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10ゴールドの聖剣  作者: 喜助伊洋
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ウエポンズの秘密 (世界観説明その2)

世界観説明その2です

「お前が聖剣ってバレたら、あと俺が聖剣造ったって知られたら、俺ら二人とも国外追放だからな」

「そ、そうだった。危ないところだった」


 そう、このブレード王国は別名『聖剣王国』と言われ、今でも初代国王、そして初代国王が使っていた聖剣のことが神聖なものとして扱われているのである。

 そのため聖剣の名を使った犯罪は重度の犯罪とされ、最悪国外追放の処分となる。


「・・・・・・アレ? 親父は国外追放になっても剣の自分は罪に問われないんじゃ?」

「一応言っとくけど国外追放になったとき、一緒に国外追放に連れていくかは俺の気分次第だからな。その場で処分って可能性もあるんだからな」

「すんませんでした。スクラップ送りだけは勘弁してください」


 正直言うとこのおしゃべりな聖剣サマは俺の最高傑作なので手放したくないっていうのが本音なのだが。


「あんまりうかつなことは言わないでくれよ。まあ喋ること自体は止めないけど」

「え? いいの?」

「喋ったり意思を持ったりしてる魔剣は、この町じゃ珍しくないしな。そこら辺は妥協するよ、ずっと黙ってろってのも申し訳ないしな」

「おいおい、親父といえど自分を魔剣呼ばわりは止めてくれよ。聖剣ってのは、出来た瞬間にその出来栄えの素晴らしさに神が祝福を授けた剣。言うなりゃ剣のエリートだぜ。長いこと魔力を浴び続けたら自然にできるロートルな魔剣たちと一緒にされたくないぜ」

「なるほど、そういう違いがあるのは知らなかった。ただ、神に祝福されるほどの出来栄えか。確かにお前は俺の最高傑作とはいえ、そう言われると造った俺も鼻が高いぜ」

「うーん、親父の腕が悪いとは言わないが、たぶん自分が聖剣に選ばれたのは貴重な素材をふんだんに使ったからだと思うぜ」

「確かに」


 冒険者時代に集めた素材を使いまくって、とにかく高値で売れる剣をって邪念を込めて造ったからな。

 それで聖剣のコイツができるんだから、世の中分からないもんだ。


「とーにーかーくー、自分は聖剣として生まれた以上最高の持ち主に使ってもらいたいんだ! こんな駆け出し冒険者が使うこん棒より安いのは嫌なんだよ!!」

「俺だって貴重な素材でできた最高傑作のお前を安値で売りたくはなかったよ! けど高レベルなベテラン冒険者じゃお前が聖剣ってバレるかもしれない、武器の良し悪しを測るために『鑑定』ってスキルを持ってる人だっているだろうしな。そうなる前にここでお前を売り飛ばした方が安全なんだよ!!」

「じゃあ他の国で売ろうぜ。自分の出来栄えなら冒険者が少なくても手に取ってくれる奴はいるって!」

「無理だ、ここで武器屋を構えるのに金をほぼ全てつぎ込んだからな。他の国に移って商売するほどの金はない」

「嫌だぁ! 自分は何百万ゴールドも動かす立派な聖剣になりたいんだぁ!!」

「だから聖剣とか言うんじゃねぇよ!!」


 こうして閉店時間まで「聖剣!」と言いながら言い争っていた。

 その間客が来なかったのは良かったことなのか、店の人気の無さを嘆くべきなのか・・・・・・。




次回はなぜ聖剣が親父と呼ぶかの説明が入ると思います。

来週の日曜更新予定です


5月9日に聖剣の一人称を「俺」→「自分」に変更しました

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