表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣図鑑239ページ  作者: 夜朝
第2章 幻獣とハンターと
10/66

2-6

 アーシィは二人組と別れてベッドに入った後も何となく目が冴えて眠れなかった。すると、どこかの家で電話が鳴っているのが聞こえた。同時にアンジェのケージからあまり聞き慣れない音が聞こえてきた。いつもはリビングに置いてあるが、寝るときはいつもアーシィの部屋に連れてくるのだ。アーシィは起き出して、ケージへと歩みよった。


「アンジェもそわそわするの? ぼくもなんだ……もう一度、あの幻獣に会ってみたくて」


 夜行性のアンジェは夜に活発に動くことが多い。ケージの中段が運動場になっていて、その真ん中に置いてある滑車で一晩中遊ぶこともしばしばだった。そんなアンジェが今夜は中段に出てこず、ずっと巣箱の中でカタカタと小刻みに震えているような音を立てていた。

 アーシィはそんな細かい違いは気にせず、自分の興味のことで頭がいっぱいだった。


「どんな格好をしてるんだろう? 一緒に遊んでくれるかな。翼が生えていたらいいのに。一体何を食べるんだろ……」


 その時だった。

 窓の外からほんのりと白い薄明かりが灯り室内を照らした。


(ーーお、おばけ!?)


 アンジェの立てる物音がいっそう大きくなった。アーシィは布団を持ってきてケージごと頭から被って白い明かりが消えるのを待った。電話の音もなかなか鳴り止まなかったが、いつしか明かりと音と両方が消える頃にはアーシィも眠りについていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ