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恋人は戦場の聖母 〜王子の全力溺愛物語〜  作者: 嘉多山 瑞菜
第3章 恋に落ちて
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真理が次々に出す料理にアレックスは眼を輝かせていた。


定番の卵とクレソンやチキン、ハムやチーズを使ったサンドイッチに、ソーセージを包んだディニッシュロール。


アレックスがリクエストしたスコッチエッグに、マカロニチーズ。

そして桃が好きだといったからだろう、桃のタルトも出てきた。


焼きあがって間もないホカホカしたスコーンにそつなくクローテッドクリーム、フラスクに入った冷えたガスパチョ。


そして、日本国籍を持つ彼女らしいフライドチキンを挟んだライスボールなど、など。


どれもこれも美味しそうなメニューにアレックスの喉がゴクリと鳴った。


「真理!!スゴイ美味しそうだ!」


彼女は頬を赤らめながら「お口に合うと良いのだけど」なんて謙遜する。


合わないなんてありえないじゃいか、彼女が自分を思って作ってくれた料理の数々。

逸る気持ちのまま、真理の隣に腰を下ろすと、行儀悪いと自覚しつつ、早速、皿に盛り付けている途中のサンドウィッチをパクリとつまんだ。


「うまい!!」


真理が良かったと微笑むと、グッと触れたい気持ちが増してしまう。


アレックスは真理の頬をそっと手の甲で撫でた。

真理は一瞬、瞠目するがそれでも感情を抑えるようにアレックスを見返したままされるがままでいる。


腰を抱く

手を握る

指を絡ませる

頬や髪に触れて口付ける


そういった行為に慣れてきたと思う。

なので、今日はもう一歩踏み込んで触れてみようとアレックスは決めていた。


男なんて下心ありきの生き物だろう、ここまでだって随分我慢してるのだ。


そう考えながら、アレックスはしばらく真理の頬の感触を楽しんだあと、たずねた。


「何飲む?ワインもシャンパンもエールもある」


紅茶はあとでいいだろう?と付け加える。

真理の料理を楽しめるようにドリンクは自分が準備したのだ。


頬から離れていく自分の手を真理が視線で追っているのが分かると嬉しくなる。


頬を朱に染めた真理が「エールで」と答えると「御意。お姫様」とアレックスは笑顔で答えて冷えたグラスを手に取った。


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