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シリーズ『徒然草的な何か』

その時あなたは何をしていましたか?

作者: 鶴鴇屋徳明

――いわゆる『9・11テロ事件』発生当時、私は帰宅直後に2機目の旅客機突入の瞬間を、テレビの生放送で見ていた。

 この文を書いている時から遡ってちょうど20年前の、今ぐらいの時間帯(現地時間の2001/9/11午前9時前後、日本時間の午後10時前後)、私はディスカウントストアでウェストポーチ(※)を買い、帰宅してテレビをつけた所であった。


(※このウェストポーチはその後10年きっかり、ボロボロになるまで使う事になった)


 テレビをつけると、ちょうど日本の某テレビ局がアメリカのABCニュースの中継映像を流している最中であり、「世界貿易センタービルへの旅客機衝突(※)」の報道を続けていた。


(※これが1機目である事を知ったのはしばらく後の事だった)


 数分間そのまま見ていると、旅客機衝突の瞬間が映し出された。

「再放送か?」と思ったが、ニュースキャスターの「今、2機目の飛行機が突入したように見えましたが」との声で、それが2機目突入の瞬間の生放送である事を、私の脳はようやく認識した。


 それは、現実か虚構か直ちに判断できないほど、我が目を疑う光景だった。


 テレビの映像を茫然と見ていると、私の携帯にメールの着信が有った。

 親友からのメールだ。確か、件名は「テレビ見た?」とか、そんな感じだったと記憶している。


 その夜、私は親友とメールで「大変な世界になった」「この事件は間違い無く歴史に残る」などとメッセージを交わし合いつつ、パソコンでインターネット上の情報をあさりまくった(当時はまだグーグルがネット検索業界で王座に君臨するよりもずっと前の時代だった)。


 それからちょうど20年。あの事件については、色々な分野の専門家からしがない庶民にいたるまで、膨大な人数による膨大な量の発言がなされてきた。

 それらの膨大な玉石混交の発言の中に私の発言が付け加わったところで、私以外にとっては大した意味は無かろうが、それでも今夜、私はあの事件についての回想を記したいと思った。


 記したいと思った回想は以上の通りであるが、回想ついでに、ちょっと思った事を書く。


 最近、ネットやテレビを見ていると、アフガニスタンでのタリバンによる政権奪取とアメリカ軍の撤退を、ベトナム戦争を引き合いに出して語る論説を、チラホラ見かける。


 果たして、アメリカは「テロとの戦争」に勝ったのだろうか?


 おそらくアメリカ人の大多数は認めないだろうが、「限り無く勝利に近い敗北」だと、私は思う。


 なるほど、アフガニスタンでの、イラクでの、数々の戦闘にアメリカは確かに勝利した。

 アメリカ兵の戦死者数は、アフガニスタンとイラク両方を合わせても、ベトナムでのアメリカ兵戦死者数約5万8千人に対して、そのおよそ10分の1余りだ。

 ベトナムでやらかしたような、第2次世界大戦で使用された通常爆薬総量の約3倍を浪費したあげく枯葉剤を撒くなどという暴挙は、アフガニスタンとイラクではやらなかった(その代わり、使いまくった劣化ウラン弾が禍根を残したり、捕虜虐待が問題視されたりしたが)。


 しかし9・11テロ事件から20年後、アメリカはアフガニスタンに親米的な政権を存続させ続ける事に失敗した。

 また、長過ぎる戦争はアメリカの覇権を確実に揺るがした。


 9・11以後、日本はアメリカの戦争を支援してきた(当時の大国同士の力関係を考えると、支援せざるを得なかった)が、アメリカの弱体化に呼応するかのごとく中共が強大化し、アメリカに取って代わって覇権国家にのし上がろうとしている。


 そしてその中共は、あろうことかタリバンを陰で支援している。


 中共をソ連の二の舞にするためにも、日米同盟が重要である事は論を待たない。

 だが、中共崩壊後、日本が安泰である為の未来像を見据えて、その未来像を実現させる力量を持つ政治家は、果たして日本にいるのだろうか?


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