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バリアフリー  作者: ネコノミ
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始まり

あぁー人間以外のものになりたい。いや何も別に厨二病でも病んでるわけでもない。ただ辛くなってしまったのだ。あぁー考えたくない。もう考えたくないんだ…

 




〇〇××年6月1日


いつものように朝がやってきた。


「起きて。もう学校へ行く時間だよ。」


母が起こしにきた。部屋の前で起きてと促してくる。まるで俺を恐れてるかのような小さな声である。


「うん…起きるよ」


もう完全に起きていたが、今起きたみたいな寝起きの声で小さく返す。ギリギリ聞こえたらしく親が台所へ戻っていく。


はぁー学校へ行くのが辛い。別にいじめらている訳でも、友達が居ないわけでもないが行きたくない。毎日学校を休もうかと考えやっぱ行くかという結論に辿り着く。今日も同じように考えた。そうしてやっと学校へ行く事を決意して布団から出て朝ごはんを食べ部屋を出る。


「おはよう。」


家族がもうそろっていた。みんながそれぞれ自分に挨拶をして自分もおはようと返す。自分は祖母、叔父、母親、兄と一緒に暮らしてる。あまり関係が良いとは言えない。


朝ご飯の時はみんな話をしてる。だが自分は話に入っていかない。入りたくない。聞き流して朝ご飯を食べ終え学校へ向かう。


今日は雨模様だったので祖母にお願いして送ってもらった。車の中は祖母と兄の話す声だけが聞こえる。


学校の近くまで来ると歩いてる生徒が複数みえる。中には男女仲むすまじく歩いてる人達もいる。そのまま学校へ着きゆっくり車から降り歩いて中へ入っていく。


「お!〇〇おはよう!」

 

教室へ着くなり友人Aが話しかけてきた。


「お前昨日のイベントやった?ラスボス強過ぎじゃね?笑」


他愛もない話で盛り上がる


「やったよ俺はあのパーティーでクリア出来たぜ!」


どうでも良いがこの時間が自分にとってもっとも楽しい時間だ。ゲームなんて将来なんの役にも立たないかも知れないが友人との会話のタネを作るにはとても良い。

その時だ。


「うぉーーー。あうぅぅぁはぁ、わ、ーー」


突然大きな声が響いた。だがみんなは慣れてる。だからビビってもすぐ原因が分かり落ち着く。


「はぁーまたかよ。毎日毎日嫌になるね。」


クラスの中心人物みたいな奴がそうやって悪態を着く。それにみんなが賛同し次第にそのことを完全に忘れたかのようにいつも通りの時間が戻ってくる。


俺の名前は〇〇 〇〇だ。高校1年になり約2ヶ月が過ぎた。家は農家であり母は事情によりまともに働けていない。兄は同じ学校に通ってるが通常のクラスにはいない。


さて朝彼女と共に登校した男も加わりいつメンが集まった。まぁ対して会話の中身は変化しない。いつも通り話して授業が始まった。


〜昼休み〜


友人Aが嫌そうに愚痴をこぼす。


「今日は全授業が終わった後話を聞くんやろ。だるくね?いつもみたく聞きたくもない話を強制的に聞かされて感想文を書かされるんだろぉーーー」


今日の放課後は講義があるのだ。全員強制であり、休めない。確定で感想文は書かされる。適当に聞き流してしまったら感想用紙が長い時書くことが足りず悩むことになってしまう。


「それな!聞きたくねぇての。あぁー美咲とデート行きたかったわ」


と彼女の方へ向いてタダをこねる子供のように言う。彼女も賛同し、同じような雰囲気で返す。


「聞きたい人だけ聞けば良いのにね。私もデートしたかったーー。」


そのやり取りを見て目の前でイチャつかれる身にもなれよと思いつつ、空返事でそうやなと愛想笑いを入れ反応する。


俺は嫌ではない。むしろ聞きたいと願っている方だ。


講義の題材は「障がい者について」だ。この学校が障がい者と共に過ごす学校である。一般コースの他に福祉コースと言われる障がい者専用のコースがある。学校行事など一部を共に行う。こんな高校はこれから増えて行くだろう。だが今はそんなに多くはない。うちの高校は非常に珍しいと言っていいだろう。だからなのかこういう講義が結構ある。


障がい者の中には急に暴れて出すという子もいるのだ。それの被害をくらってしまった人は少なくない。この学校は障がい者との関わりを推しているが、生徒はあまり乗り気ではない。だから一般の生徒はこの講義を嫌う。


もう自分達の中で分かり合えないのだと理解できない存在なのだと決めつけてる人も少なくないはずだ。


〜講義〜


講義は福祉の先生が講師となり行われた


「バリアフリーとは…………………………………………

なのです。障がい者とは………………………だからその人の立場に立つことが大切なのです。」


よくある内容だった。何も間違ってはいない。全てが正しく正論である。だが誰かの思想変えるほど立派なものではない。だから…


「ふぅーやっと終わったぜ。」

「よっしゃー部活行こうぜー。」

「今からお前の家遊びに行っていい?」

「今からデート行こうぜ!!」


だからみんなはいつも通りなのだ。何も響いていない。何も変わらない。この講義の時間は無駄となったのだ。


自分はこの事態が悲しいが、ここで何も言わない。みんなと同じように解放されたーーと言う演技をしていつもの生活へ戻る。結局この講義では俺も変われなかったのだ。俺にも響かなかったのだ。


そして友達と共に帰り、寄り道をし、夕方6時に家へ着いた。


家では母と兄が喧嘩をしていた。


「テレビの番組変えるなよ。あんた。断りを入れろよ!」


「あんたて何様なんだよ。お前は私の腹から生まれたんだろ。もっと言葉使いちゃんとしろ。」

 

「うるせぇ。うるせぇ。うるせぇ。うるせぇ。うるせぇうるせぇ。」


「何がうるせぇやし。本当に憎たらしいな。」


チャンネル争いから始まったであろう口論はものすごく幼稚だ。どうしてそんなことにまで発展するのか分からない。だがこれが俺の家の日常である。これがいつものやり取りである。これがいつも行われる。


内容に変化はない。似たようなことを繰り返す。まるでコミニケーションの仕方を知らないようだ。いや実際知らないのだろう。だから同じことを繰り返すのだ。


母と兄に向かって俺は


「うるさい。黙れ。」


と強く言う。そうするとどっちも黙る。それから俺は2階の自分の部屋へ戻り夕飯を待つ。夕飯を作るのは祖母の役割になってる。母は作らない。否作れないのだ。


そして自分だけ別世界に入ってるかのように黙って会話に入らず夕飯を終える。風呂へさっさと行きすぐ部屋に篭る。


家族とはもう朝になるまで顔を合わせないだろう。また兄と母の怒鳴り声が聞こえる。


そして捨て垢のSNSでこう呟く。









「どうすれば知的障がいの母と兄と仲良できますか?」









答えのない問いを投げ掛け1日が終わる。




少し重いかもしれません。

これは完全フィクションです。


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