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第十三話 ワルハラ騎士団VSドルイド騎士団

ウァレリア・アントンの暗殺よって軍の前指揮権を掌握したネルヴァ・ヴェルギリウスは、まずイスラム諸国連合の強国、トルコ共和国に向けて、全長2000メートルを超えるテオドシウス級戦艦200隻、量産型ベルセルク五万機のテオドシウス艦隊を差し向けた。イスラム諸国連合は軍勢は多いが技術が弱く、またここを制圧すれば世界の半分を占領することになる、そう踏んだ作戦である。


テオドシウス艦隊の前陣から、諸国連合側の戦艦が、ハエの群れのように、ベルセルクが蚊の群れのように接近してくるように見えた。数は多いが、彼らを倒すのは、それこそ殺虫剤を撒くように容易いことだ。


そう考えながら、ドイツ出身、赤髪茶眼と長身のウ゛ィルへルム・シュヴァイツェル(54,♂)艦長は、艦隊の中央のテオドシウス級の指令室のレーダーで、イスラム側の、全長1500メートルのクセルクセス級三百隻、ベルセルク八万機のシャープール艦隊の軍勢を見ていた。


戦艦は雑魚と区別が付かないように、中央艦ではなく、周囲と変わらないものにした。


暫く様子を満足げに眺めると、やがてレーダーのウィンドウを閉じ、代わりに3つのウィンドウを起動する。そこには、まだ子供の風貌を残した三人の兵士の姿があった。

左には金髪蒼眼でまだ声変わりもしていない少年、マルクス・レオンシュタット(13,♂)。右には赤髪赤眼の大柄で筋肉の発達した細身の少年、ハレルヤ・カルディロン(17,♂)。

そして中央には、褐色の肌に褐色の髪、アーリアとアングロサクソンの血を引く少女、ウィリア・ヴェーダ(16,♀)。

それぞれ、《天空のマルス》、《鮮血のヤヌス》、《聖炎のウァグニィ》のパイロットである。


「時間だ……」

シュヴァイツェル艦長は彼らに向けて言った。

「解っています……」

三人は大体同じようなことを言った。


数分後、シャープール艦隊側に居たドゥルイド騎士団(そろそろ組織に名前が必要かとカンナが提案)は、テオドシウス艦隊の戦闘の軍艦の側面から、三機の独立型ベルセルクが射出されるのを見た。


「来たな…」

「ああ…」

ヴァレリウス兄弟が言った。


「ここで負けるということは、世界の命運をネルヴァに委ねるということだ。分かっているな…」


ベルセリウス・レオンハルト(カルタゴ戦以来登場していなかったドイツの空軍提督)が聖賢のロキから支持を下すと、一団はテオドシウス艦隊の前陣に特攻した。

テオドシウス艦隊のベルセルクから銃声が鳴り響く。

マシンガンから発射された銃弾が描く無数の線を交わしながら、艦隊のベルセルクを、一機ずつ、接近して、武器を持った両腕や、肩のミサイルポッドを切断して戦闘不能にするか、コクピットを剣で串刺しにしてパイロットを殺すかして撃墜していく。一機のベルセルクで一度に六機以上のベルセルクに応戦するというのは、独立型ベルセルクのパイロットだからこそ出来る技術だ。


間も無くテオドシウス艦隊のベルセルクの群れが左右に割けるように道を開いた。


三機の、おそらく機密で開発されていたのだろう、誰も見たことのない独立型ベルセルクが、こちらに向かってきていた。



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