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10ゴールドの聖剣  作者: 喜助伊洋
4/20

呼び方って性格出るよね(呼び方と関係性)

一応、この話で序盤は終わりにしようと思います

 閉店時間まで言い合ってた日の翌日。


「ふああああぁぁ、眠いな」

「なんだよ閉店まで話し込んでたくらいで寝むいだなんて、親父も年だなぁ」

「俺はまだ20代前半だっての、お前は眠くないのか?」

「自分は剣だから寝る必要ないよ」

「そうなのか、お前を造ってから半年くらい経ったけど。知らないこともあるんだな」

「いや、人じゃないとはいえ息子がちゃんと寝てるかくらい確認してくださいよ、親ならさ」

「息子言うな、その呼び方も認めたわけじゃないからな」


 この聖剣が俺を「親父」と呼ぶのは、俺が造ったからだそうだ。

 正直俺はこの呼び方を気に入ってはいない。

 その辺1度コイツと話し合ったことがあるが、この呼び方の変更は受け入れてもらえていない。


「もう何度目か分からないけど、俺を親父って呼ぶの止めようぜ。俺にとってお前は『商品』なんだから」

「商品なのは理解してるさ、それでも自分は命あるものとして造ってくれた親父に敬意を払って『親父』って呼びたいんだ」

「おおげさだな。いくらお前が俺に敬意を払ってくれてても最終的には売り飛ばすぞ」

「それで本望だよ、自分だっていつかは立派な冒険者の手で世界を見に行きたいさ。だけどそれはそれとして親父への感謝がなくなるわけじゃない」



 まったくコイツは恥ずかしいことを言ってくれる。

 これじゃ俺が息子を売り飛ばしてるみたいじゃないか。

 家族を売り飛ばすようなことは2度はゴメンなんだがな。

 けどコイツがいい冒険者と出会って、世界に出たいんだと言うなら。それを手助けするのが親父として、いやいやコイツを造った者として、店主として必要なことなのだろう。


「わかったよ、お前がいい冒険者に出会えるように本日も頑張りますか」

「あー、出来れば昨日も言ったけど、自分の値段の交渉をしたいんだけど。自分は最高の冒険者に買ってもらって世界に出たいのであって、駆け出し冒険者のこん棒の代わりにはなりたくないんだけど」

「・・・・・・きっと駆け出し冒険者でもいい奴は見つかるって」

「嫌だぁ! こん棒の代わりは嫌だぁ!! もっと伝説の冒険者とかに運命的な出会いをして、伝説の聖剣みたいな活躍がしたいんだぁ!!」

「いやホラ、駆け出し冒険者が初めて買った武器がそのまま伝説の武器になるってのにもロマンがあるじゃん」

「・・・・・・それは、ロマンがあるけど・・・・・・、うん。やっぱり自分は何百万ゴールドも動かす伝説の剣になりたい。協力してくれ、親父!」

「さーて、開店準備を始めるか」

「まさかのスルー!?」


 後ろでギャーギャーと騒いでいるが、無視する。

 確かにいい冒険者に巡り合って欲しいと心から思うが、値段だけは勘弁してほしい。

 ベテラン冒険者に売って聖剣とバレて、国外追放だけはシャレにならない。

 まあ、でも、少しは客を選んで売りに出してあげようとは思いつつ。


 ブレード王国 王都ソード 『ウエポンズ』 本日も開店!!

次回からも日曜投稿を続けていこうと思います

もしお暇なら読みに来てください

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