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10ゴールドの聖剣  作者: 喜助伊洋
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サブ武器を持とう 前編(人によっては秘密兵器とも言う)

「さて、と。駆け出し冒険者向けの武器と防具は一応できたな」

「あとは何を造るの、親父?」

「駆け出し冒険者に売るなら、サブ武器も用意しとくか」

「サブ武器って何?」

「簡単に言うと、普段使いの武器が壊れたりした時に使ったりできる武器だ」

「例えばどんなのが良いのかな?」

「基本的には『木の盾』なんかが駆け出し冒険者向きだな」

「・・・・・・サブの武器、なんだよね?」

「そうだぞ、サブの武器だ」

「盾って防具じゃない?」

「立派な武器にもなるって話だ」


『木の盾』

 その名の通り、木で出来た盾だ。

 肘から手の先までを守るサイズから全身覆い隠せるサイズまで色々あるが、その総称である。

 装備すると片手がふさがってしまうので、普段は背中に背負っている冒険者が多い。

 鎧では防げない強力な攻撃を持つ魔物や毒を持つ魔物と戦う時に使う防具だが、ただガードするなら武器でガードすればいいので使わない冒険者がほとんどだ。

 それでも盾を買う冒険者がいる理由。

 それはいざという時武器になるからだ。

 自分のメイン武器が壊れた時、盾を使って魔物から逃げれた例は多くある。

 盾を前にしてタックルすれば、多少のダメージは与えれる。

 1体くらいなら盾でタックルしながら木や岩に押し付ければ押しつぶせる時もあるだろう。

 ベテラン冒険者なら自分の武器が壊れる前に撤退できるだろうが、駆け出し冒険者はその判断ができない。

 なのでいざという時の撤退手段として盾を買うものもいる、ということだ。


「なるほど、それで親父。 売るのは『木の盾』だけ?」

「いや、今回の目玉商品は『トゲ付きバットこん棒』だから、打撃武器代わりの『木の盾』だけじゃなく斬る系のサブ武器も欲しいな」

「斬る系? 打撃武器だけじゃダメってこと?」

「ああ、武器の相性が悪い魔物に出会ったときの対策だな」

「相性の悪い魔物って?」

「この辺にはあんまりいないが、陸赤蛸(りくあかだこ)とか軟体系の魔物には打撃攻撃が効きにくいから斬れる剣系の武器が必要になってくる」

「なるほど、それじゃあそのサブ武器ってのは『鉄の剣』とかなの?」

「いや、長剣は高いからな。売るのは短剣の『鉄のナイフ』とかだ」


 基本的に駆け出し冒険者は『鉄の剣』などの長剣を購入しない。

 基本全てが鉄などの金属で出来ている長剣は値段が高いからだ。。

 長剣を買うのは、冒険者としてしっかり稼いだ1人前の証拠と言われている。

 正直、この「1人前にならないと長剣は買わない方が良い」という風習。

 聖剣サマが売れにくくなるのでやめて欲しいとは思っている。

 それに比べ、刀身が短く鉄もそこまで使わないので比較的安い『鉄のナイフ』などの短剣は駆け出し冒険者も買って行ってくれる。

 単純に武器としてだけでなく、皮の剥ぎ取りや料理にも使えるのでかなり重宝する短剣。

 自信のある駆け出し冒険者なら短剣も一緒に買って行くだろう。


「・・・・・・(ジーっと見る)」

「? 親父急に自分の方を見てどうしたの?」

「はぁ、お前が短剣だったら売れたかもしれないのに」

「ため息と共に文句言われた!? なんなの急に!?」

「気にすんな。さーて、『木の盾』と『鉄のナイフ』の改良案を考えるぞ」

「流された!? まあ一緒に考えるけど」


 この聖剣サマの切り替えて協力してくれる優しさは本当にありがたいと思っている。

読んでくださった方々、ありがとうございます

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