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10ゴールドの聖剣  作者: 喜助伊洋
17/20

今ならこれが付いてくる 後編 (ガチャを回そう)

「『皮の鎧』を買ってくれたら駆け出し冒険者向けの武器が特典で付いてくるってのはどうかな、親父?」

「悪くはないが、数を用意すると予算がかかるな」

「それならサービス券は? 買ってくれた人に何ゴールドか割引きする券をプレゼント、とか?」

「うーん、どのくらい割引するかにもよるがちょっと特典としては弱いな」


 この調子で聖剣サマが提案して、俺が否定するという流れが続いている。

 俺は物事を思いつくのは苦手だ。

 だからいつものお喋りみたく、アイデアがポンポン出てくる聖剣サマは正直助かっている。


 だが、その聖剣サマのアイデアの間欠泉をもってしても、特典決めは難航している。

 話し合った結果、多少の損はしてでも『駆け出し冒険者応援フェア』中は我慢しようということになった。

 具体的に言うと、他の商品をセットで販売したり等だ。

『皮の鎧』を売ることで多少の赤字が出ても、駆け出し冒険者が来てくれるようになるには仕方ないと考えるようにしたのだ。

 じゃあ何をセットにするかというところまで話は進んだのだが、そこからが難しい。

 いいアイデアは出るのだがどれも決定とまではいかない。

 数が多いと損が出すぎてしまったり、付けたところで購買意欲をそそるまでのものじゃなったり。

 悩みどころだ。


「それじゃあ、親父。大サービスで『皮の鎧』を買ってくれた人にはその時に買い物を全部無料にするとか!」

「却下。それを全員にやったら店に取り返しのつかない赤字が出る。意見を出してくれるのは嬉しいけど、もう少し現実的なものだけにしてくれないか?」

「こーなったら、今まで言ったやつみんな付けたら売れるでしょ。もってけドロボー!!」

「話聞いてたか!? さっきまでの案も悪くなかったが全部付けるとかそんなこと、そんな、こと・・・・・・」


 いや待てよ。全部、全部か。


「お、親父? 急に黙ってどうしたの?」

「いけるぞ! 全部作戦!!」

「はい!? 言っといてなんだけど、言ってきたやつぜーんぶ付けちゃうと店潰れちゃうよ!?」

「いや正確には全部は付けない、全種類だ。さっきまで言ったやつ全種類混ぜて()()にするんだ」

「あー、なるほど。くじにすれば数を用意すると損するものはくじの当りとして数を少なくすればいいし、購買意欲をそそらないものはくじの外れとして残念賞にすればいい」

「そうだ。『皮の鎧』を購入することがくじを引く条件にして、当たれば武器が付いてきて外れても割引き券が付いてくる。あとは大当たりを付けたいところだが」

「それならさっき言った、その時の買い物代全額無料とかどうかな?」

「それでいこう。くじ作戦、いけるかもしれないぞ!」

「おめでとう、親父!! 良い作戦思いついたじゃん」

「お前の発言がヒントになったけどな」


 どうなるかは分からないが1回やってみるか。


「新商品、と言って良いのか分からん。だが、あえて名付けるなら『くじ付き皮の鎧』発売だ!」

「うーん、ネーミングセンス・・・・・・。よし、自分は何も言わない!!」


【新商品『くじ付き皮の鎧』を作成した】

読んでくださった方々、ありがとうございます

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