」と挨拶を掛け合うシーンはお気に入りです。

 ここのやりとりは後々……。




 ・「……おなか、すいた。ごはん……」


 ハラペコリンが遂にその真の姿を(あら)わにしました。

 食いしん坊と揶揄われて怒るイリアが可愛い。




 ・ルーカスとイリアの出会い、過去


 ルーカスの婚約者、カレン王女が亡くなった戦場、六年前のディチェス平原の争乱で二人は出会ったのです。

 この辺の事情はリライト版で一章へ持って行きました。

 ルーカスの悲劇は書くのも辛かった……。




 ・アディシェス帝国の皇族のミドルネーム〝ドゥエズ〟


 安直ではありますが、ドSから来てます。

 ご存知の通り、あちらの皇族は揃いも揃って性格歪んでサディスティックな性格破綻者ばかりです。

 一部正常な皇族もいるにはいます。




 ・(いつか……その志と共に、手の届かない場所へ行ってしまいそうだ)


 使命に従順で、一人で物事を解決しようとするイリア。

 (はかな)い横顔を見せる彼女にルーカスは不安を抱く。

 これも伏線ですね。




 ・「……星は破滅(はめつ)を……(しめ)している。数多(あまた)の星を犠牲にしても、太陽(ヘリオス)を捧げても……」


 ツァディーがこの時点の星詠(ほしよ)みで見た未来。

 数多の星=世界の人々、太陽=イリア

 ノエルの計画が成功しても、成功せずにイリアが神聖核(コア)となり術式を維持させても、どちらにしても世界に未来はない事を示唆しています。




 ・(——ノエル様を(みちび)かないと、ね)


 破滅(はめつ)への導き。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ