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日本から漢字が消えた  作者: 夏目 碧央
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日本語とは何か

 古文を研究する人もいるのだから、少数の研究者は漢字研究を続けた。そして、100年が経った。これでもう、研究者以外に漢字が読める人はいなくなった。漢字仮名交じり文は、すっかり古文になった。古代文学よりも、近代文学の方が遙かに難しいものになってしまった。

 古い文書も一般人には読めない物になった。図書館に過去の新聞などが置かれるが、それも読める人がいなくなったので、残念ながら博物館にしか展示されなくなった。今図書館にある新聞は、紙ではなく電子書籍である。それも、全て仮名のみで書かれている。

 子供達が、漢字の勉強をせずに英語の勉強をしたので、日本人も英語が話せるようになった。日本に住む外国人は4割に上り、日常的に英語が使われた。日本語は元々外来語を多く取り入れる言語なので、会話の中には英語が入り乱れ、もはや何語を話しているのかさえ分からない状態になった。日本語とは何か。この問いは、時に研究者が好んで使う命題になった。

 かくも簡単に、一つの文化は廃れてしまう。漢字を使っていた日本語文化は無くなった。そして、新たに変化した。新しい物が増え、新しい言葉が出来ていく。その分、古い物を捨て、忘れて行かなくてはもう、立ちゆかなくなる。

 人類は、どんどん新しい物を作って行く。便利に、早く、グローバルに。日本人は漢字を捨てた。次は何を捨てるのだろう。名前を捨てて、番号に置き換えるか。名前も、同じ人がいて紛らわしい。いっそマイナンバーだけで管理した方が、利便性が高いのではないか。そもそも、戸籍は要らないのではないか。となれば、苗字は要らなくなるだろう。


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